陰謀論について

僕はなるべく証拠が無いものについては信じない事にしている。
証拠についても簡単には信じないように心がけている。
データや証拠の信頼性を評価しないといくらでも捏造できるから。
ただし自分の経験に基づいて、世の中の人の多くが信じる未確定事象については、自分の判断を信じる事にしている。

陰謀論についてはそのほとんどが短慮によるものとして信じていない。

もちろん、策謀による誤った政策は存在した。

しかし主に「Q●ノン」が主張するような陰謀論は稚拙なものが多く、全く信用していない。これを信じる人達の傾向は基礎的な学力に欠ける人が多く見受けられる。月面着陸は嘘だったと主張する写真を見ると、本物は影の出方が理にかなっており、スタジオの物はライティングによるものと容易に判断できる。しかし陰謀論者はそれを判断する素養に欠ける人達がほとんどです。

SNSは目的を持って人を騙す人達には都合の良いツールです。
写真や動画に細工して見せれば、短絡的な人達をすぐに仲間にする事が可能です。ビルに旅客機が衝突する動画も細工をしたものが出回っています。動画や写真のように改竄可能な証拠をもって、証明しようとする姿勢自体が疑わしいと思わない人達の集まりなのです。

ウ・ロの対立でロを短絡的に非難して、ウの国旗をSNSのアイコンに付加しているような人も要注意です。彼らは誰かの主張を短絡的に信じ、自分では研究しない人がほとんどです。まるでNHKの大河ドラマを観て政治を語るようなものです。物事の一側面を見て、短絡的に判断してしまうのです。

特に若い頃は答の無い事象に対する判断が短絡的になりがちです。
これは誰にもある事なので僕もそうでした。
世の中は答の無い事がほとんどで、不確かな中を生きていくしかありません。その時に何を信じるのかはその人がどのように生きて来たかで変わります。

僕の家庭は僕が社宅で生まれた時、父はある程度の会社のサラリーマンでした。高度成長期で各地に拠点を広げ、幼少期に転勤を二度経験しました。父はあの当時の標準であった猛烈社員でした。責任者として会社が工場横に建てた一軒家に住まわせ、二十四時間体制で無償残業をすすんでしていました。会社の社員旅行では日の丸の国旗を持たせるような右翼の社長の会社でした。戦中から国から特権を受けているような会長でしたから、当然そうなります。父の会社にはヤクザが常駐し、同時に警察署長との宴席を設けるような、子供には理解し難い環境でした。お抱えの野球選手もいました。

そのような会社でしたから、各所に歪が出るのは時間の問題で、ある時大きな事件がニュースを賑わしました。新聞報道や裁判までもが事実とはかけ離れたもので、真相を知る者は今でも会社の親族等の一部の者しかいないはずです。僕は子供でしたから、真相に気付いたのは事件から数十年後でした。世の中はそんな事ばかりですから、陰謀論を信じたい、或いは一部真実の部分がある事は否定するような者ではありません。

また僕が接種しないのも、薬を極力使用しないのも内情を仕事の中で知っているからです。僕は仕事で新薬の申請書類を多く読み込んでいました。その中で知ったのはメリットとデメリットです。多くの薬は仮説によって疾病の原因に当たりを付け、東大等の教授に依頼して論文を書かせます。動物実験やヒトでの臨床試験を繰り返し、主に安全性を重視してその用量を定めます。

薬はその効果よりも安全性が重要です。どんな薬剤でも例えば頭痛薬でも用量が多ければヒトは死亡します。それは多くの人が知る所でしょう。適正用量は市販薬では大人と子供に別けられていますが、その意味するところは体重です。体の質量に対する薬剤の量で効果と副作用が決まります。実験は死なない用量を定める為にしているようなものです。効かなくても異常さえ少なければ、医者が使用すれば儲かるからです。

「毒にも薬にもなる」と言う言葉は誰でも知っていると思いますが、作用が有れば反作用がある、効果があれば副作用(副効果)があるのは世の道理です。ただしほどんどの薬が効きません。なぜならば薬が効けば細胞、人体にも効いてしまうからです。

がん細胞や菌類を殺す薬は山ほど有ります。殆どの毒物で殺す事ができますが、それは正常な細胞も殺してしまう事に他なりません。それでもっぱら特定のがん細胞や菌に対してのみ作用する方法を開発しており、それが重量子線だったり、ピンポイントに作用する抗がん剤だったりするのであり、薬剤の効果なんてどれも大した差はありません。

水虫を治す薬が開発できればノーベル賞と言うのを聞いた事があると思いますが、まさにそれです。原因菌を殺す薬はいくらでもあるのですが、ヒトを殺したり、副作用で肝臓障害を起こすなら使用する意味が有りません。内服薬を使用すればある程度の効果は見込めますが、体内の有用菌もおさらばしてしまうリスクを知っていれば安易に使用するのは馬鹿しかいない事に気付くでしょう。その後さまざまな悪影響が出る事は明らかだからです。それで死亡しても、因果関係の証明は困難ですし、人知れず死んでいても統計には反映されないのは考えれば分かるでしょう。

寒天培地を滅菌して空気にさらせば、あっと言う間に特定の菌に支配されてしまいます。滅菌しない場合は多くの菌が均衡を保ち特定菌が短時間で支配する事を阻止し、緩やかに環境に最適な菌が培地を支配して行きます。ピロリ菌を退治したり、水虫薬を体内に入れる事のリスクを生物学を学んだ者なら分かるはずです。

きりがないので止めますが、短絡的に断定するのは止めましょう。
少なくとも両面から見れば物事は複雑で、だからこそ面白いと感じる事ができるでしょう。若いのに悟りきった事を言う人には注意して。

特に最近は、生物学に疎い日本人が多いように思います。だから世界の製薬会社から狙われているように思います。子供時代に自然の中で暮らす事が少なくなり、虫は汚い、怖い、野生動物も迷惑と大人が思ってしまうから、空き地は全てソーラーパネルになってしまいます。虫も動物も生息できない、ゴミ屑だらけの日本になる将来はもうそこまで来ています。だから原発を再稼働しましょう、て短絡的な人間ばかりになる。もっと叡智が必要。

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