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剣道漬けな日々

 コロナから回復したと思ったら、息子の剣道イベントがどかんとやってきました。さる日本人の高名な剣士がニューヨークからおいでで、木曜日通常稽古、金曜日夜3時間稽古、土曜日朝10時から夕方4時まで稽古、さらに本日日曜日は昇級審査プラス稽古という怒涛のスケジュールでした。そして明日は通常稽古…5日間耐久稽古です(汗)。
 初めての昇級審査でしたが、2級をいただいて本人は大喜びでした。やれやれよかった。ちょっと足を痛めていて、明日の稽古までに回復するか心配なんですが。故障は怖いので気をつけないと…

息子はゼッケン5番でありました


 ニューヨークからおいでの先生は、剣道教士8段、居合道7段という凄まじいご経歴の方です(剣道の最高位は8段で、その中でさらに三つに分かれていて、教士8段の上に最高位の範士8段がある)。厳しくもやさしい先生なのですが、5段、6段の精鋭の先生方を隙だらけだよとばかりにピシピシいなしている様子といったら…何だか仙人のように人間離れしたものを感じさせます。
 このレベルの剣士となると、刀と一体というのか、完全に刀が体の一部になっていますね。ことに居合道の実演を拝見していると、剣が肉体に同化していて手足のよう。小説で剣客を描くときの参考にしようとじっくり観察させていただきました。勉強になります…
 

 稽古を見ているのは好きなんですが、半日稽古はあまりにも時間が長いので途中読書も。読んだのは藤沢周平「麦屋町昼下がり」という短編集。

藤沢周平…好き(TT)

 やむにやまれぬ事情から、普段ぱっとしないが実は凄腕の侍が生死を賭けた戦いに臨まねばならなくなる…というのは藤沢周平氏の短篇には多いパターンだと思うのですが、一話一話が実に味わい深くて面白いんですよね。これだけ膨大な数の短篇があるというのに、どれも面白いってどういうこと…と悶々と(?)するのですが、こちらも面白かった。無茶苦茶面白かった。面白い面白いばかり言っておりますが、面白いんだから仕方がない。
 
 私思うんですが、「いつものパターンの主人公」って悪くないと思うんですよね。好きな作家さんの次回作には前回とは全く違うパターンは求めないタイプでして。
 藤沢周平の作品なんて、貧乏・凄腕・浪人or不遇の武士と三拍子そろった主人公がどれだけいるのか(馬廻組とか、長屋暮らしとか、部屋住みとか、細分化したらさらに色々なパターンができる)。それでも作品ごとに新鮮であるのは、作家の腕がいいからなのでしょう(池波正太郎もしかり…)。
 そのキャラクターを通して何を語りたいのか、ということの方が大問題なんじゃないかと思います。だから私もキャラ造形が前作と被っていないか…といった点はあまり気にしないようになりました(←やや開き直り)。さすがにそっくりにしない努力はしますが。
 などと思いつつ、剣道漬けの時間を過ごした一週間でした。 
 
 
 

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