台本「2 O'clock rainbow」

2 O'clock rainbow

膨らむ情熱と傷んだ身体
それを秤にかけながら

(君といられるから)
(君といられたなら、って感じながら)

悲しみ抜いた日々塗り替えていく
今に出来うる最高値

(ゆっくりじゃダメだ、って焦りばかりだ)
(君から消えることだけは避けなきゃ)

弛まぬ努力は空しいもので
叶わないならおしゃかです

(そういう現実ばかり見てきた)
(そういう現実が繋いだのが、僕らでもある)

理由がない苦しみなんてないよ
君に嫌われたくないな

(悲しみを飼い慣らすやり方について)
(しっかり交換できればよかった)

いつだって見つめていた
昔の僕への贈り物

(ありがとう、うまく受け取れなかった)
(僕の弱さを今では恥じているんだ)

今に見てなよ追いつくからさ
そう思っていても止まる足

(先や後じゃなくて、一緒に)
(そう願っていたのに、いつだって)

そして君はするすると
僕を置いていく仕草を見せる

(必要がなくなった気がしていた)
(悲しみを隠しながら取り繕っていた)

捻くれ者の僕にはさ
見たくなくなるような景色

(悲しみを隠し切れていたかな)
(その行為自体が君を傷つけていた)

なんでそんなこと言うの
君は困ったように言うかな

(困る君を僕はまだ捉えかねていた)
(悲しみがないのに困る人なんていない)

さよならじゃなくてここに居て
そんな風情の言葉をください

(甘えてばかりいたかも知れない)
(今はまだきちんと認め切れていないや)

失くしもの多すぎて
過去を大事にも出来なくて

(失くしたものも、そうした過去も)
(思い出したくないし、忘れていきたい)

未知数だけがあるようでいて
その実なんにも無くなってて

(だけど未知数を追いかけるには)
(僕らは自分自身を傷つけすぎたと思う)

やがて雲が駆け抜けて
隙間から君が顔を出してくれた

(嬉しいことが起こらないとしても)
(僕にはそれだけで意味があった)

慰めばかり要らないや
いつかの歌をすぐに裏返す

(言葉が届く距離感を失った)
(そのことに、ただ絶望したくなった)

言いたいことなんなんだろう
もしやなんにも無いんじゃないか

(繰り返したシンプルな表現さえ)
(口に出す資格なんてない気がしている)

悪癖だけが治らないから
二時の街角溢れた涙

(またつまらない強がりと弱音)
(君が嫌うそれを繰り返した)

蜃気楼のように消えた七色の月

(僕は僕を、見失っていったみたいだ)

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