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愛せるのなら愛してみせて


隠したいものや晒せないものがある人が好き。


Twitterでは所謂 “裏垢” と呼ばれるアカウントをフォローさせて頂くことが多い。 私のTwitterも見る人が見れば裏垢と呼ばれるものなのかもしれない。 その前に表なんてないのだけれど。

夜が深まるにつれて、みんな活発になる。 夜型人間の私にはとても有難い。 夜の欲望が滲む言葉たちはきらきらと鈍く輝いて見える。 なんて綺麗なんだろう。 素直に吐き出す場所を有効活用している。 夜にしか吐き出せないものを、捨てるように唄うように吐き出す。 その気持ちはとてもよく解る。


隠したいけど隠しきれないもの。

それらをなんとか押し殺して小さく小さく折り畳んで、心の奥へ奥へしまい込む。 そうやって朝と昼と夕を乗り越えて、へとへとになってやっと夜に取り出せる。 それを分かって欲しくて見て欲しくて触れて欲しくて認めて欲しくて放っておいて欲しくて。 紡がれる呟きに色を乗せる。

セックスが好きだと、彼氏が好きだと、彼女が好きだと、妻が好きだと、夫が好きだと。 誰でもいいと、貴方がいいと、貴女がいいと。 様々な言葉たちがつらつらと流れる。 綺麗な裸体も、脚も、手も、顔も、髪も。 彩られるタイムラインで、わたしは心を揺らしてくれるものたちにハートマークを贈る。



性癖だって、性欲だって、なんだっていい。

吐き出せるものはなんだって吐き出して構わない。 誰にも見つからない秘密の居場所。 それがなければ生きられない。 わたしだってそうだ。 言いたくないことも言えないことも、たくさんある。 だから言葉を並べておく。 薄い薄いベールに包んで、見たい人だけ見れるようにしておく。


男の人の煙草を吸う横顔がすき、綺麗な手がすき、細い腰がすき、広い背中がすき、首筋がすき、鎖骨がすき、喉仏がすき、欲に濡れた眼がすき、愛しさの滲む瞳がすき。

女の人の綺麗な胸元がすき、背中から腰へのラインがすき、綺麗な手がすき、しなやかな脚がすき、艷めくさらさらとした髪がすき、欲に濡れた眼がすき、強気な瞳がすき、色気が香る唇がすき。


わたしの性癖、心を揺さぶるもの。 悪戯に覗きたいわけじゃない、悪戯につつきたいわけでもない。 そこに美しさがあるから惹かれてしまう。 憧れがあるから見ていたくなってしまう。 それがただ、この場所だっただけ。 それだけ。


セックスもセフレもデートも恋人も夫婦も。

求め合う誰かを見てる。 夜の闇の中でそこにしかない出逢いを見つめている。 身体でしか表せない愛情も、言葉にしかできない淋しさも。 わたしの目に映る全てがわたしを繋ぎとめてくれる。 可愛い妄想も、激しい想像も、悲しい幻想も。 語るから意味がある。 言葉にするから同調できる。


「なにが好きですか」

「なにが欲しいのですか」


そんなこと聞かなくたって解ってる。 明日もただ生きていかなきゃいけないから、明日へ潜るために息をしておかなくちゃならないんだ。 今だけ、今のうちに、たくさんたくさん、吸って吐いて。

淋しさを夜に預けて、また明日の夜に取りに来るから。 抱えて歩くには重すぎて、痛すぎて、苦しすぎて。 泣くには独りじゃ辛すぎて。

だからたくさん吐き出して、捨てるように唄うように。


わたしはあなたにハートマークを贈りたい。






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