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ラジオでメールが採用されるために必要なこと。

放送作家としてラジオの仕事に携わるようになり12年ほどになる。日々、リスナーから送られてくるメール。何百通と目を通している。

そんなたくさんのメール、できれば全て採用したい。

しかし、限られた放送時間。採用できないメールはどうしても出てきてしまう。それは非常に申し訳ない。

番組を好きで送ってくれたり、番組のテーマに引っかかって送ってくれたり、たまたま、パーソナリティーのひと言が気になって送ってくれたり、メールを送る理由は様々だと思う。

そこで、日々、何百通のメールを見ている私から「採用されやすいメール」というものを自分なりに解説したいと思う。

①改行がきれい
メールというものは「読む」というより、まず、パソコンの画面でパッと「見る」。そこで読みやすいメールと読みにくいメールというものが当然ながら出てきてしまう。改行がきれいだと、スムーズに読み始めることができる。改行がきれいで損はない。パーソナリティーも読みやすい。おもしろいのにダラダラ書いてあるメールはもったいない。
②難しい言葉を使わない
ラジオは大衆向けのメディアであるので難しい言葉を使われてもリスナーがついて来ない。そもそも、作家もパーソナリティーも読めない。いちいち読み仮名や意味を調べないといけない文章はダメではないが少ししんどい。漢字は小学生レベルまで。なるべく簡単な文章にするのがコツではある。
③読みにくい地名にふりがながある
千葉県のラジオ局で仕事をしているのだが、千葉県は読みにくい地名が多い。「八街市(やちまたし)」「酒々井町(しすいまち)」「印西市(いんざいし)」「匝瑳市(そうさし)」「山武市(さんむし)」「山武郡(さんぶぐん)」などなど。私は千葉出身ではないため最初は全く読めなかった。これと同様に全国には様々な読みにくい地名がある。作家もパーソナリティーも地名オタクではない。自分が住んでいる地名が読みにくいと感じるのであれば、ふりがながふってあると非常に助かる。
④パーソナリティーの発言にリアクションする
ハガキ職人レベルになると、パーソナリティーが言った一言にガンガンリアクションをしてくる。例えば「神保町でうまいカレー屋さんないかな?」と言ったら、情報を持っているリスナーがオススメのカレー屋さんを教えてくれる。こういうリアクションメールは非常に助かる。番組も盛り上がり、ラジオの良さであるツーウェイをリアルに感じられる。採用される確率は高い。
⑤メッセージはなるべくコンパクトに
ラジオは「ながらメディア」と言われる。仕事をしながら、勉強をしながら、運転をしながら、料理をしながら。何かをしながら耳だけで楽しむ。ラジオドラマは除外させて頂くが、長いメッセージを読んでもそこまで集中力がもたない。なので、何十行もあるメールは採用されにくい。ただ、よほどエピソードがしっかりしているものであれば多少長くてもOKの場合もある。そこは内容によるが、コンパクトさは大切。
⑥ラジオネームは普通でいい。コンパクトに。
ラジオにはラジオネームというものが存在する。有名なハガキ職人はスタッフもリスナーもラジオネームを覚える。どんなラジオネームにしようか最初は悩むと思うが、これもまたなるべくコンパクトがいい。たまに何十文字もあるラジオネームを付ける人もいるが、紹介する際に、いきなりラジオネームでつまづくことがある。別にラジオネームにおもしろさを求める必要はない。普通でいい。餃子が好きだから「餃子男」とか、筋トレが好きだから「マッチョ」とか。そんなのでいい。そして、コンパクトに。たまにラジオネームに放送禁止用語が入っている人がいる。メールがおもしろくてもそれでNGなので要注意。
⑦はじめての人は「初メールです」と書いてみる
いつもメールを送ってくれる人は当然ありがたいが、初めてメールを送ってくれる人はこれもまた貴重だ。おそらく番組を聞いて、おもしろいと思ったから送ってみようと思ったはず。そんな人はぜひ採用したい。だから、メールの冒頭に「初メールです!いつも楽しく聞いています!」と書いてくれると、なるべく優先して紹介してみようと思う。初メールが採用されればまた次も番組を聞いてくれるか、メールをまた送ってみようと思ってくれるはず。普通にメールを送っても初めてかどうかは分からない。だから冒頭は「初メールです」から書き出してみよう。
⑧普通の質問「ふつおた」大歓迎
何年もやっている長寿番組だとコーナーやテーマに沿った構成が基本となってくる。⑦に繋がる部分はあるが、パーソナリティーに普通の質問メールが来ると、意外とスタッフが気づかない視点だったりするので採用してみたくなる。ちなみに、ラジオ業界では普通のお便りのことを「ふつおた」と呼ぶ。
【番外編】
■「プレゼント希望」としっかり書く。

ラジオではメールを送ってくれた人の中から抽選でプレゼントを贈ってあげることがよくある。メールを送ればOKと思っているリスナーもいるかもしれないが、そうではない。「プレゼント希望です」とか「欲しい理由」などが書かれていると、採用してあげようと思う。選ぶ方も人間だ。その想いに揺さぶられることはよくある。あと、プレゼントを希望しているのに、住所や電話番号、名前が書いていない人がいる。個人情報を気にしてかもしれないが、書いておいた方がプレゼントは当たりやすい。
▼メールに必要な基本情報
【住所】
【本名】
【ラジオネーム】
【年齢】
【性別】
【電話番号】
【本文】
プレゼント希望です。

ラジオ番組というのはリスナーから送られてくるメールが番組の命と言ってもいい。どうすればリスナーがたくさんのメールを送ってくれるか、どうすればもっとリアクションしてくれるかを常に考えて番組作りをしている。

パーソナリティー、スタッフ、リスナー、誰もが楽める番組になればいいなと思い「ラジオでメールが採用されるために必要なこと」というテーマで書かせて頂きました。

参考になればありがたいです。また、これをきっかけにラジオにメッセージを送ってみようかなと思ってもらえたら、最高に嬉しいです。

ちなみに、私の担当番組はこちらに書いてあります。たくさんのメールお待ちしております。

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