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神サマのセンパイ

板野友美 写真集感想文


【神サマのセンパイ】
 
ともちんの肌って洋服みたい。
すっごい丁寧になめされた極薄で上質なレザーみたい。
 
しなやかでヘルシーで、その場のムードになめらかに溶け込む肌はまったくいかがわしさがない分、その生気をダイレクトに発射してる。
 
それは自分がこの広大に広がる大地から完全に受け入れられて守られてる事を生まれた瞬間から細胞単位で熟知してるような、まったく力みのない、それだけにパワフルな正気。
 
その正気をカメラ越しに目の当たりにすると、"立ち入り禁止"って写真のどれもにテーピングされてるみたいに、見てるこちら側は薄くてピンと張った疎外感を感じてしまう。

あまりにもその正気と撮影地であるロスのドライで雄大な空気が一体となってるから、 おめおめとともちんを追っかけちゃうこの湿った視線は部外者として、所在なげに浮いてしまう。

それでそこからが、自らを部外者として認識してしまってからが、この写真集の本領発揮。
 
完全無欠なものにしりぞけられる事のうれしさって、ある。

ものすごく魅せられてあわよくばお近づきになりたい、んだけどまあ、到底ムリっぽいなって自覚した時のあの、神々しいむなしさ。
 
まだまだってゆうかおそらく永遠に、自分が犯しきれない聖域が存在してると突きつけられた時に湧く敗北感の成分は、自分でも認めたくないくらいのみずみずしい鮮度を含む。
 

だから写真集の中の空気が仕上がってれば仕上がってる程私たちは突き放されて、途方もなく、所在なく、じんわりと高揚する。
 

門前払いをくらう事のすがすがしい情けなさは、少しくたびれた今の生活に、子供の頃に感じていた世界に対するキラキラしたした畏怖の気持ちを蘇らせるのかもしれない。

大人になったらあの頃の畏怖は、「漠然とした世界」から、「写真の中のあの子」にスライドされるのかもしれないと思ったら、写真の中のカルバンクラインのショーツでベッドに寝転がるともちんが、神サマのセンパイに見えてきました。

漠然とした世界の先に用意された一生犯せない天空ベッド。
天国より浮世離れしてて、地獄よりむごい^_^
さすがセンパイ♡



*写真:板野友美「Wanderer」講談社より

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