水もファッション。
小学校の頃、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ると、それまでサッカーしていたボールを抱きかかえて、水道まで一目散にダッシュした。
家から小学校まで、徒歩5分で着く。
時折、夏休みとか、春休みとか、地元の友達と小学校を散歩し、アサガオの鉢を蹴り飛ばさないようにしながら、教室を覗き込んでは、「こんなに机って小さかったけー?」なんて屈託の無い思い出に浸る。
胸元をぴたぴたしながら水道でがぶがぶ水を飲んだなぁとか、玄関の隅っこにある畑から乾ききったスポンジみたいなヘチマを拾って投げたりしたなぁって、思い返すことの多い小学校生活だった。
大学に向かう途中にあるコンビニで私はよく水を買う。
「晴れた日の光が反射するペットボトルを持つ僕」、想像するだけで、アガる気がするのだがいかがだろうか。
何を飲んでも個人の自由だと思うのだ。
私は別に、のどを潤すことができれば良い。
ならば、「少しでもかっこよさげに見せたいジャン」と思うのだよ。だから、私は水を買う。
水は、ファッションだ。
トレンドのポワっとした服を着るのと、同様に、さながらミランダカーの如くミネラルウォーターを持ち歩いても良いのだ。
あの手この手でいい日にしたい。
だから私は、水を買ってミランダカーになる日もあってしかるべきなのだ。
もうすぐ、大学が再開する。週一しか授業は無いのだけど、大学に行くとトレンドを追うも追わないも混濁としているから存外楽しみだ。
ペットボトルのキャップの部分を持ってちゃんと振って歩くと、なおさらミランダカーになれると、ここに記しておこう。
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