VISION DRIVENの道を歩む心持ち

VISION DRIVENで進む道は長い。

ビジョンは、出会った時は、恋をするかのように燃え上がる。初期は、新たな世界が開けてきて、旅をするようにワクワクする。しかし、その後の道は、決して楽ではない。荒地を淡々と歩くような我慢が必要な時期もある。そして、実現する直前は、怖くなる。ついには、実現してしまうと、とてつもない快感とそのあとにはいくばくかの虚脱感が残る。

一筋縄ではいかない、道だ。

ちょうど一年前に取り組んでいた某企業のビジョンデザインのプロジェクトがその会社の社長賞を取ったという嬉しい知らせがあり、久しぶりにその時の特命チームのみんなと顔を合わせた。

その会社は、あまりにも有名で、公器的な存在であるが故に、毀誉褒貶を免れないが、日本を、文化を支えている矜持を持っている会社だ。

そのプロジェクトは、部局横断の特命チームが毎週3時間ほぼ3ヶ月に渡ってワークショップを行いながら、最終的に大きな環境変化を乗り越えた未来の存在意義を提言するというような内容だったのだけれど、それはもう大変だった(笑)

歴史の掘り返しからスタートし、日本の縮図である様々なタイプのユーザーにインタビューをしながら、未来のテクノロジー年表を作りつつ、未来の事業、サービスの具体像、そしてミッションステートメントを作っていくというようなかなり包括的で濃い時間。

そのプロジェクトを通じて、一緒に働いていたクライアント含めた仲間が、どんどん変わっていく。人を変えるプロジェクトだった。

そのプロジェクトの最終提言はかなりの反響があり、つきっきりでやっていたメンバーは、感無量のあまりに涙するほど。「感じる」プロジェクトだった。

そして、久しぶりに1年経って顔を合わせてみて。

組織の変化や、日常の変化というのは本当に時間がかかるもの。ド派手な印象を残したからこそ、そのギャップで、期待と比べて物事は変わっていない、と感じてしまうのは人間の認知の性だ。

しかし、どうして。一人一人の近況を聞いていると、これがなかなかの変化なのだ。何より一人一人の人が変わっている。そして、偉大なる慣性に対しての新たな動力を有むのは摩擦もあってエネルギーがかかることを考えると、それは確実に前に進み始めているように思えた。

こういう時に大事なのは、集まり、自分たちが前に進んできたその努力を噛み締め、味わい、労うことなのだと思う。その積み重ねは、いつか土台となりそして矜持となっていくだろう。

VISIONから始めた旅は、一朝一夕にいかない。

いざ前に転がり出したら、その道をのんびり、楽しんで、味わって歩む。

そういう積み重ねを続けられた人だけが、後に伝説となるのだと思う。

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