9/23自由連句「秋分や」の巻

秋のこよみというのは、秋になるぞ秋になるぞと言いながら、けっこう暑く、おっ秋だな、と思う頃には、もう冬だったりします。日本の人口は2008年がピークで、秋になるぞ秋になるぞと言われています。

  「秋分や」の巻
1 秋分や往復書簡しませんか  てるや
2 万年筆のインク空色  よう
3 水のある星に生まれて目から水  てるや
花 砂漠に花がひらくときまで  たみか
5 心拍がやがて砂糖に変わるまで  てるや
月 月はこれからぽたぽた溶ける  てるや

7 酒を出さぬ居酒屋の前の雪だるま  てるや
8 眼鏡の度数みるみる下がる  よう
恋 輪郭を手の感触が覚えてる  たみか
恋 夢の中僕ら踊ってみませんか  よう
11 多様性と無関心とがくるくる輪舞曲(ロンド)  てるや
花 秩序は無くて揺れるコスモス  よう

寿々多実果さんの9句、視覚以外の感覚はとても恋のような気がしますね、たしかに。
海月漂さんの挙げ句、コスモス(秩序)が揺れるしありそうでなさそうな秩序です。恋句がともに長句なのも裏六句は踊っているような作りになりましたね。

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