リンゴをかじるはアダムかイブか

一人目は女の子の方が楽だよ、女の子ならかわいい服を着せられる、ピアノを習わせたい、男の子は体が弱いから心配だな、男の子なら名前は○○がいい、女の子と男の子両方欲しい、

遠い昔、友人とそんな話をした。互いに結婚や妊娠の予定はないのだが、私たちはいつ見るかも知れないわが子について想像を膨らませた。

そして、昨年の夏、私は妊娠した。

「どっちだろうねー」「どっちがいい?」「私は男の子がいいなー。ゲゲちゃんにソックリな男の子」「だったらボクはさおりんみたいな女の子がいいよ」「どっちでもいいね」「うん、どっちでも絶対かわいい」

ゲゲとそんな話をした。他人が聞けば呆れるほどのろけた会話だが、私たちはお腹の中のまだ見ぬ小さなわが子について想像を膨らませた。

どちらでもわが子はかわいい。とは言え、まったく気にならないというわけではない。先ほどは「どちらでもいい」なんて言ったが、気にならないわけがない。

私は今、得体の知れない生き物、未知なる物体を体内に孕んでいるのだ。わが子に対して得体が知れないだの未知なる物体だのヒドい言い草だが、この状態はそれほどに奇妙なものなのだ。

ソレは確実に私のお腹の中にいて、昨日も今日も蠢いている。ソレの動きを感じる度に、どんな奴がいるんだろうと覗いて見たくなる。せめてソレが男か女かくらい知っておきたい。
隣に住む人がどんな人か少しくらい把握しておきたいのと同様、ここ(お腹の中)にどんな奴が住んでいるのか少しでいいから知りたい。

しかし、医者も助産婦もなかなか教えてくれないので、検診の度に私はヤキモキしていた。

"まだわからないのかな?もしかしたらこちらから聞かないといけないのかもしれないな。でも、生まれるまでのお楽しみにするのもいいな。それだとベビー用品の準備がバタバタと慌ただしくなりそうだから、やはり事前に聞いておいたほうがいいかもしれないな。"

私なりにアレコレ考えを巡らせてみたが、埒があかないのでサクッと調べることにした。

こういう時こそインターネットだ!

ありがとうインターネット。ありがとうラリー・ペイジ。ありがとうザッカーバーグ。ありがとうビル・ゲイツ。ありがとうスティーブ・ジョブズ。ありがとう孫正義。ありがとうひろゆき。

【赤ちゃん 性別】の検索結果によると、どうやら、妊娠してから性別がわかるのは、早くて約16週、確認できるのは約24週かららしい。

なーんだ!

別に、医者も助産婦も"教えてくれない"のではない。単にまだわからなかったのだ。

ん?待てよ?

約24週ということは、次の検診ではわかるということだ。そうすると不思議なもので、今度は知りたくなくなってきた。あまのじゃくな性格は自覚しているが、それとは違う私の何かが知るのを拒んだ。

妊娠してから、幾度目かの複雑な心境・・・乙女心よりも妊婦の心の方が複雑かもしれない・・・

約24週を迎えた検診の前日、私はゲゲに相談してみた。「明日の検診で男か女かわかるかもしれないんだけど...どっちか知りたい?」
ゲゲはキラキラと目を輝かせ、「聞く!」と即答した。全く迷いがないのだからいたしかたない。聞くしかない。私は意を決した。

ついに明日、お前が男か女か、暴いてやる!
そして、どちらでも愛してやる!

つづく

おまけ

【赤ちゃん 性別】を検索した際、予測で「産み分け」が引っかかった。なんと、性別を産み分けることが出来るらしい。

そんなことが可能なのか!という驚きと、先に知っていれば試したのに!という悔しさとを抱えながら、ある専門医による記述を見てみた。

その方法は、

男の子が欲しければ5日は禁欲して精子を濃くする・グリーンゼリー(病院でもらえる)を使う・排卵日に濃厚なセックスをする。女の子が欲しければ3日に一度は射精し精子を薄める・ピンクゼリー(病院でもらえる)を使う・排卵日の2日前にあっさりとしたセックスをする。

というものだった。

本当かよ・・・

しかし、専門医による解説を読むと、理屈に合っていて妙にそれっぽい上に、実践した場合の成功率は約80%と非常に高い。80%なんて、降水確率だと大体雨が降るし、100人中80人だとほぼ全員と言っても過言ではない。

疑り深い私は、他の記述もいくつか見たが、どれも同じようなことが書かれていた。どうやら、はじめの専門医がデタラメを言っているわけではないようだ。(失礼)

とあるQ&Aサイトには、実際に「産み分けに成功しました」という人の書き込みもある。
中には、上記以外の自己流の方法(肉を食べる・とにかく念じる・夏にセックスをする・冬にセックスをするetc)を試したという人もいる。

専門医による方法も、根拠のない自己流の方法も、私が大奥の女中ならば血眼になり一通り試しただろう。ただ、上様の協力が不可欠となるので、まずは上様の寵愛を受けられるか(そもそも奥に入れるのか)が問題だ。そして何より今は平成、全くムダな想像だ。

平成の私は大奥の女中ではないけれど、もしも二人目となればどれか試してみたいと思う。結果はどうあれ、ゲゲと色々と試してみるというのが楽しそうだし、思い出にもなりそうだし、ついでに結果もよければラッキーだ。て、私はなんて気の早い話をしているんだ。

まだ一人目も産んでないのに!

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リリス

十月十日道中膝栗毛

妊娠発覚から出産まで 山あり谷あり 十月十日の旅記録

コメント2件

まだ産んでないのに!ってとこが響きました…笑
Rumiさん もう二人目のこと考えるなんて気が早いですよね。笑 まずは一人目、キッチリ産まないと...
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