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令和5年度ふくおか共助社会づくり表彰を覗いてみた

市民活動サポートセンターのあんbeです。

だんだんと気候が春めいてきたような気がします。
日中はもうコート要らないかなぁなんて思いましたが、曇りの日はまだ寒いですね。
花粉症の皆様、お疲れ様です。

さて、本日の話題は2/7に開催されました、『ふくおか共助社会づくり表彰』表彰式について。
投稿が遅くなりました。。

本表彰は、共助社会の実現に向け、NPO、企業等の社会貢献活動を促進することを目的として、平成20年度から毎年度福岡県が実施しています。

今年度表彰された2件はいずれも北九州市で活動する団体ということで、見学に行ってきました!

市民主体による持続性ある海洋環境保全・美化活動

この活動は
・われら海岸探偵団
・特定非営利活動法人まちのカルシウム工房
・若松海上保安部
によって行われています。

彼らは若松区で海岸清掃活動を行っています。
平成13年から取り組みを開始し、令和5年12月までの約22年間で236回、参加したボランティアの総数は延べ11,386人、これまで拾った海岸ゴミは204,476kgにものぼる、非常に多くの人に支えられた歴史ある活動です。

海岸に漂着するゴミは、環境に影響を及ぼす要因になっているほか、船舶のスクリューの故障の原因となり、事故を引き起こすことがあるとのこと。
取り組みの発足当時、若松海上保安部の方がわれら海岸探偵団の団長竹内さんに声を掛けたところから始まったそうです。
今では地元住民や漁業組合、企業等から数十人のボランティアが清掃活動を行っています。

そんな活動も、最初は、竹内さんの仲間内で始められたそうですが、次第に地域の方々が参加するようになりました。
気付けば地域の恒例行事になっており、開催を楽しみに待つ地域住民も増えていったとのこと。

究極には自身の活動の場が無くなることだと竹内さんはお話されていましたが、22年もの間活動を行っているけど、未だに海岸ゴミは減らないそうです。

「私たちに出来ることは、ゴミを捨てないこと、発生したゴミを回収することです。次世代にゴミを継承するのではなく、護美の心を継承していきます。」
と竹内さんは仰っていました。

私も夏場には若松の海岸に行き、気持ち良く使わせてもらっています。
当然どこかの誰かが清掃してくれているのだとは感じていましたが、実施していただいている方を目の前にして、より一層大事に海岸を使いたいなと思いました。
まさに『継続は力なり』を地で行く取り組みでした。

「KAMIKURU(カミクル)」プロジェクト

この活動は
・NPO法人わくわーく
・エプソン販売株式会社
によって行われています。

KAMIKURUプロジェクトは、地域で生まれる古紙をアップサイクルして地域に循環させる取り組みです。
地域の多様な主体(企業、学校、行政等)から回収した古紙をエプソンの乾式オフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」で再生し、さらにエプソンのインクジェットプリンターを利用して再生紙からアップサイクル品の開発・共創・地域還元を行っています。

障害福祉サービス事業所を運営するNPO法人わくわーくは紙循環システムの運営を行い、障害者とともに、古紙の回収、紙の仕分け、PaperLabを事前準備、操作しての再生紙作り、配達などの古紙リサイクル作業に加えて、再生紙を使ったアップサイクル品の製作・供給を担っています。

この取り組みの素晴らしい点は、
・紙資源のアップサイクルによる環境負荷の軽減
・アップサイクル品の開発を通じた地元百貨店や教育機関等との協働機会の創出
・アップサイクル品の利用による市民の環境問題意識の向上、SDGsへの理解の増進
・作業をB型就労継続支援事業所の利用者が行うことによる障害者雇用機会の創出、就労意欲の増進

上記例のような成果の多さもさることながら、
参加する市民それぞれが自身の活動を行う中で、相互に関係し合っている、その仕組みにあると思います。
運営を行うわくわーくと、地域コミュニティ活動の場としての『多世代交流スペースくるくる』がこれらの仕組みを支えています。

紙を通じて、環境、ヒト、経済、社会が有機的に繋がり、くるくる循環する。
だからKAMIKURU。

かなり完成された取組みに見えますが、わくわーく理事長の小橋さんにはまだまだ発展する余地が見えているのでしょうか。
今後のご活躍を楽しみにしています。

余談ですが、KAMIKURUプロジェクトのポスターがチルってます。
皆さんの生き生きとした表情が良いですね!

サポセンに貼ってあるポスター

さいごに

表彰式では、森田九州大学名誉教授による講評ののち、服部福岡県知事から直接表彰状を授与されました。
服部知事より2件とも大変にお褒めいただき、また県内の事例を引き合いに、人と動物の健康と環境の健全性を一体的に守っていく「ワンヘルス」の取り組みを進めていきたいと述べられていました。
授賞者の方々と時間ギリギリまで懇談され、終始和やかな表彰式でした。

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