見出し画像

マインドフルネス入門編

せっかくのまとまったお休みなので、富士山でやっているティクナットハンの「マインドフルネスリトリート」というものに来ている。端的にいうと、タイからやってきた13名の僧侶と共に、3泊4日の間ひたすら色々な瞑想をする。

人というものは、過去の出来事や起こるかわからない未来にとらわれてしまうので、もっと「今、この瞬間」に意識を持ってくる訓練だ。

方向性はとても共感するが、傾倒してのめり込みすぎてしまう人もいると聞く。実家の母からは家を出る時に「洗脳されてこないでね、嫌になったら途中で帰ってきなさいね」とやたら念を押された。誘われて事前学習ゼロで飛び込んだので、せっかくなので新鮮な感想を綴っていく。

今日は初日なので、夕方スタートで【歩く瞑想】と、【食べる瞑想】。

【歩く瞑想】は、富士山の頂が垣間見える広場をぐるりと歩いて行く。一歩足を踏み出すごとに「今、ここ」「今、ここ」に意識を集中する。ことばは発さない。二歩で吸って、三歩で吐く(だったかな)。でも私はこれを陣痛の時の呼吸と一緒だなと思ったので、応用編で口をすぼめて吐いて吐いて吐ききって、空っぽになったら鼻から思いっきり空気を吸うバージョンでやった。

最初は雑念がかなりうごめく。「こんなに大勢(参加者、スタッフ込みで180名!)でぞろぞろ歩くのか…」「端から見たらこれ宗教っぽく見えるだろうな」など。でもそのうちに自分の一歩だけに集中していった。最後の方ふと周りを見て「ああそうだ、こんな沢山いたんだ」と他の人が消えていたことに驚いた。

そして、気を抜くとすぐに意識があちこちに飛ぶ。煩悩だ。「今ここ、今ここ…今日のごはんなんだろう。ベジタリアン食て書いてあったけどお腹いっぱいになるのかな…ハッいかん、今ここ…」といった具合だ。これは訓練だから、やっているうちに癖づいていくのかな。

発見としては、ふたつ。

一歩一歩踏みしめて、噛み締めて歩いているので、ずっと芝生の上を歩いていたのがコンクリになった瞬間、靴を履いているのに「硬い!冷たい!」と足の感覚が研ぎすまされていたこと。こんなに足触りって違ったんだと驚いた。

いつも、歩くことは手段でしかなくて、他のことを考えながら、できることなら再短時間で済ませたいと思っていたように思う。散歩をしても、運動のため、とか何かしら理由をつけ、時間を気にしながらしかやったことがなかった。大山という大自然の中に住んでいるのに、こんな風に歩くことだけに費やす時間を持つことは一度もなかった自分に気づいた。

陣痛のときに、パニックになった産婦さんは「いつ生まれる?」と先のことばかり考える。「今目の前の一回一回の陣痛に集中していれば、いつかは生まれますよ」といつも声をかけていたのに、自分自身ができていなかった。

そして、こんな風に産婦さん対象に「歩くワーク」をして、陣痛の時の予行演習として「今ここ」に意識を持ってくる訓練を一緒にするのもいいかもしれない。ヨガも近いと思うが、ヨガとかソフロロジーだとハードルが高く感じてしまう人も、「歩く」だったら「自分にもできるかも」と思って参加してくれる人がいるのかもなと思った。

大混雑の中の移動もあったからか、たった数時間なのにどっと疲れた初日。

あと3日、どんな風に進んでいくのだろうか。明日は6時15分から坐る瞑想。21時30分の就寝/聖なる沈黙までぎっちりと予定が詰まっている。はてさてどうなることやら。おやすみなさい。

https://tnhsangha.wixsite.com/2019pvjapantour/fuji-mindfulness-retreat?fbclid=IwAR3qq8VEWofKw6vpiOnf78kEmYuHmNs4sYGk5lDNdwPzafd1BfPwZAg4GAY