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ある日突然大腸ガンになってからの徒然日記vol.2


突然のガン告知から大学病院での1回目の手術、その後の抗がん剤治療、さらに自分のガンのまさかの特性。そして現実を突き付けられた会社の対応等、同じ様にガンで頑張ってる人や、同じ様に普段健康であまり自分の身体のメンテナンスをしない方へ少しでも励みや参考になって貰えればと思って素人の大腸ガンサバイバーが書いてます。
月1程度で今までの奮闘日記を残して行こうと思ってますのでよろしくお願いします


《初めての大学病院》

仕事を早く切り上げて嫁が病院へ来てくれたのはその日の夕方。

入院してるフロアのナースステーション前で一緒に先生を交えて一通り説明を受ける。

この病院ではこれ以上出来る事は無いとの事だったのですぐにでも退院したいと伝えるとすぐに紹介状を渡してくれて荷物を整え帰宅。

帰宅の自動車内での会話。

俺  『ガンだってよ…どーするかね。治るんかね、ダメなんかね。』

嫁  「今そんな事言っても始まらないでしょ!とりあえず不摂生禁止で保険と
     か色々と連絡しなきゃいけない事いっぱいあるんだから!!」

こんな時色々と同情されて2人で落ち込むよりもこうして突き放された方が気が楽だったけど、今思えば計算高い嫁のファインプレーなのか、それとも普通にやること多くて構ってられなかったのかはあえて追求はしない方が良さそうだ。

嫁は介護職をしていてそれなりに病人や障害のある人の扱いや接し方に慣れていた分俺よりも受け止め方が違ったんだと思う…

この嫁の仕事もこの先俺の生活に大きな助けになって、非常に俺がツイてた部分になるんだけども。

帰宅後の夜にもう大学生になった一人娘に事のあらましを伝えて反応を見たのだけど、イメージと違う(笑)
ショックで「ええええええ!!」っていうのを期待したけど実際は

「そうなんだ。大変だね。」
「大学病院で手術とかすんの?」

とまぁ、冷静に受け止められちゃって大人になったんだか、無関心なんだか(笑)

もっと仲良く過ごしてきた気がしたんだけどなぁ…父親ってこんなこんなのかな…うーん(笑)

とりあえず

『明日大学病院行ってくるからまたわかり次第言うよ』

って事で翌日に大学病院へ行く準備をして3日ぶりの我が家の布団でゆっくり就寝。

翌日、ギリギリ12月の年末ではあるけど年内に診察をして貰うことができ、朝から大学病院へ。

初診の受付を済ませ紹介状を渡して待っていると2階の消化器外科で受付をして待っているように言われて2階へ。

2階の消化器外科へ行くと年末という事も影響があるのか待合席は等間隔で人が座っていて結構な人数。
等間隔?あぁコロナで密回避だから等間隔らしい。詰めれば座れるんだけど仕方ないですね...。

しばらくするとモニターに自分の受付番号が表示されて中へ入ると、近所の病院の先生とは明らかに雰囲気の違う、それとわかる先生が座っていて妙な緊張が一気に湧いてくる…

「どうぞ〜、データ観させて貰ったけどこれはもう手術だね」

意外と優しい明るい声に妙な安心感を覚えて

『手術すれば治りますか?大丈夫そうですか?前の病院ではステージ4て言われて結構落ち込んでるんですが…』

すると先生から、

「治る治らないは手術でお腹開けてから取ってみないとなんとも言えないけど、少なくとも手術して取る事は可能な状態だから早い方がいいね。人工肛門になります。」と。

え?!【人口肛門】!?!?

『人工肛門ですか??それは…』

「そう永久のずっと人工肛門。だって手術で直腸と一緒に肛門も取っちゃうからおしりからはもう出てこないよ」

なんとまぁ衝撃的な宣告。しかも急いだ方がいい手術で選択及び熟考の余地無しという…

血便からの発熱で手足の痺れを感じて近所の病院いってからまで1週間足らずで何回目の衝撃的宣告なんだ…ともはや笑えてくる展開になんとかしがみついて頭を追いつかせ、それでもやっぱり全部ひっくるめてやるしかないわけで…

『お願いします』

としか言えませんよね(笑)。

そうなったらもうあとは入院前に一通りの検査の予約が矢継ぎ早に決まっていき、入院は年明けて2月の中旬。

その前までに手術に必要な検査としてCTやらMRIやら心肺機能やら怒涛の検査ラッシュ。

2021年の1月は手術に向けて会社の休職願いの為に出勤する所から始まりました。

《会社への状況説明と休職》

1月の成人の日過ぎてから現象の報告と今後の見通しを説明するために会社へ向かう。

忙しい年末年始のど真ん中を緊急の入院等で休んだ事が申し訳なくて気が重いけどそれはそれで仕方ないと言い聞かせて事務所に到着。

すると事務員さんが普通に心配してくれて(まぁ当たり前の反応か)、奥の応接室に通されてしばし待機。

年末に電話では会社を休むと伝えた部長と、所属部署のトップである専務が入室してきてまずは新年のご挨拶。

ガンであること、確定では無いもののステージが4に近い事は間違いない事、術後は人工肛門(以後ストマ)になる事、退院後は抗がん剤治療も視野に入ってくる事を説明。

とりあえず退院するまでの期間の休職を願い出たところ快諾(まぁダメと言う訳にもいかない世の中ですし)。

さぁ頑張るぞ!!と人生初手術へ仕事の心配を無くして準備を整えて入院を待つばかりとなりました。

まさかこの休職がその後大きな人生の転換になるとは露ほどにも思わず呑気なものでした…

《入院そして手術準備》

2021年2月22日の手術の日その1週間前に入院の指示が先生からされていた為に予定通り病院へ。

10:00から入院出来るとの事だったのでその時間にチェックイン(ホテルの宿泊みたい)。

入院する病棟は5階だと言うのでエレベーターで上がるけど家族はエレベーター乗る前まででお別れとなりました(コロナの影響で入院病棟までは付き添いNGとの事)。

失敗するとは思ってないけど、もし万が一何かあったらこれで最後なのはあっさりだな…なんて思いつつ5階で病室に案内され、そこからは看護師さんの説明を聞いたり着替えたりでさっきまでの万が一どーのこーのの心配は吹き飛んでました(笑)

この病院では一般的に手術の患者さんは2、3日前か前日くらいに入院が普通で、1週間も前から入院というのもあまり無いみたい。

実際最初の数日間は特に何もなくただ外泊して病院食食べてただけの時間でした。

手術の3日前(入院4日目)くらいからストマを造設するためにお腹にマーカーで位置を書き込んでもらうんですが、自分の場合永久ストマ(正確にはストーマですが)なので肛門に近い左の脇腹下付近に位置を決めて座った状態で上から自分が確認できるかのチェック。

なるほど、ストマが出来たら自分で管理するんだもんな....自分が見えない位置じゃダメだからちゃんと細かく調整しないとやり直し効かないもんね....。

そういえば自分がこの病気になって実際に人工肛門になる手術を受けるまで全然思い出さなかったけど、だいぶ前に鬼籍に入った祖父が人工肛門だったなぁと。

ふと思い出したんですが、なんとこの事実がだいぶ後になって自分の闘病に重要なポイントだったと気付くんです。

けれどもこの時は全くなんの知識も無いので大事な事だとも全く思わず、先生にも何も言わなかったんで特に気にもせずむしろ翌日の手術で頭の中はいっぱいでした。


【余談ですが、もし今後ガンになったりした場合は血縁関係の人にガンになった人が居る、居ないは早目に把握してなるべく病院側に伝えておくといいと思います。もしかするとそれで治療方法も変わる可能性もあるので。】(自分は今になったから言えるんですけどね)


無事にお腹にマーカーで書き込んで貰い、いよいよ本当にストマになるんだなぁと改めて実感が込み上げてきて、それなら今のうちに自然排便を満喫しようとトイレに行くけど

「あ、そうだ便秘すぎて今こっちがすごいしんどいんだった」

と現実の苦痛を味わいトイレで1人凹んでました(笑)

それと並行して手術後ICUに移動した後に使うであろうオムツやパッドなど指示された物をを下のコンビニで購入。他の病院を知りませんがこういうのって自分で購入して揃えるものなんですね...

手術前日には大腸カメラの時と同じ様にお腹の中空っぽにするためにご飯もストップ、下剤を飲んで全て出す苦行が待っており、言わずもがな逃げ出したくなりました…

さらに前日の夜21:00頃にキツキツのストッキングを履かされるんですね....なんでも手術中、長時間同じ体勢で寝てると足に血栓が出来やすくなる為、それの予防で大事ななんだとか...(それにしたってキツくてすぐにでも脱ぎたくなる...)

これで手術前の準備は万端。
あとは手術当日の朝を迎えるだけ。

看護師さんから

「ご家族には手術開始の時間を連絡しておきましたので、当日手術室行く前に家族が来て手術室前までは一緒に行けますよ」

と伝えられて少し安心したけど、手術前で緊張して夜寝れなかったらどうしようって看護師さんに相談したら

「大丈夫ですよ寝れなかったとしても手術中寝れてますから」

と、思わぬ切り返し。

確かに!!!(笑)

いかんせん初めての手術で不安がいっぱいの前日ににちょっと笑わせてくれた看護師さん感謝です(笑)

それでは明日は色々と頑張らなきゃいかんので消灯と同時におやすみなさい…
                                                   
                                                                                                        つづく。

                                                                                         

                                                                                   

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