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NHK杯2022:現地観戦雑記

ガチ目にクマ出没注意だった真駒内

真駒内でのNHK杯は3年ぶり ですが3年前はチケットが全落ちだったため(公式練習とEXのみ友人に救済され現地は果たす)全通出来るのは2016年以来。
最も応援していた選手達がこぞって競技会を退いてしまったので、地元とはいえどもEXまでは行かなくてもいいかなという気持ちが過るも、「地元なんだから行けばよかった」という後悔に襲われる可能性には抗えなかった。というわけでB席→A席→B席で3日間。

昼12時スタート終わるの21時という9時間観戦×2日に耐える体力があるか不安でしたがなんとかなりました。女子のFSはものすごく睡魔を誘う音楽が続いてなかなかに苦闘でしたが。
強烈に応援したい選手がいると緊張して食べられなかったり、逆にアドレナリン出て全然疲れを感じなかったりもして、情緒が極めて不安定になるけど今回はそういうのがなかったので普通に腹が減った。

真駒内の安い席は俯瞰をするのには最適。おすすめはA席。程よい高さからリンク全容を見ることができる。B席はギャンブル。だけどショートサイドの上の方から見るのが好きなのでどうしてもBを買ってしまう私。

今回のB席は周囲に単騎参戦の人しかいなかったようで(※誰一人隣の席の人と会話をしていなかった)、且つ拍手手拍子スタオベも「私がいいと思ったのでやる」という夫々の意思が感じられる人々ばかりで最強に居心地がよかったです。特に誰のファンというのも感じなかったので、私のように「今はここに応援していた選手はいないけど…」という人々の集いの場だったのかもしれない。実際隣の席の人はスケ連動画で流れた羽生さんの声に私と同時に反応したもんな…

ともあれこのプログラムはここから手拍子がしたい!という下準備と意思の一致が「知らない隣の人と手拍子の開始タイミングが一致」というノールック手拍子まで生んで無駄に達人の域だった。応援の亜空間。

これも亜空間

大会の個人的クライマックスは初日の最初のカテゴリ。りくりゅうのユルネバ。あれはやばかった。開始5秒でもう泣きそうになってしまったなんぼなんでも早すぎる。
スケーティングがそもそも別格なのを俯瞰する。
それは明るい緑の草原を、強い風が吹いて流れていくのを見ているかのよう。流れる風の中を子どもたちが笑顔で走り抜けていく、そんなイメージ。

3年前のNHK杯が彼等の国際大会デビュー戦、当時の中継で「観客にこれだけの拍手をもらえる日本のペアが誕生しました」というようなテレビ実況があったんだけど、結成3ヶ月でそれだけの拍手をもらえたペアは結成3年後に世界トップを狙える位置に来ました。って本気ですごすぎだろ…

Walk on, walk on
With hope in your heart
And you'll never walk alone
You'll never walk alone

プレスリーの歌声がどんどん強く響く。場内の音響今まじで大きくなった?って誤解するぐらいだった。歌詞の通りに二人で「あなたはひとりじゃない」って耳にまで伝わるレベルで滑っているということか。その技術力、そして彼等ならではの多幸感。書きながら思い出して泣きますよ。応援猛者エリアの隣の人も泣いていた。わかる。泣くタイミングも猛者。

ここでもう燃え尽きそうな勢いでしたが競技会はむしろ始まったばかり。
体力以上に気力が持つのか。

突然の鎌倉殿に不穏な気持ちにされる

以下簡潔に(と言いながら長い)
りをんちゃん→繊細なイメージがあったんだけど実際見てみると「ジャンプに向かう目線が漢(おとこ)」だった。あんなに可愛いのにむしろ逞しい印象に変わってしまった。

倫果ちゃん→ストーリーテラー。FSは仁先生が見えた。ドラマ見てた勢納得の神編曲。EXのThis is meは競技プロにしてほしいくらい気に入ってしまった。いろんなプログラムを見てみたい。

カオリサカモト→五輪とワールドで為すことを成した後の難しさがあるんだろうなと思うけど、坂本花織にしか表現出来ない世界を変わらずに紡いでいるのさすがだなって思った。フェミニンでもセクシーでもなく、ただ、ありののままの、且つ鍛えられた女性として美しい。そういう世界を表せる稀有な存在だと思ってる。

ココ→EXのプロが好き。最後のポーズが超かっこいい。みさとちゃんの黙っていても溢れるゴージャスさは強い魅力。尊くんは北海道でうまい魚を食べられたならなにより。

かなだい→オペラ座は始まった途端舞台と化した。大ちゃん千両役者やのう。ツイッターにも書いたけど2011年真駒内で生で見るはずが叶わず、11年後の2022年真駒内で現役の姿を見るなんて予想もしていなかった。それにしても見てて不安だったデビュー戦から彼等もすごい進化なものです。

グリパー→今回とても気に入ってしまった。彼らもEXプロがいいですね。コミカルは技術力が問われる。笑わせられるぐらいうまい

とものくん→FSでは応援のプロな隣席の人が秒で手拍子を始めた。わかる。自分の強さに向き合った、と語られていましたけど、とものくん普通にガチで上手いよ…ってEX見て思いました。客に「私に!手拍子を!させろ!!!」と思わせる選手ってそうそういなくないか?

草ちゃん→うおおおおおお草太あああああきたああああああ(SP)。6練時点でジャンプがほぼクリーンでこのまま行ってほしいと願っていたらちゃんとその通りにいってうれしい。FSはアクセルが裏切ったけどGPF進出決定。2015年真駒内全日本のSPだったポエタを7年経って見られたのは感無量。

昌磨→冬季アジアで勝ってたことを何度も思い出した。あのときは客席のコンコースを普通に走ってたよね昌磨…。皆が言う通り、始まった途端別格なんすよね。バロックが本当によく似合う。難しいシーズンだろうに大崩れしないで淡々とやれることをしっかりやっていくあたり風格ですね。

アダム→好き。スターウォーズプロをEXで見られるとは思ってなかった。全力でスタオベ。身体の使い方が普通に上手いですよね。

ジュンファン→EXが最高だった。半径10m(※盛ってる)もあろうかの円弧を描くイナバウアー連続、イーグル~クリムキンとイーグル友の会垂涎のプログラム。あれは俯瞰して見てナンボとB席ドヤ顔。

男子は結構ユーロ味の溢れる変曲もあったりで堪能出来ました。
やっぱり生で見てみると気になったり新しく好きになる選手が出ますね。
それと忘れてはならない、オープニングセレモニーでの刑事さとこ共演!!
アンバサダーは裏方に徹するのかなと思っていたらきたよ!
プロになってからのさとこの滑りを見るのは初めてだ!うれしい!!

五輪誘致パネルはしょまさんのサインが入れられた
カオリサカモトもサイン入り

以下蛇足になりますが、思ったこと
NHK杯はチケットが取れない、という印象が長いことあったので(実際2011年の札幌開催時もチケットを取れなかった友達がいた)今回のように当日まで買える状況というのは、真駒内開催としてはたぶん相当に久しぶりだったんじゃないかと思う。

会場に行ってみるとフリーの土曜日以外は空席が目立ってた。今までの状況を思うとそれはやはり少し寂しいものがあった。が、そもそもコロナ禍でスポーツ観戦の動員はどこの競技も厳しい。コンサドーレの試合だってなかなか元の水準には戻らない。そんな中で、アマチュアの競技会ながら、且つ小さからぬハコで、チケットも決して安くはないという中で土曜日は8割方埋められるというのは底力があるなあって思ったのも本当。

とはいえそれなりの数字が取れなければ今後の報道量やスポンサードに関わること(=我々ファンが受け取れる情報量が左右される)なので、好きな選手が一線を退いたといっても今後も競技会には変わらずに注視していこうと思いました。いや特にそんな立派な理由なくても純粋に現場で見るのたのしいですしね。リンクを俯瞰して、鏡面のように光る氷の上に描かれるいくつもの円弧を見るのはテレビでは味わえない感覚ですし。

もっともチケットが取りやすくなったことで、これまでなかなか足を運べなかった人達が来れるようになったのはよいことでした。リア友にも何人かいました。そういう人達が満足出来る試合だった(という感想を直接聞いています)ことは、単純によかったなあって思ってます。

来年は大阪。個人的に因縁の大阪N杯なので行ってみたい気持ちはあれど、行ける財力と体力があるかどうか。乞うご期待!
観戦3日間はクリアできたけど疲れが取れないところに老化を感じるわ…
試合は、行ける時に行け…

不可避(手袋買いました)

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