見出し画像

フェムケアをすることは、自分を労り大切にすること

フェムケア(Femcare)は、女性を意味する「feminine(フェミニン)」と、お手入れやケアを意味する「care(ケア)」の2つの言葉をかけて作られた用語。

本来フェムケアは、デリケートゾーンのケアが主な意味でしたが、女性の社会進出を背景に、女性にとって働きやすい社会や環境のサポート、または生活の質(QOL)を上げるといった広い意味でも用いられています。

女性は、毎月やってくる生理、そして妊娠・出産、更年期などでホルモンバランスは大きく変化します。
日々のストレスや疲れ、精神状態がホルモンバランスにも影響を与えますし、おりものの状態が変化することもある、デリケートゾーンのコンディションが変化することもある。心と体はとても密接な関係です。

ちょっとイライラカリカリしてたら、「女性ホルモンが足りてないんじゃない?」なんて軽口を叩く人もいたりしますが、私たちはとってもよく頑張っている。胸を張っていい。

フェムケアという言葉が昔の認識のまま一人歩きをし、デリケートゾーンのケアだけに着目してしまわれがちです。
例えば、デリケートゾーンを綺麗に脱毛する、そして最近では女性器の整形も出てきており、デリケートゾーンのレーザーでの黒ずみ除去、小陰唇の短縮手術、膣内を名器にするためのヒアルロン酸注入などの技術も出てきています。 

フェムケアは、誰のため?

先ほど挙げたフェムケア。
これは誰のため?

世の中の女性の多くは、自分以外の女性の性器を直近で、それも年齢問わず多く目にする機会はないです。
私は10年、産婦人科で助産師・看護師として勤務し、1000人を超える様々な年代の女性の性器を見てきましたが、顔や体型が違うように性器の形も色も十人十色です。

雑誌やテレビではこういう口コミや意見が多く見られている、モデルやアダルトビデオなどに出てくる女優さんは綺麗に整えている。こんな色や形をしている私は、おかしいんじゃないか。
表に出ている部分とは違い、デリケートな部分は身近な人にも見せる機会はないです。ましてやそんな相談をするのは恥ずかしくてできないという方も多いです。

今は、デリケートゾーンの脱毛も、若い女性だけでなく、40〜60代の女性でも行っている時代です。医療現場にいた際、職場の更年期の先輩達もよく脱毛に通っていました。その理由を聞くと、「高齢者になってもし介護をしてもらう側になった時に、毛がない方が手間をかけないし清潔だからね」と話していました。
これは、将来を考えた時のフェムケアだなとその先輩から学びました。

生理の時に、少しでも陰部を清潔に保ちたいという目的で脱毛をする方も多いです。

そのフェムケアをすることで、自分の気持ちが少しでも明るく楽しいものになる、快適な毎日を送ることができる。そういうフェムケアを取り入れていくことは、自分を大切にして労わることなのだと思います。

日常に気軽に取り入れることのできるフェムケア

毎日頑張っている自分自身の体と心を労わることも、結果的にフェムケアに繋がると私は思います。

フェムケアを難しく考えなくても、気軽に日常で取り入れることのできる、フェムケアをご紹介します。

◇ 1日の終わりに、ゆっくりと湯船に浸かりお風呂に入る

毎日でなくても、気持ち的にゆっくりできそうな時でも。
湯船に入ることで、体が温まるのと同時に全身の血液やリンパの流れがよくなります。体の芯まで温まると内臓が活性化し、自律神経のバランスが整う効果があり、これによりホルモンバランスが整い肌の調子が良くなったりもします。

冷えは万病の元というように、低体温の人は様々な病気を起こしやすいというデータがあります。例えば、がん細胞は35℃台の体温の時に、もっとも活発に増殖すると言われています。さらに、体温が下がると免疫性が低下し、カゼなどの感染症や病気にかかりやすくなったり、花粉症などのアレルギー症状が現れやすくなったりもします。

お風呂に10分浸かると人間の体温は1℃上がり、体温が1℃上がると免疫力が5倍~6倍にアップするそうです。

体の調子が整うだけでなく、気分転換やホッとできるなど気持ちの面での効果も大きいですよね。
ゆっくりと入浴、オススメです。

◇ 自分の好きな香りを纏う

自分の好きな香りを嗅ぐと、それだけで心地よくなる、全身の力が抜けリラックスできるという経験がある方は多いのではないでしょうか。

香りの情報は、内分泌系や自律神経系を司る視床下部や下垂体にも伝わるため、ホルモンの分泌が促進されます。 これによって、リラックス効果や幸福感を得られると言われています。

今回は、女性にオススメのアロマオイルをいくつかご紹介いたします。入浴時にお湯に2〜3滴垂らしたり、コットンに1〜2滴垂らして枕元に置いたり。精製水に1〜2滴垂らして、お部屋のフレグランス、または化粧水などに使うことも可能です。

■ゼラニウム
抗うつ、自律神経や体のバランスを整える、女性ホルモン調整などに効果がある精油です。

ローズのような香りの葉から採れるエッセンシャルオイルで、ローズのような華やかな香りが特徴です。
鎮静作用が期待できる成分も多いため、メンタルケアに役立つと考えられていて、女性特有の精神的な不調の軽減、スキンケア用のエッセンシャルオイルとしてもよく使用されています。

■クラリセージ
クラリセージは、ほんのり甘みのあるハーブの香りが特徴です。

クラリセージの重要な成分であるスクラレオールは女性ホルモンのエストロゲン様作用があり、ホルモンバランスを整え女性特有の悩みの緩和に効果を発揮します。月経前症候群(PMS)や、生理不順、更年期の症状にも役立つと言われています。

そしてクラリセージの香りは、ローズ、ネロリ同様に、脳内ホルモン「オキシトシン」の分泌を促してくれるといわれています。オキシトシンは、“幸せホルモン”とも言われ、自律神経のバランスを整えたり、ストレスを緩和したり、気持ちをポジティブにしたりする働きがあります。

■ラベンダー
鎮静、抗うつ、鎮痛、細胞促進など、万能精油と言われるラベンダー。
生理痛が気になるときなどにも使えますし、寝る前にベッドの枕元にラベンダーの香りを置いておくだけで、より良い入眠効果が得られます。

■スイートマージョラム
シソ科のハーブで、温かみがあり、甘くややスパイシーな香りが特徴です。
鎮静、神経強壮、自律神経調整、鎮痛、鎮咳、抗菌、抗炎症、血行促進などの効果があると言われています。

血行促進作用があるため、むくみがある方や冷え性の方にもおすすめです。

■カモミールジャーマン
ハーブティーなどによく使われることで有名なカモミールジャーマン。紀元前1500年以上も前から古代エジプトで安眠薬として重宝されてきたと言われています。
鎮静、抗炎症、殺菌、創傷治療などに効果があります。

ほのかにリンゴのような甘い香りをもち、ハーブティーに用いる以外に、オイルなどに数的垂らしてスキンケアにも使うことも可能です。

◇ デリケートゾーンには、専用のボディソープを使う

デリケートゾーンは、その他の皮膚に比べ、皮膚が薄くデリケートです。ボディソープで洗うとヒリヒリしてしまうという方もいらっしゃると思います。

しかも生理中などで、蒸れてかゆくなったりかぶれたりすることもあり、臭いも気になることもあります。デリケートゾーンが乾燥して肌荒れを起こすこともあります。

弱酸性で低刺激のもの、その他黒ずみやにおい、かゆみなどに対応したデリケートゾーン専用のボディソープがあるため、目的別で使われるとよいと思います。

◇ 化粧水やオイルなどで、デリケートゾーンの保湿を行う

デリケートゾーンの保湿、されていますか?

皮膚が薄くデリケートな部位なので、乾燥したり皮膚が荒れたりすることもあると思います。
体の保湿をするのと同じように、化粧水をつけ、ベビーオイルなどで保湿する。それだけでもかなり変わってきます。

自分の体の一部を慈しむという意味でも、丁寧なケア、おすすめです。

◇ 自分のためにお洒落し、自分が心地よいと思う時間を定期的にとる

女性は献身的に誰かのため、家族のために動きがちです。それはすごいことですが、あなた自身のために自分の時間をとるのもとても大切なこと。

誰に見せるわけでなくても、可愛い、綺麗、素敵だと思う服を着て、メイクをし、「私、可愛くて素敵♪」と言っちゃってもいい。自画自賛、ナルシスト、最高です。

・ちょっと大きめな本屋さんにいく。
・カフェや喫茶店で時間を過ごす。近場でも、少し離れた行きたかった場所でもいい。
・いつも通らない道を通り、回り道をして楽しんでみる。

ほんと小さなことかもしれませんが、自分を大切にする時間を作ることは、自分の人生の時間をちょっと輝くものにする。

あなた自身を大切にする時間のひとつに「フェムケア」を取り入れてみてはいかがでしょうか♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?