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京大院試物語~当日①~

日にちが空いてしまいましたが、いよいよ当日編です。これもまた長くなりそうなので1日目と2日目の2回に分けて投稿します。

↓↓それでは↓↓

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前日は、もう1日中Essentialや和文英訳の参考書、シス単を読んで穏やかに過ごした。
過去問を見てしまうと「やっぱり勉強不足かも」「こんなの解けるわけない」と不安になってしまうので、あえて見ずに自分のペースで勉強を続けた。

Essentialを熟読する中で、私が「まぁここまでは出んかな」と思って飛ばしていたページが所々あった。しかしこの日は受験勉強最終日なので、このひと手間で合否が分かれるのも嫌だなと思い、今まで捨てようと思っていたやや小難しい内容のページまで目を通し、軽く暗記した。

翌日が試験当日だと知っている友人からはLINEやTwitterで応援のメッセージをもらった。
たくさんのあたたかい言葉をかけてもらって、緊張とプレッシャーですでにガッチガチだった私は、落ち着くを通り越して号泣してしまった。精一杯やれる気がした。

前日はなんだかんだ夜中の3時くらいまで眠れなかったが、当日は嫌でも6時には起きなければならなかった。緊張で吐き気がすごくて朝ごはんも全く食べられなかった。それに追い討ちをかけたのが通勤ラッシュ時の京阪電車だ。
慣れているJR以上の大混雑で、手に持っていた英単語帳も降ろさずを得なかった。1時間以上も立ったまま圧死しそうになりながら耐えた。

なんとか試験会場まで辿り着いたが炎天下のもと20分ほど歩いたので、元からない体力はさらに削られ、Tシャツは水没した。最悪なことにTシャツの色はグレー。待機室での目線が辛すぎたので試験10分前までトイレに籠っていた。洗面所の水道を前に「もはや全面を濃いグレーに染めてしまえばいいのでは?」という血迷った考えも過ぎったが、100%会場の冷房に晒されて死んでしまうのでやめた。せめて黒のTシャツで来ていれば。



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1科目目:英語

時間は2時間。辞書は英和が1冊持ち込み可。
例年の傾向としては、大問4問中前半2問が長文読解、後半2問が和文英訳という構成だった。

私の合否は英語、それも和文英訳にかかっていると言っても過言ではなかったので、問題が配られて開くまでの時間の全てを神への祈りに捧げた。「どうか覚えた構文が出ますように!」

開始の合図があり勢いよく問題冊子を開くと、祈りが神に通じたのか

なんと問題形式がガラリと変わっていた!

少なくともここ5,6年は前述の通りだった形式が、今年は大問3問構成すべてメインは長文読解で、私が苦手とする和文英訳は各大問中に小問として組み込まれていた。さらにラッキーなことに、それもガチな和文英訳は2行程度のとても簡単なものがたった1問で、残りは「本文中の~〜~について○行程度の英文で要約せよ」や、「△△(英熟語)とは何を指しているか、○行程度の英文で説明せよ」という本文中の英文を借りて文を錬成することが十分可能な形式だった。そのため私が1番恐れていた「適当な英単語が分からないために意味に即さない不完全な英文を書いてしまう」ということもなかった。

また長文は3題とも読みやすいものであったため、ウッヒョ〜~〜!ラッキ~〜~!と思いながらノリノリで解いた。1問だけめんどくさい和訳問題があったが、辞書を使えば書けないことはなかった。割とギリギリではあったがしっかり時間内に完答し、見直す時間もあった。
我ながら天に愛されてるなと思いながら120分を終えた。ベストは尽くしたと思う。

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2科目:一般基礎科目(生物)

英語を終えて、これは合格もらったなと思いきや、そう簡単にはいかせてくれないのが院試らしい。もともと「英語で5~6割、生物で8割」を目標としていたくらいには、私はEssentialを全体的に網羅し、自信があった。

しかし配られた問題を見た瞬間、私の目に飛び込んできたのは、最も苦手とする有性生殖の範囲で遺伝子型やヘテロ接合の数を推測する問題に、Essentialでは第12章の1番最後のページにほんのわずかに触れてあった程度の光遺伝学の問題だった。マジかよ。知らねーよ

思わず顔をしかめたが、一般基礎科目は選択した大問3問がそれぞれA問,B問に分かれている(つまりざっくり言うと全6題)ため、仮にその2題を捨てても残り4題がしっかり取れれば良い。ボーダーの6割はクリアする。

ここでも私がラッキーだったのは、研究室のゼミ発表で私の班が取り扱ったテーマがそっくりそのまま出題されたのと、昨夜寝る前に悪あがき程度に見ていた箇所がピンポイントで出題されたことだ。後者は前日まで見ようともしなかったページの範囲だったので、マジでこんなことってあるんだと思った。

予想外の展開となったが最低限分かるところはしっかり埋めて、もうEssentialにも書いてないような範囲の箇所や、書いてあったとしてもごく僅かであるような範囲の箇所は潔く捨てた。全受験生にお尋ねしますが、線虫と酵母のゲノムサイズ覚えてる方いらっしゃいました??


そんなこんなで終えた120分。
1日目はこれで終了だったので、英語が予想以上にできた嬉しさと生物が予想以上にできなかった悲しさが入り交じった複雑な感情を抱えて大学をあとにした。

母から「どうだった?」とLINEが入っていたので、「勉強していた参考書外のことが出たからそれは解けなかった。でも英語は割とできた。」と返信すると、「就活ファイト!」という洒落にならん返事が返ってきた。マジで笑えないのでやめて欲しい。

次の日も朝9時からほぼ勉強していない専門科目の試験を控えていたので、帰りの電車で勉強しようとノートも持ってきていたが、疲れ果てすぎて何も見る気が起きなかった。始発駅なので朝とは打って変わってガラガラの車内で、音楽を聴きながら寝て帰った。次の日このイアホンは誤って昼食のゴミといっしょに京大のゴミ箱に捨てられることになるのだが、そんなことは夢にも思わず家に着くまでずっとamazarashiを聴いていた。



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当日②に続きます。



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