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さすらうの雑記#5 少年死刑判決事件記録あれこれ

令和6年2月2日に遠藤裕喜(犯行時19歳)の死刑が確定した。特定少年として初の確定となる。
ネット上では「戦後何人目だ」とか「最年少は誰々だ」とか少年死刑囚に関する話題が飛び交っていたが、最近フォロワーさんも増えてきたのでこれらの記録をまとめて簡単に記した(一次情報あり)

年齢

【犯行時最年少】
17歳4ヶ月 鬼頭正一(刑集37)※旧少年法
18歳30日 大月孝行(中国08.4.22夕)※現少年法
18歳8日 K山.H哉(刑資203)※現少年法(二審無期)
他に旧少年法下で犯行時16~17歳で死刑判決を下された可能性のある者が複数名いるが正確な年齢は不明
【犯行時最年長】
20歳の9日前 水尻隆幸(釧路63.11.16)
【確定時最年少】
18歳1ヶ月 鬼頭正一(刑集37)※旧少年法
19歳10ヶ月 安斎金蔵(集刑54)※現少年法
【確定時最年長】
40歳 永山則夫(朝日90.5.10)
【執行時最年少】
20歳 文山将吉郎(GHQ文書)※旧刑訴法
21歳 坂本登(天国への凱旋門)※現刑訴法
【執行時最年長】
48歳 永山則夫(読売97.8.2)
尚、昭和に確定した少年死刑囚は冤罪事件を除けば全員が20代で執行と思われる。

被害者人数

【死者5名】
杉山優(神静民報49.9.16)※確定後に恩赦で無期
A井、M本(静岡47.4.26)※A井二審無期、M本公訴棄却
※4人殺害は複数いる
【死者1名】
確定少年死刑囚では戦後12人が死者1名で死刑が確定しているが黒岩恒雄の確定(読売77.12.20夕)以来46年以上死者1名での少年死刑囚は出ていない

期間

【確定から執行まで最短】
3ヶ月 文山将吉郎(GHQ文書)※旧刑訴法
10ヶ月 遠藤進(GHQ文書)※現刑訴法
4ヶ月 田村勝則(GHQ文書) ※米軍の軍事法廷で確定
【確定から執行まで最長】
16年 関光彦(読売01.12.22、朝日17.12.19夕)
【事件日から逮捕まで最長】
約5ヶ月 笹沼充男(朝日67.6.14)
【逮捕から確定まで最長】
21年 永山則夫(読売90.4.17夕)
【逮捕から死刑判決まで最短】
1ヶ月 山田作一(北海道48.4.6、5.12)※旧刑訴法

確定審級に関して

少年死刑囚としては遠藤裕喜が現行の刑訴法では初の一審確定(控訴取下げ)だが上訴の取下げも1971年の松本二三男(刑集37/上告取下げ)以来53年ぶりとなる。旧刑訴法では文山将吉郎が逮捕から確定まで4ヶ月なので一審確定の可能性が高い。
恩赦目当ての上告取下げや旧刑訴法下での上告せずに確定のケースは複数ある。

複数の少年に死刑判決

戦後犯罪で同一事件で複数の少年に死刑判決が下されたケースは5例あるが4例が二審で無期懲役に減刑されそのまま確定している。死刑確定は三府県連続リンチ殺害事件のみとなっている。

以上、よく話題で出そうな項目を簡単にまとめた。
間違いがあればこっそりと教えていただけたら修正します。











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