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兄と掴んだマラソン初タイトル~延岡西日本マラソン兄妹優勝~

「お兄ちゃんもいい走りしてる!」「兄貴先頭走ってるよ!」

「須河さーん!」「さおりちゃん頑張って!」「妹もいい走り!」

ここは地元かなと思うくらいの、沿道からの温かい声援に何度も励まされゴールテープを切ることができました。やっぱり名前で呼んでもらえるのは嬉しいです。

昨日の第57回延岡西日本マラソン。男子選手にとっては若手の登竜門と呼ばれる歴史ある大会。一方で、女子の部は第53回大会から始まり、男子選手と比べると規模は少し小さめです。「勝つ」ことから遠ざかっていた私は、いいイメージを掴みたくて今回の大会にエントリーしました。

数ヶ月前に、兄にいつマラソンを走るのか聞いたところ「延岡西日本」との返答が。あれ同じやん、兄妹で優勝できたら面白いね、という話を少ししていました。

兄は準備期間がほとんどない中で初マラソンに挑み、屈辱を味わった経験があるので、マラソンに対してとても慎重で不安があるようでした。しかし、いつもは理論的で頭で走っているような兄から、勝ちにこだわる姿勢がストレートに伝わってきて、おや今回は何か違うゾ、と妹目線ですが感じていました。

第一報は、35km前後。「お兄ちゃん勝ったよ!」

「え、勝ったって?勝った??優勝?須河?宏紀?」

その後も沿道から、「お兄ちゃん優勝したよ!がんばれ!」と絶え間なく声援をいただいて、兄が優勝したことを認識しました。私も早くゴールに急がねばと、きついところでもう一度踏ん張ることができました。

私は女子の部で優勝し、自己ベストを1分更新したものの、目標としていたタイムには及ばず。詰めの甘さを痛感しました。片や、兄は大会歴代4位の好タイム。レース運びもうまいなと、録画放送を見ながら今回は完全に負けた...と思いました。

※レース前に「兄の威厳を見せつける」的なことを言っていましたが、走る以外の面でのマイナスポイントが大きいのでそこはなかなか覆ることはありません。

ただ、兄の活躍を目の当たりにして、一刻も早く追い越したいと強く思いました。お互いに勝った負けたと争えることも本当に久しぶりのことなので、いま自分がちゃんと陸上やってるんだなと嬉しくも思いました。一時競技を離れたこともありましたが、こういう張り合いが私たちの兄妹らしさかなと原点に立ち返ることができました。

トップ選手と比べると実力はかなり劣りますが、勝つとこんなに嬉しいし、楽しい。どこかに眠っていたそういう感情をもう一度引き出すことができて、本当に価値ある大会になりました。しかも兄妹で、というおまけ付きで。今後も切磋琢磨して上を目指していきます。

ちなみに、「切磋琢磨」という言葉。中学のときに初めて知りました。全国大会に出場する度にブースで記念Tシャツを買うのが楽しみだったのですが、カッコいい漢字という理由だけで「切磋琢磨」と書かれたTシャツを購入。このときに兄から意味知らないだろと馬鹿にされつつ、後に意味を理解するのですが、今の私たちを象徴する言葉だなと思います。

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帰りの宮崎空港で、兄が静かにマンゴーソフトクリームを買ってくれたので、少しだけ威厳を見せつけられました。

おわり。

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