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【死刑求刑】少年による警察官襲撃!!!

警察官が被害に遭う事件は少なくない

この記事を書いている2024年5月の時点では島津慧大の差し戻し審の日程は決まっていない。
2018年に富山の交番を襲撃し警察官二名を殺害し拳銃を奪った事件。
裁判員裁判の一審の無期懲役判決(求刑死刑)が検察控訴の二審で破棄され差し戻しの判決。今度は被告が上告し2024年3月に棄却された。
現在収監中の確定死刑囚では中村橋派出所を襲撃し警官二名を殺害した柴嵜正一がいるが精神状態が悪いという(漂泊旦那様サイト)どちらも拳銃を奪う事が目的だ。
少年事件でも片桐操平徹雄やガンマニア16歳T石の事件は当noteですでに記事にしているが今回はその他に昭和20年代に発生した少年による警察官襲撃事件を記事にした。

広島西署警ら中巡査殺害のI.O(18)

昭和26年4月18日未明の広島県にてパトロール中の広島西署神崎派出所の渡辺巡査が舟入幸町付近で刃物で滅多刺しにされて絶命しているのを騒ぎを聞いて駆けつけた付近の住人に発見された。
近くの舟入本町にて不審者を見かけたとの一報で追撃中の出来事だった。
捜査本部が設けられ朝には血のついた包帯と18日の日付の新聞が発見されたが犯人の足取りは不明。
19日には近くの工場で砂糖が盗まれているのが判明し、血痕のついた砂糖袋も発見された。
聞き込み捜査でこの砂糖を売っていた少年がいると判明し20日午後4時半頃にI.O(18)が逮捕され同日夜9時過ぎに犯行を全て自供し事件は解決。
逃走中に自殺を試みたが死にきれずに自宅に戻った所を身柄を確保された。
盗んだ砂糖を持っている所を渡辺巡査に見つかり抵抗した所、銃を向けられたために持っていた刃物で三十数か所を刺し殺害。
刃物は川に捨て血のついたワイシャツを洗い、奪った短銃はI.Oの自宅の床下から発見された。
砂糖を盗んだ工場はI.Oの職場だった。 
昭和27年5月2日広島地裁
I.Oに無期懲役の判決が言い渡された(求刑死刑)
※同日同地裁で無期懲役の判決が言い渡された成人の被告の被害者1名強盗殺人事件は求刑無期
死刑を回避した理由はI.Oの家庭環境と思われる。
I.Oは5人家族で食事もままならない程の赤貧に苦しみ母親は栄養失調で寝たきり状態で砂糖を売った代金を母親に渡していた。
その母は「何とお詫びして…」と記者に泣きながら答えていた…
【中国51.4.19~22】【朝日広島52.5.3】

神戸灘署巡査強殺のN.Y(19)とF.S(19)

昭和27年3月7日未明、神戸市灘区の王子公園北側で前日の22時に警らに出てから連絡がつかない橋口巡査が頭部を滅多打ちにされて血まみれで死んでいるのを戻らない事を不審に思い付近を探していた同僚の山田巡査が発見。
警察手帳や手錠、ピストルが奪われていて市内全域に非常線を張ると共に特捜本部が設置された。
現場は青谷墓地が隣接する人も少ない場所で市内の空き巣などが盗品を隠す場所になっている事から警らの際は必ず検分する場所となっていた。
捜査を進め付近からは犯人が落としたと見られる質札が見つかり記されていた名前と住所を手がかりに事件から6時間後にあっさりと犯人の身柄は確保された。
逮捕されたのは二人の少年でN.YとF.Sで共に19歳。二人は会社の同僚だったがN.Yは事件の前日に素行不良で解雇されていた。
逮捕のきっかけとなった質札は二人が空気銃を質に入れた際の札で「もし本物のピストルを持ってきたら預かれるか?」などと店主に聞いていたことも判明(当然そんなものは預かれないと店主は断ったが)
二人は何故こんな事件を起こしたのか?
F.Sは父が戦死し、夜間学校に通いながら働き、家は貧しかったがN.Yと出会い意気投合。
N.Yは小中では成績優秀で副級長まで担当し学校からの紹介で入社した三井倉庫でも初めは上役からの受けもよかったが、最近父が失職し自身も不良仲間と付き合うようになり解雇されために家は母親の僅かな稼ぎだけを生活費にし貧しく、高利貸しからの借金もあった。そのため遊ぶための小遣いに困り、京都であったギャングの銀行襲撃事件に影響され「ピストルさえ手に入れば大金を手にできる」とF.Sと10日前から事件を計画していた。
王子公園は警らの際に必ず寄る場所と下調べし、事件の2日前にも待ち伏せをしていたが橋口巡査に職質されその日は諦め、翌日も待ち伏せしてた所を橋口巡査に見つかりN.Yがピストルを向けられ、巡査が一瞬F.Sの方に向いた隙にN.Yが背後から襲いかかり巡査がひるんだため二人でこん棒やツルハシの柄で頭部を滅多打ちにして殺害し逃走。
血の付いたシャツを洗いN.Yの家に何食わぬ顔で帰り二人共眠り込んだ所を朝の7時に駆けつけた警察官によって身柄を押さえられた。家の中を調べた結果押入れから奪ったピストルなどが見つかったために逮捕された。
署に送られた二人は取調べ中も興奮状態で「言葉にいえないから紙に書かせてほしい」と震える所も見せたが、近しい人の話しでは「N.Yは無口で内向的な部分がありF.Sは上役に叱られると泣く面もあり、まさかあの二人が…と未だに信じられない」と驚いた様子だった。
同年7月14日神戸地裁 無期懲役判決(求刑死刑)
丸刈りで出廷した二人は歯を食いしばり頭を下げ判決理由を聞いていた。
「ピストルさえ手に入れば、金さえあれば自由になれる」
こんな短絡的な動機も未成年故に精神が未熟だからなのか…
【神戸52.3.7〜8】【神戸52.7.14夕】

最後にもう一例紹介したい。
栃木県の烏山で発生した未成年含む4人の男が警察官を襲撃した烏山2警官襲撃事件だがこちらは死者が0人なのに死刑が求刑された特異な例となる。
この事件はお世話になっている『折原臨也リサーチエージェンシー』様のサイトにて無料公開されているのでリンク先を参照されたし。


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