ハープの弦のはじき方(文章)

以前の記事は、動画にたよりすぎていた感があり、解説文章をまとめました。言語化することで、私自身の勉強にもなりました。

①「弦をはじく」とは、どういうこと?

ほとんどの方が、「弦をはじく」というと、「引っ張る」イメージを持ちます。「引っ張る」場合、はじく瞬間に力が必要になります。しかし、実際には、はじく前に弦を押さえる時に力が必要で、その後、はじく瞬間には力は必要ありません。ただ、弦から指が離れて指をたたむだけです。ハープに限らず、撥弦楽器(弦をはじく楽器)は、ほとんんど、この演奏法だと思います。

②指のたたみ方

弦をはじき終わった時の基本の形があります。それは、親指が外に出るようにしたグーです。この形にたたむためには、指の第三関節から曲げる必要があります。それが正しい曲げ方です。弦をはじくことに意識が集中してしまうと、曲げることがおろそかになり、第二関節で曲げてしまいます。それでは、楽器を十分には鳴らせず、悪くすると指を痛めてしまいます。

プロの演奏を見ていても、そこまでたたんでいないと思う人も多いと思います。実際、私もそこまでたたむのは、伸ばす音や曲の最後の音を弾いた時ぐらいです。それは、次の音に備えるために、最後までたたまずに次の動きをしているからです。

しかし、正しいたたみ方が身につく前にそれをしてしまうと、間違ったたたみ方を指が覚えてしまうので、最初のうちは、弦をはじき終わったらこの形になるように、しっかり指をたたむ癖をつけていきましょう。

③人差し指ではじく

いきなり、全ての指を使おうとすると、正しいたたみ方まで辿り着けないので、まずは、人差し指だけを使って、感覚的に理解していきます。

画像1

イラストを参考にしながら読み進めてください。

②の親指が外に出るグーを作った後、そこから、人差し指だけを出します。手の平から90度ぐらいの角度です。それを弦に当てますが、その際、弦との角度は45度ぐらいになります。弦に当たる部分は、指の斜め端で、指の真正面というよりは、少し、側面に近い位置になります。弦に指がかかりすぎていると、弦をはじくまでの時間がコントロールしにくいので、端の方です。もう一度、角度も確認しましょう。真横ではなくて、45度。掌から腕はまっすぐで、手首は曲げません。

と、書いてみましたが、ここでは、弦をはじく感覚を実感するために、とりあえず形は気にせず、やってみましょう。

そのまま、手前に弦を押さえます。狩りで使う弓のようなイメージです。ここでいったん止めます。押さえている感覚を感じましょう。

そして、弦が指の上をすべって、すり抜けるイメージで、指をたたみます。その際、掌の位置は動かさず、指を曲げるだけ

これが正しいたたみ方、はじき方です。

これを何度も繰り返し、弦のはじき方を体感して、指に覚えさせます。慣れてきたら、指の形、手首、腕の位置など気を付けることを増やして考えなくてもその位置に来るようにできれば、パーフェクトです!!

始めのうちは、気を付ける事がたくさんありすぎて、こちらができればあちらができない、という状態だと思います。できることを一つずつ確実にして、無意識でもできる状態になれば、徐々にできることは増えるので、焦らず、じっくり自分の「体・不器用さ」と向き合いましょう。

やはり、動画で見たい方は、こちらをご参考ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?