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愚行録 in 沖縄

鋭く眩しい日差しで目が覚める。
ぬるい風と波の音、レースの朝とは打って変わっての快晴。

高く青い空に向けていた目線を足先へ落とすと、本土の海とは比較にならないほど透明な波の寄せ返し。


ため息が出る。酒くせぇ。
やったわ。

11/14(月)6:00
場末の夜を超えるとそこは南国のビーチだった。

財布とスマホとピアス全部ついてるのを確認して安心。
沖縄ならこの時期路上で寝ても大丈夫。
爽やかな朝だ。



58号線を挟んで向かいのホテルに戻り、汗と砂と酒を流してロビーに集合。

ツール・ド・おきなわ期間中行動を共にした
ブリヂストンニュートラルチームとはここでお別れ。
今回も優秀なメンバーが揃っていて素晴らしかった。
初めましての方もどっかしらで繋がってるので本当にこの業界は狭い。

気づいたらベテラン枠に入れられている自分にあぁ...ってなった。若くないんじゃ。
若くないんだから汚い飲み方やめようよもう。






3年ぶりの開催となるツール・ド・おきなわ。
僕は今回もチャンピオン210のニュートラルメカニックとして帯同。

こう見えて審判資格を持っているのです


ニュートラル、簡単に言うとチーム関係無く全員サポートするよって仕事。

ブレーキ規格とかペダルとか色々乱立してるので、事前準備を万全にした上で無線からの指示や目視による状況判断と1秒も無駄にできない整備対応をこなす。


忙しいときの瞬間風速はとんでもない。
暇なときは全く気抜けないけど特等席でのレース観戦。

職場。人権は無い。



マンセボさんが序盤に行方不明になってしばらく無線が混乱してたり、藤田がアタック打ちまくってたり、沖縄選抜チームカーがパンクした選手をものすごい勢いで追い抜いて行ったり、ヴィクトワールのメカ(同期)がめっちゃニコニコ見てきたり、小出が生き返ってキレた登坂で集団復帰したりetc...

色々エキサイティングなことが起こっていた。
強いチームって選手だけが強い訳じゃないなとひしひし




大きなトラブルもなくゴール500m手前でディビエーションに入ったとき、張り詰めていた気が緩みどっと疲れた。

自分がツール・ド・おきなわを走ったのがもう7年前になるのかとおセンチになると同時に、取りこぼしたものをもう一度、、、という気持ちも込み上げてきた200kmだった。







さっきまで寝てたビーチが一望できる11Fのレストランで朝食をとりさいたまディレーブの藤田を迎えに行く。

1日フリータイムじゃ

自殺の名所らしいぜ!!万座毛いこうぜ!!

よく見るとp
リオレウスとか出てきそうな景色だった



海中道路行ってみようぜ!!

全然海上やんけ!!!!



カニ探そうぜ!!!

26の代とは思えないほど真剣にカニを探すプロ選手
背筋が素晴らしい


ヤシの実割ろうぜ!!! 無理だ!!!!
漂流物飲もうぜ!!!!!くせえ!!'!!!

買い食いした沖縄県産バナナが異常に美味かった。




アメリカンビレッジ行こうぜ!!!

テーマパークに来たみたいだぜ、テンションあがるな〜


守破離さん
ユニバやん



こじんまりしてるのかとあまり期待してなかったが、異国情緒溢れる建物と立体的で密度の高い空間の使い方がダンジョン感半端なく、ほっつき歩いてるだけで2時間以上潰れた。





オリオンビールのTシャツをオーバーサイズで着てる化粧の濃いギャルを眺めながら食うハンバーガーが信じらんないくらい美味かった。
沖縄にいるってだけで可愛さ1.2倍増しになる気がする。



ルートビア飲もうぜ!!!!!

飲む湿布とかいうやつは死ね


A&W牧港店に寄る。

藤井風の青春病のMVで一瞬映る場所。


藤井風の曲はめちゃくちゃ好きなんだけど、元カノが歌詞を引用したポエムを綴ってきたりファン層がキモかったりで最近冷めてる。
(カゼタリアンで検索だ!)


vamos!!!!!(飲もうぜ!!!)

写真と記憶はほぼない。

しょうもない話しながら58号線をダラダラ走って宿にチェック。
沖縄輪業さんに挨拶してから国際通りでほっつき歩いて肉を喰らう。

強くなりたければ喰らえ。
私の好きな言葉です。


夜、男塾の部室 心酔屋さんで宴会。
「いい泡盛だから水で割るな!勿体ない!」
「いただきます!!!!!!」

ありえないくらい飲ませていただきました。



爛酔の真最中
6年前、初めて沖縄に来たときのことを思い出す。

藤田「沖縄で住み込みすることになったんだけど道連れどうすか」
わい「うい」

ラブホ街の家 沖縄輪業での労働 ヨーグルト栽培 炊飯器に土下座 殺し愛 男塾 今日もいい天気(豪雨)

賞味期限切れのプロテインを分け合い、少しづつ脳みそを筋肉に置き換えながら過ごした日々が今の自分を象っている。

あのときから毎回変わらず暖かく迎えてくれる方々に囲まれて酒を飲める幸せをかみ締めて、私は意識を失った。








鋭く喧しい警報で目が覚める。
強烈な頭痛と悪寒、ビーチで目覚めた朝とは打って変わっての不快感。

「プゥーップゥーッ!! 8Fで火災が発生しました。落ち着いて避難してください」

「やべえ!8Fってここじゃん逃げるぞ!」
寝起きとは思えんほどテキパキと藤田が脱出準備を始める。
煙を吸わないようにと濡れたタオルを渡される。

しかし僕は吸うよりも吐く方が問題だった。

(消化器官が)パニックになった僕は避難口(便所)に駆け込む
消火と消化をかけてる訳では無い


マジで1歩も動けん。死ぬ。


火災が誤報じゃなかったら
死因:二日酔いになっていた。

若くないんだから汚い飲み方やめようよ。



性格真逆のクズの俺を非常時でも見捨てない藤田の愛と、どんな辛い時でも僕の醜い全てを受け入れてくれる便器の愛を再確認した、撮れ高ありすぎる朝だった。




早めに空港に行き2人でポカリを買い、フライトまでボケーーーーっと過ごした。
藤田も飲まされてまあまあしんどかったらしい。

ここ数年は同郷の上尾で会うよりも、レース会場で選手とメカという立場で会う事の方が多いのがなんかこう...いい。





6年前の沖縄生活を文字にしようものならコレ以上に稚拙が極まり大事な思い出が汚れそうなので今後も書くことは無いと思う。

今回はゲロまみれでそもそもクソ汚ねえからヨシ。

以上。自戒の意味を込めて記す。

来年のツール・ド・おきなわは開催規模回復するといいな。


ルバルはルバルだけで走ってください。

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