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第3回PR塾開講!

どうも、イノ2です。
年明けからいろいろなことがあった2024年も気づけば1カ月が経過しました。
個人的にまた1つ年を重ねる時期になり、時間が経つのは早いなとしみじみしております。
おじさんくさい言い方にどんどんおじさんに片足ツッコみ出してることを実感する今日このごろ。

1月27日(土)令和5年度PR塾3回シリーズの第3弾を開催しました。
その内容を少しばかり紹介させていただきます。


クラウドファンディングのはじめかた

第3回は「クラウドファンディングのはじめかた」をテーマに株式会社ボーダーレス・ジャパン クラウドファンディング「For Good」代表の小松航大氏をお招きして資金調達の事例紹介、クラファン立ち上げの流れ、資金調達成功のコツについて、講義していただきました。

午前中の講義の様子

For Goodとは

下記のように紹介されています。

For Goodとは

事業紹介

For Goodを運営するボーダーレス・ジャパンでは社会問題を解決するために起業することを「社会起業家」と呼び、起業家の数=解決される社会問題の数と捉え、社会起業家のための会社として創業されました。

ボーダーレス・ジャパンの1事業であるFor Goodが解決したい社会問題は「社会への想いや関心はあるのに自ら行動に起こしづらい」という問題でした。
「何かしたいけど、どうしたらいいかわからない」「身の回りで起きていることを放っておけない。」という想いをかたちにするため、2022年5月にクラウドファンディング「For Good」が生まれました。

For Goodの特徴

小松さんがボーダーレスにジョインした経緯

小松さんは18~20歳のころに世界26カ国をバックパッカーで巡り、各地でボランティア活動を行っていました。
そんな中ある国で強盗に遭い、お金やパスポートなど全て奪われ身も心もボロボロになり、事件直後は犯人に怒りを覚えていたそうです。
被害者として当たり前の感情だと思いますが、小松さんは時間が経つにつれて事件を起こした目の前の人が悪いのではなく、そういう行為に至らせた環境や社会の仕組みに問題があるのではないかと思うように。
世界中を巡り、小松さんが今まで受けた恩を次は自分が世界に返したいと思い立ち、帰国後学生起業するも失敗するなど、紆余曲折を経て、ボーダーレスの新卒社会起業家採用で入社し現在に至ります。

新規事業立ち上げの資金調達のやり方

For Goodでは相談を受けた場合、資金調達のやり方にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、すべてクラファンが良いとは言わず、相談者にとってより良い資金調達のやり方を提案するようにしているとのことです。
自己資金や身近な親族から借りる方法、デッドファイナンス(銀行から借り入れ)、エクイティファイナンス(株式発行)、クラファンと資金調達の方法はたくさんあります。
その中でもクラファンには下記のよう3つの類型があり、ほとんどは購入型(一般型)と寄付型(寄附控除型もあり)のどちらかになっているとのことです。

クラファンの3つの類型と特徴

過去の事例紹介

For Goodが創業して1年半の間に約700個のプロジェクトが立ち上がり、支援者の数は6万人を超えています。
たくさんある事例から1つご紹介。

みなさん「今日も明日も負け犬」という映画をご存知でしょうか。
この映画は福岡県の女子高生グループが「起立性調節障害」をテーマに制作さした映画です。
この映画を映画館で上映したいという想いからFor Goodのクラファンを利用し、200万円を超える支援を集めました。
支援者は682名にも及んだそうですが、そのほとんどは今まで彼女たちと関りがなかった人たちだったとのことです。

インタビュー記事が下記ページに詳しく載ってますので、是非ご覧ください。

For Goodの目標達成率は業界水準で30~40%のところ、80%を達成しており、その中でクラファンに初挑戦した人の割合は70%にも登るそうです。
クラファンを達成できている人は慣れた人ばかりだと思っていましたが、このデータを聞くと自分もクラファンに挑戦してみようという想いが湧いてきませんか。

クラファンを立ち上げるまでの流れ

For Goodでは最短で当日にプロジェクトページを立ち上げることも可能とのことですが、一般的には2~3週間かけてページ作成を行います。契約プランによって、担当者からサポートを受けながらページ作成もできますので、初めての方にも安心です。
掲載期間は30日~60日(最大90日)まで設定することが可能です。
掲載期間が終了したら支援金の受け取りと支援者へのリターンとプロジェクトの報告を行い終了です。
このように説明してもらえると全体のスケジュールもはっきりしていつまでに始めないといけない計画できますし、なんだかハードルも下がるように感じませんか。

クラファン立ち上げの流れ

クラファンでの資金調達成功のコツ

過去の事例やクラファン立ち上げまでの流れを学習したら、最後は成功のコツです。
それは「”入念な準備”こそが成功の鍵」
当たり前のことじゃないか!とツッコミたくなるかもしれませんが、あえて言うということはそれくらい大事なことだからです。
ここから成功のコツをいっぱい教えていただきましたが、詳しく書き出すと長くなってしまいますので、箇条書きさせていただきます。

  1. 「支援してくれそうな人は誰か」を身近な人から考える。

  2. 支援者の層に分けてイメージ。

  3. ページ作成は「大事なものから優先」「簡単な言葉で」「一文を短く」を意識して、完璧なもの完成させる必要なし

  4. 魅力的なリターンの準備(支援者の顔を思い浮かべるべし)

  5. クラファン開始前に事前告知して、支援してくれる人を集める。(1週間以内で目標の30%を達成したプロジェクトの90%は目標達成できる)

  6. クラファンはお金が勝手に集まる場所ではなく、お金を集めることができる場所

  7. ”想いを伝える広報”で共感を集める。(ポイントはお金集め<共感集め)

この他にも書ききれないほどのコツを教えていただきましたが、詳しくは会場にいた人だけのヒミツです。

ここまでいろいろなことを教えていただきましたが、基本的なクラファンのコツを動画で5本に渡り、丁寧に説明してくれていますので、是非そちらも視聴してみてください。

午前の講義の感想

私もこれまでクラウドファンディングという言葉は良く見聞きしていましたが、「どうやってはじめるのか、本当に支援が集まるのか」など❔だらけのイメージを抱いていました。
今回の講義でFor Goodのこと、過去の事例紹介、資金調達のコツなどを教えてもらい、自分の中の❔の情報をアップデートすることができました。
立場上自分がクラファンをすることは難しいですが、資金調達に困っているNPOや市民活動団体に「クラファンという手法もあるよ。一度相談だけでもしてみて。」と紹介できるぐらいの知識を身につけることはできたと思います。

さて、午後からは株式会社三角形/PR企画会社代表の福岡 佐知子氏。
PR・企画・プランニングを手掛ける会社の代表を務め、様々な団体広報に携わっているプロから午前中の講義の内容を踏まえたうえで講義していただきました。

クラウドファンディングのPR計画を立てよう

午後の講義の様子

今日の午後の講義の結論から先に「クラウドファンディングのPRを制するものは団体PRも制する」
なんかボクシングの格言「左手を制するものは…」と似てますね。

クラファンのPRをやることで起こるメリット

クラファンのPRのメリットを5つに分けて説明していただきました。

クラファンのPRのメリット

①目的、成果がわかりやすい
目的がわかりやすいと団体の意識が合いやすく、進みやすい。
金額(数字)や達成率、投稿数など根拠となる数字によって、意識の共有、検証をできるようになります。

②短期間に集約
クラファンの掲載期間は概ね60日間と長いようで短いです。
この期間を5つの区間(準備、初動、中間(前半)、中間(後半)、ラスト)に分割することで、やることの担当者や期間を事前に決めておき、その時期と目標達成率を設定し、クリアできていなければ、段階に応じて策を講じていく必要があります。
そのためにも普段から写真や動画といった記録を準備しておいてください。
文字や画像の情報量は「文字情報1倍<画像情報7倍<動画情報5000倍」と言われています。
「準備が8割、実行が2割」小松さんも言っていましたが、入念な準備が必要です。

③様々な媒体を駆使する
第2回のPR塾でもありましたが、正確な情報(いつ、どこで、誰が、何をする)と空気の情報(雰囲気、行間、SNS)の2種類あり、この2つを明確に分ける必要があります。
それぞれの媒体「SNS、マスメディア、広告掲載、イベント」の強み、特性をコスト、影響力、即効性などの視点から整理しておいてください。

④仲間づくりのきっかけ
100万円/1人の支援より1万/100人の支援を目指す。
紙幣価値は同じ100万円でも、100人分の支援者・共感者がいることは社会に与える影響力が大きくなります。
クラファンは拓く=”新しい仲間”とつながる、強く=”今いる仲間”と結束する機会となります。

⑤共感や応援を集める練習
「寄付のお願いがしにくい、言いにくい。お金をもらうのが心苦しい。」クラファンをこんな風に考えていませんか。
NPOや市民活動はひとりで活動するには限界があります。
ひとりで熱心に活動するより、多くの人が「知っている」ことのほうが社会への影響力は強いです。
クラファンは決して便利で簡単なツールではない。だからこそトライすることで得るものが大きいのです。

クラウドファンディングのPRを制するものは団体PRも制する

ここで当初の結論に戻り、クラファンのPRを制するものは団体PRも制するとは、クラファンのPRには元々の団体内部の関係づくり、適正な会員運営、定期的な情報発信と直結してきます。
普段からそれらができている団体は支援者が多いため、共感者も多く、そういう団体はそれだけ成功率が高くなります。
クラファンにトライすることでそれらを見直す良い機会にもなると思います。

午後の講義の感想

今回も午前、午後と学び多き講義となりました。
団体のPRとは1日してならず。そう感じずにはいられません。
地道に活動を続け、小さなことからコツコツと積み上げておかないと、いざPRする、クラファンするとなっても支援者、共感者がいなければ成功は難しいことがわかりました。
NPO、市民活動団体のみなさま引き続きPRについて、学んでいきましょう。

PR塾を通して感じたこと

これまで3回に渡りPR塾を開催してきました。
3回の講義を通して1番強く感じたことは「団体のPRに特効薬はありません。」
活動を停滞させていては、先細りしていきます。
何かを変えるためには学び、コツコツと実行していくことが大事だと痛感させられました。
来年度も引き続きPR塾は続けていく予定です。
NPOや市民活動団体の助力になるような企画を考えていきますので、来年度も多くのご参加お待ちしております。

講義や自分の想いを書いていたらかなり長くなってしまいました。
それではこの辺で失礼させていただきます。
来年度のPR塾、乞うご期待!

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