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北海道旅行記 -登別温泉編-

フェリーが苫小牧港についてすぐ電車で登別へ向かう。車窓からは北海道ならではの人はいないけど土地はあります、な使い方をされた雑木林やスクラップ置き場が見えた。途中にでっかい白鳥がぷかぷか浮いててすごく盛り上がった。

登別駅では旅館のおじさんが車で迎えにきてくれていて、この辺には鹿やキツネがいるよーと教えてくれた。2人とも車の窓から必死で鹿を探したが見つからなかった。宿についてすぐあいはビール、私はコーヒー牛乳を飲んだ。牛乳が濃厚だった。

宿から出て温泉街を散策した。何もない坂道をひたすら歩いて寂れた温泉街に着いた。寂しげなお土産屋さんしかなかったので一旦温泉街を通り過ぎて間欠泉を見に行った。間欠泉には人が近づけないように柵がしてあって、近くに行くとものすごい熱気と蒸気が噴き出していた。ゴトゴトゴウゴウと破裂するような吹き出すような恐ろしい音がした。めちゃくちゃ怖かった。昔イッテQでイモトが間欠泉の熱湯でしゃぶしゃぶをするシーンを見たことがあるので、近づきすぎたら火傷するのではないかとなおさら怖かった。

間欠泉を通り過ぎてさらに山道を登ると、鬼のオブジェがポツポツと現れてきて、「地獄谷」と書かれた案内板が見えた。登別に来たからには観光名所地獄谷という硫黄の大地を見たかったので私たちは坂を登った。観光客をかき分けると、森の中に突然火星の大地のようなものすごい地形が現れた。高校の時に習った「magnificent」という単語が初めてしっくり来た。これはまさにマグニフィセントだ!昔の人は本当にここが地獄への入り口だと信じたに違いない。だってもし私が極寒の中、夜は暗闇の中ヒグマに怯えながら北海道を開拓してこの硫黄の谷に辿り着いたらいよいよ鬼が出てくるに違いないとビビり散らかすもんなー。そう言う出会い方をしなくてよかったと思った。それくらい異様な谷だった。

magnificent!


私とあいは地獄谷をぐるぐる散策して満足するまで写真を撮ったあと、旅館のフリードリンクが17時までだったことを思い出してすごい速さで温泉街を駆け降りた。16時50分、旅館に到着。すぐにフリードリンクのサッポロクラシックを2杯ついで部屋に戻った。

硫黄たっぷりの温泉にしっかり浸かり、いよいよあいご所望の部屋食とご対面。旅館の人がすき焼きを部屋まで持ってきてくれた。登別産の牛らしい。めちゃくちゃおいしかった。時間はまだ19時とかだったので意外とやることもなく2人で是枝監督の「怪物」を観た。あまりにも重かった。

なんやかんやで爆睡したのが23時頃だったのだが、私は太陽が昇ると目が覚めてしまうので4時に起きた。あ、正確には太陽はまだ昇っていなかったんだった。4時の登別はどんなかなーと窓の外を見ると野生の山とキラキラの星空が広がっていた。しまった、星空を見るのを忘れていた!星空を見ることもなく寝てしまったのを後悔してほしくなかったので急いであいを起こした。「あいちゃん、星空見るの忘れてた!」あいは一応起きてくれて虫眼鏡みたいな眼鏡をかけて空を見たんだけど、目が悪すぎて何も見えないらしかった。朝4時に叩き起こされて、目が悪すぎて星空も見えないなんて可哀想だ。必死で言葉で説明した。「紺色の空にラインストーンみたいな星が散らばっていてひとつひとつが瞬いているよ」と言った。あいは「ラインストーン」にすごく情緒がないと笑っていた。星の光はあまりにも少ないから瞬たくんだよ、とそれっぽい知識を披露してなんとかプラマイゼロになったかな。

私たちは早朝風呂に入って二度寝した。
二度寝から覚めると、また旅館の人が朝食を部屋に運んでくれた。あいはそのあいだも寝ていたがしばらくしてのそのそと起きてきた。いつも通りボサボサ頭だ。私たちは超豪華な朝食を食べて10時ごろに旅館を後にした。

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