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愛されたい、ありのままで。

小さいころから大事な人に必要とされるためだけに生きてきた。

親、先生、友達、恋人ありとあらゆる大事な人に好かれるように嫌われないように生きてきた。その人に認められて求められることだけが私の(僕の)アイデンティティ。失っては困るから完璧に適応する。他の人にはない、私だけの(僕だけの)能力。私は(僕は)あなたに完璧に適応できる。私だけは(僕だけは)完璧に適応できる。私だけが(僕だけが)完璧に適応できるのだから、完璧に適応できるのは私だけ(僕だけ)なのだから離れないでね、私のことを(僕のことを)嫌いにならないでね、ずっと見ていてね、完璧にあなたの理想になるから、あなたの理想になるから。

だけど、随分と大人になってから私は(僕は)気づいてしまった。私が(僕が)好かれるようにとしてきたことはまるで真逆で、離れないことはあっても好かれることはないこと。なぜなら私が(僕が)あなたに見せてきた私は(僕は)あなた専用のオーダーメイド。

虚構の私(僕)=あなたに完璧にフィットする寸法
       =オーダーメイドの私(僕)

だからあなたは私から(僕から)離れることはない。ただし、私が(僕が)あなたのためにつくったパターンから逸脱した瞬間に、あなたは私から(僕から)するり簡単に離れてしまうだろう。それはつまり本当は、てんで好きじゃなかったってこと。そもそも最初から一緒にいられなかったってこと。

自ら差し出す役に立つアピール、褒められるたびに薄く傷つく。ありのままで愛されないことを突き付けられるのが嫌で、自分からその言葉を拾いに行く自傷行為。急に刺されるよりはマシ。だから私は(僕は)オーダーメイドになることをやめることはできない。小さいころから着続けた洋服という鎧は、私に(僕に)ぴったりと張り付いて離れない。

どこからどこまでがありのままなの?
ありのままの私って(僕って)何なの?
最初からそんなの知らない
生まれてこの方ずっと誰かのオーダーメイド
私は(僕は)どこ?
ずっとずっと迷子なの
他人の欲望を映し出すスクリーンだけが私(僕)
私は(僕は)白い布
理想を投影した白い布をあなたのサイズにカットして縫う
白いから何にでもなれる
何にでもなれるなら、ありのままの私(僕)にだってなれる?

もはや長年連れ添った皮膚のような洋服の鎧。
掻きむしって掻きむしって脱いでしまいたい。
きっと裸になることができたら最強でいられる。
隠すものがないから、嘘がないから。

あなたに嫌われたくはないなぁ、必要とされ続けたいなぁ、離れていってほしくないなぁ、がっかりされたくはない、だけど、弱さも醜さも含めて受け入れてもらいたいもらえるの?わからない、わからないけどそろそろ脱ぎたい、決して美しいばかりではない難のある身体、目をそらさずに見てほしい、受け入れてほしい、

愛されたい、ありのままで。






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ありのままで愛されるのは一握りの人間だけだと知ってからは愛する人のオーダーメイド、私は迷子、逸脱が怖い。

斜に構えているのは、強いからじゃなくて戦いたくないから。
隠しているのずっと、洋服という鎧で。

脱ぎたい。

裸でいられるときだけは最強でいられる。
弱さもずるさもやさしさもないまぜに抱き合わせた身体。
目をそらさずに見てほしい。
受け入れてほしい。愛されたい、ありのままで。

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この文章を心の奥底で受け取ってくれた、あなたのための身に纏うお守りをつくりました。
いつかあなたが、“あなた”の洋服を脱げる日が来ますように。
ありのままで愛される日が来ますように。

「願い」
http://bit.ly/2oWRurW


Graphic Design 村山ムーポン辰徳
Photograph 山口裕生


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佐々木ののか

文筆家。メインテーマは「家族と性愛」コラムや小説のお仕事お待ちしてますmail:sasaki.nonoka@gmail.comTwitter:@sasakinonoka

家族と性愛

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