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『太一生水』杜胡三蔵復元並びに釈文案

原竹簡には欠けているところがある。また、ほぼ確実に写しそこなって、脱字が生じている個所がある。前後の内容から判断して、復元を試みた。

通行している釈文には、承服しかねる箇所があるので、私の納得を基準にして、釈文を日本の常用漢字の字体を軸に構成してみました。また、意味を取りやすいように改行した。

郭店楚簡『太一生水』杜胡三蔵による復元並び釈文案

太一生水
水反輔(哺)太一 是以成天
天反輔(哺)太一 是以成地
天地復相輔也 是以成神明
神明復相輔也 是以成陰陽
陰陽復相輔也 是以成四時
四時復相輔也 是以成湿燥
湿燥復相輔也 成歳而歩
故歳者湿燥之所生也
湿燥者凔熱之所生也
凔熱者四時之所生也
四時者陰陽之所生也
陰陽者神明之所生也
神明者天地之所生也
天地者太一之所生也
是故太一蔵於水 行於時
週而或始 以己為万物母
𬚆欠𬚆盈 以己為万物経
此天之所不能殺
地之所不能理
陰陽之所不能成
君子智此之謂道也■
天道貴弱
爵成者以益生者 伐於強 責於弱
故反天道也
下 土也而謂之地
上 気也而謂之天
道亦其字也 請問其名
以道従事者必㤞其名
故事成而身長
聖人之従事也亦㤞其名
故功成而身不傷
天地名字並並
故化其方不思相輔也
是故天不足於西北 其下 高以強
地不足於東南 其上 低以弱
不足於上者 有余於下
不足於下者 有余於上■

まあ、だいたいこんなところです。意外と見てパッと分かる部分のほうが多いだろうと思います。要するに、漢文(これは楚文ですが)対句関係がわかるように改行して、書き直せば、案外簡単なのですよ。しかも、日本人は幸運にも漢字に抵抗感がないので、西洋人より楚簡解読に関して、遥かに有利です。

太一生水』は、伝世しておらず、後年の写本等と照合ができません。欠けている部分を確度高く復元するのは、相当難しいです。復元案は色々出されているが、どれも当たっていない可能性のほうが高いと思われます。

2024/02/14 20:33
杜胡三蔵

2024/01/14 20:29 とりあえず公開版
2024/02/07 20:15 改訂試み版
2024/02/09 22:19 小訂正版
2024/02/14 20:33 復元並びに釈文案

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