日記:保育園お迎えの日々&『カラオケ行こ!』をみた
4/15 Mon.
終業後、保育園へお迎えに。建物の外から、窓際に息子が座っているのが見えた。丸っこいフォルムでひとりぽつんと座っている姿に、哀愁が漂っている。
引き渡しのときに、先生が「息子くん、他の子のお迎えが来てるのを見てから、ずっと窓の前でママが来るの待ってたんですよー」と教えてくれた。
1歳半ばになり、周りの状況を理解できるようになったのだろうか。夕方になるとさみしくなってしまうらしい。ギュッとしがみついてくる息子に、申し訳ない気持ちになった。
4/16 Tue.
打刻して、バタバタと準備し、お迎えへGO。学童帰りの小学生たちとすれ違う。新一年生は、防犯ブザーがなりっぱなしになってしまっていたり、両手にあふれんばかりの荷物を抱えたりと、とにかく大変そう。我が家の二人も、5年後にこうなるんだろうか。不安が募る。
今日も息子は窓際で待っていた。ごめんね。
4/17 Wed.
やっぱり息子は窓際にいた。家に帰ってきてからも抱っこ抱っこで、ずっと不機嫌。1歳になってから、感情の振れ幅が広くなったように感じる。
子どもたちが寝た後、ずっとみたかった映画『カラオケ行こ!』をみる。すっっっごいよかった!!!!!!!
配役をみたときは「綾野剛、ぜんぜん狂児じゃなくない?」と思ったが、完全に中年ヤクザだった(褒めてる)。冒頭、雨の中、刺青がスケスケのままのしのし歩く姿と、車の中で聡実くんに名刺を渡してから2本指で受け取るところが、個人的に超かっこよかった。
全体を通してみると、「日陰者」だった狂児が、聡実くんと過ごすにつれ、徐々に陽の当たる場所を歩くようになるのがわかる。雷雨と共に現れ、傘の下、薄暗い路地裏にいた狂児が、徐々に昼間の公道や屋上に出てくる姿は、全然馴染んでなかったけど、そのミスマッチ感がこの物語のおもしろいところだよねぇ。
そういえば、カラオケという場所って、中学生くらいのころは「ちょっと危険な香りもするけど、だからこそ楽しい」空間だったなぁと思い出す。狂児と聡実くんの関係もそんな感じだったのかな。
原作そのまま、というより、製作陣の解釈を加えた映画で、それがものすごくよかった。いちばんよかったのは、本当の意味で「歌が上達」しているのは、狂児じゃなく聡実くんなんだなぁと感じられたこと。物語冒頭では、二人とも「得点のために」歌唱をしている。狂児はカラオケ大会で最下位にならないため、聡実くんは合唱コンクールで去年よりいい順位を取るため。結局、合唱コンクールは銅賞(原作だと銀賞だったよね?)に終わるんだけど。ここで、映画オリジナルキャラクターである「ももちゃん先生」がものすごいキーフレーズを出してくる。「愛がほんの少し足りへんかったな」。この言葉が、後半に響いてきます。
狂児を失った(と思い込んでいる)ことで愛を知った聡実くんが、おそらくはじめて「得点のため」ではなく「感情の表現のため」に紅を熱唱し、ヤクザたちの心を震わせる。歌が上手になるということは、人間としての成長のメタファーなんだな、というのが伝わってきます(聡実くんと、合唱部副部長なかがわさんとの「二次性徴やろ」「生理は恥ずかしいものじゃないよ」「何の話?」の会話シーンとも繋がりますね)。この辺りの味付けが、この映画の本当に上手な部分だったなぁと思います。
映画全体を通して、「紅」の再解釈になっているのも、楽曲のファンとして嬉しかった。「紅」って、日本に住んでるだいたいの人にとって「聞いたことあるけどよく知らん曲」になっている気がする。劇中で聡実くんによって行われる歌詞の解釈はYOSHIKIのインタビューでの発言とだいたい同じなので、ほんとうに素晴らしい翻訳だったと思います。
感想、すっごい長くなってしまったけど、まだまだ語り足りない。
4/18 Thu.
息子、今日は窓際におらず。教室に行くと、上の学年のお姉さんたちに囲まれてほっぺをぷにぷにされたいた。よかった。もう大丈夫なのかな。
4/19 Fri.
今日も窓際にいない……と思いきや、少し奥の方にいた。先生に聞くと、午前中も窓際で過ごしていたらしい。「おもちゃを持って窓際で遊んで、おもちゃがなくなると窓の外を見て過ごしていたので、もしかすると日向ぼっこしているだけかもしれませんね」とのこと。家にいる時と同じように、一日中「ママママママママ」なのかと思っていたけれど、楽しんでいる時間も長いらしい。親が思うより、成長しているものだなぁ。
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