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ふたりのこと

大好きな人がいる。
その人と一緒に生きることになって12年になる。
ふたりで家を借りて暮らし始めたのは8年前。
生物学上でいうと、ふたりとも女性だ。

このパートナーのことを、「はに」と呼んでいる。
はにとの出会いは高校時代で、卒業後に仲良くなっていろいろ一緒の時間を過ごした結果、お付き合いすることになったとき、
お互いに本名の下の名前で呼び合ってみたけどなんだか違うなという感覚があり。
ダーリンとハニーだね、と半分ふざけて言っていたらそのまま
「だー」と「はに」というのが定着してしまったという感じ。

はにから「だっちゃん」と呼ばれるのがとっても好きで、
「はに」という語感も彼女にとっても似合ってると思う。
ダーリンとハニーというより、わんちゃんの名前みたいな「だー」と
「はにわのハニ丸」みたいな「はに」という感覚の愛称なんだけど、
とてもじゃないが「なんて呼び合ってるの?」の問いには答えられないなと思う。

はには料理が上手で、食べることがすきで、
出かけた先でたらふくご飯を食べてお店を出た直後に
ほかのお店のメニュー看板をみて「食べたいな」と言うような食いしん坊。
でもとってもスリム。私の短い腕でもすっぽり抱きしめられるほど細い。

そして「手ぶらで生きること」が上手。
物を持たずに、出たとこ勝負、身ひとつで状況に適応して
毎日を切り拓いている感じがとても格好良くてあこがれる。
私はiPhone片手に色々調べながらでないと目的地に行けないし、
いつものボールペンを忘れると落ち着かないし、
ずいぶん前から予定について決めてシュミレーションしていないと不安だ。
本人はズボラなだけだというかもしれないけど、
自分に頼って生きている感じをすごく尊敬している。

ふたりとも体が弱めで、いわゆるふつうの、一般的な、
健康な人が送るような生活はままならない部分があるけれど、
毎日「この人と暮らせて幸せだな」と感じて一緒に生きている。
もうすっかり自分の一部になっている。

女性同士で愛し合って暮らしているのは
世間的にはふつうではないし、
カミングアウトするのには家族や友だちにもし予期しないような形で
迷惑がかかったら…と思うと躊躇する。
(そもそも本当ならわざわざカミングアウトする必要もなくて、
日常会話の中でパートナーの話が出ても別にふ~んで聞き流してもらえるのがいいのだけど、親しい数名の人たち以外には、女性であることはなんとなく伏せてしまう)

でも本当は、こんなにすてきで大好きな人と幸せに暮らせていることを
自分の大切な人たちにも知ってもらいたいし、
心配ないよとわかってもらいたいから、
いつか打ち明けたいと思う。
だってこんなにも一緒にいられてうれしくて、動物的勘がよろこんでいて
こころがYESと言っている人と出会えたことだけでも
この上ない幸運だと思うのに(お金や成功よりも得難いと思っている)、
ふたりで毎日を暮らすことができているというのは、
なんてラッキーな人生なんだろうか。

自分の日常やこころが動くことは、必然的に
はにとのことも多くなるので、記録しておけたらと思う。

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