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衝撃!密着!出産24時!-その1-

私の出産に密着しました。(産科の病室なう)

はじまりはいつも雨

4/28 AM2:00 自宅

下痢の時のようなお腹の痛みに襲われる。トイレへ行くも便は出ず、かわりに(?)血の混じったおりものが出る。
しばらくすると、また下痢の時のような痛みに襲われる。トイレへ行くも便は出ず、かわりに(?)血の混じった体液が出る。
「まさか・・・!?」

AM3:00 自宅

これはまさか前ぶれではと思いつつ、予定日より遅れそうという検診結果を受けていたため、まだだろうと思いながら、一応、出産と入院に必要な荷物をまとめる。

時々やってくるお腹の痛みに耐えながら、洗ったら少し皺になったポコのベビードレスに此の期に及んでアイロンがけをする。

AM4:00 自宅

お腹の痛みが増して、頻度も高くなってきた。30分に一度が20分、15分と間隔が早まってきた。これが陣痛というやつならば、5〜6分間隔になったら病院へ行く予定となっているので、いよいよだ。

出産の前に、なんとなく産道をキレイにしておきたくてシャワーを浴びる。パンツに貼り付けたナプキンには、血の混じった水っぽい体液が出ていた。

AM5:00 自宅-病院

予定通り、5-6分間隔になったのでタクシーを呼び、ゲゲとちょうど手伝いに来てくれていたゲゲの母(義母)と病院へ行く。天気は雨。ふしぎと雨の日に産気づく人は多いらしい。

AM5:30 病院

検査をすると、お腹の痛みは前駆陣痛だった。前駆陣痛は、本当の陣痛とは違っていて、来たからといって出産というわけではない。陣痛の仮免許のようなものである。仮免許とはいえ、アクセルを深く踏んだように痛みがお腹を駆け巡る。
そして、ナプキンについた血の混じった水っぽい体液は羊水だった。私は「破水」をしたのだ。

陣痛はあくまで前駆陣痛だが、破水をしたため、そのまま入院することになった。

見知らぬ、天井

AM7:00 病院/準備室

病室に通されて、本当の陣痛を待つ。前駆陣痛だからと言って、痛くないわけではない。充分に痛い。

病院の面会時間外のため、ここでゲゲと義母は一度帰宅しなければならなず、ただでさえ不安な状態なのに、孤独というさらなる不安を抱いて、ベッドに体を横たえ天井を見る。
「知らない天井だ・・・」

AM8:00 病院/準備室

病室に朝食が運ばれてくる。パンにシチューにサラダに牛乳など、献立は健康第一で味も悪くないが、前駆陣痛の痛みのせいで食べられない。腹が減っては戦はできぬとは言うが、結局パンを半分と、シチューを味見程度に食べただけ。
「こんな時に食えるかー!」

AM9:00 病院/準備室

前駆陣痛が本当の陣痛にかわったのは、この時である。それまで不定期に訪れていた痛みと苦しみが定期的にやってくる。
「あ、くる・・・」
と思ったら
「キターーー!」
ほぼ時間どおりに来る律儀さである。その痛みは尋常じゃなく、何かにしがみついていないととてもじゃないけど耐えられない。しがみついていても耐えがたい。

AM10:00 準備室-分娩室

「陣痛が10分ごとに来たら呼んでください」
助産師さんの言うとおり、藁をもすがるような気持ちでナースコールを押す。
やって来た助産師さんは、痛みに苦しむ私をケアしながら様子を観察したのち、
「陣痛ですね」
ここでようやく初めて陣痛がはじまったと認められたのである。では、今までの痛みと苦しみは一体何だったんだ。

陣痛が来たので、先ほど家に戻ったばかりのゲゲと義母を再び呼び戻した。二人はすぐに来てくれた。

そしてついに、分娩室へ。

車椅子に乗せられて、分娩室へ移動した。ここまでの陣痛も充分にものすごく痛いのだが、これからやってくる痛みに比べたら、こんなもんはなんてことないと、この時はまだ知る由もなかった。

つづく



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