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大病院ドキドキクエスト

今、私が通っているレディースクリニックは産科ではないので、出産は別の病院の産科でとなるのだが、そのことをセミオープンシステムと呼ぶのだそうだ(←いまいち理解してない人)。

郷に入っては郷に従え、セミオープンシステムを利用するならセミオープンシステムに従え、の言葉に従えば、一度、出産をする病院の産科へ行って、検診を受けて、出産と入院の予約手続きをしておく必要があるみたいだ。

急にウッと産気づいてあわてて病院に駆け込んで、ヒッヒッフーと産みおとすものだと思っていたが、それはテレビドラマの世界だけで実際は、事前にやらなければならないことが色々あって全然ドラマチックでもないし面倒が多いのだが、そんなことも言っていられない。

【どこで出産をするか?】というのは妊娠したら絶対に考えなくてはならない点である。
どの病院で産むのか、東京で産むのか地元に帰って産むのか、自然分娩か、水中分娩か、無痛分娩か、フリースタイル分娩(というのがあるらしい。ラッパーみたい!)か、産み方も含め考えなければならない。

それも、なる早(妊娠20週前くらいまでに)でどこで産むかを決めなくてはならない(とクリニックの先生にかなり焦らされる)のだが、私とゲゲは仲良く「どーする?」と「どーしよっか?」と繰り返すばかりでなかなか決められないでいた。

皆、どうやって決めるのだろうか?地元ならば噂や口コミを耳にすることもあるだろうが、そうでなければネットで調べるんだろうか?

ゲゲが候補にあげてくれたのは、コース料理のような病院食、ホテルのスイートルームのような個室が完備されているセレブ御用達の病院だった。

「え・・・セレブでもないのに・・・?」

ゲゲの優しさは嬉しかったが、もちろん遠慮した。人生で一度の時を過ごす所だと考えれば悪くないが、たかが一泊するかしないかなのに贅沢すぎるし、その分可愛いおくるみや肌触りの良い肌着を買う方がいい。
それに、庶民オブ庶民の私は、かえって気を使ってしまいシンドそうだ。陣痛が来ても、「あらあら陣痛ですわオホホ...」なんて気取っていられる自信がない。

結局、その他に案がなかった(というか大して調べもしなかった)ので、クリニックが提携している病院で出産する運びとなった(今のところ)。

なんだか流れで決めてしまったが、クリニックが紹介してくれた病院は大病院なので、あらゆる設備が揃っているし、もしもの時の対応も可能だろうし、知人夫婦がそこで出産したと話に聞いていたので何となく安心感もあるし、全く申し分ない。

そして、11月末(いつの話だよ!というくらい遡るが)、重い腰ならぬ腹を上げ、その大病院へ出かけた。

「こんな大きな病院はオラはじめてだ...」唐沢寿明か米倉涼子かが歩いてきそうな大病院にドキドキしながら受付。「あの、セミオープンシステム?で、その、産科に…」としどろもどろ言うと、受付の人は「産科ですね...」と半身乗り出し、手ぶりをつけて、あっちの直通エレベーターで上るのだと丁寧に説明をしてくれた。

にもかかわらず、田舎モンは迷った。ドラクエのループするダンジョン内をぐるぐるするように、病院内をぐるぐる。しかしあっちの直通エレベーターとやらが見当たらず参った。
結局、総合案内所の人に聞いてどうにか目的地にたどり着くことができたが、HPは削られまくった。

産科で、呼びブザーとお小水検査用のカップを手に入れた私は、測定室で血圧と体重を測り用紙に数値を記入し、お手洗いでお小水をカップに採り、さっきの用紙と共に専用の棚に置き、終わればまた待合室に戻り、自分専用の呼びブザーが鳴るのを待つ、との説明どおりにやらなければならなかった。

それだけといえばそれだけのことだが、慣れない環境のせいか焦ってモタついてしまい、モタついてることにまた焦って、そんな私を慣れた他の妊婦たちが次々と追い越していくので、さらに焦ってモタついてしまった。

あまりにモタついたせいか、お小水を採るためカップの位置を調整し、いざ発射という変なタイミングで呼びブザーが鳴りだしてしまった。ブーブーブー!と私を呼ぶ音。「え!ちょ!待って!もう?今!?」まさに発射中の私。
私の入るトイレの個室からは音姫のごとくブザー音が漏れ、あたふたする私のお小水もカップから漏れた。

なんとか説明されたことを完クリして待合室に戻った。変なタイミングでブザーが鳴ってしまったのはどうすべきかと思ったが、そのうちまたブザーが鳴るだろうと、ひとまず腰かけて待つことにした。
しかし、以降ブザーは鳴らなかった。そのかわり、看護婦さんが声を張り上げ私の名を呼んだ。ブザーは意味をなさなかった。

別に焦らすほどのエピソードではないが、長文にくたびれたので、続きはまた次回。

追伸:フォロー、スキ、コメント、みなさんありがとうございます!個人的な記録用として書き始めましたが、読んでくださる人がいると実感すると、やはりうれしいものですね。これからもマイペースに綴っていきますので、よければまた読んでやってください。コメントもお返ししていきたいと思ってます(まだできてませんが...)。リリス

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