7がつ望じつ、八

みっちりと三時間ほど庭の草とりをした。そのままにしてあったキャベツの、菜の花の種がとれた。二階のベランダまで伸びたきゅうりは、げんきがなくなってしまった。すいかとトマトはげんき。
満月をまっていた。時刻を調べてこなかったので一度帰ることにしたら、木々の隙間に輝くものがみえた。おもっていたよりも遥かにおおきな月がのぼってきた。しっとりと、満ち満ちていて、熟れている果実のような瑞瑞しさ。いまにも果汁が滴ってきそうだった。月がのぼってきたのとおなじ刻から、遠くで花火の音がしはじめた。しばらくは月をみていた。それから辺りをみまわすと、線路の向こうに月よりもちいさな打ち上げ花火がみえた。なんていい眺めなんだろう。

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