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人材・情報商材系の勝ちLPを深掘りする | デザイナー専用Webマーケ解説Vol.004

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このnoteは、Webデザイナーさん専用のWebマーケティング解説マガジンです。

書き手は元Web広告代理店のクリエイティブ責任者。今までデザイナーの皆さんに渡ることのなかった「代理店目線の考え方」も交えながら構成しています。
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noteをご覧いただきありがとうございます。
みなさんこんにちは、サトウです!

Webデザイナーさんに、日々情報をお届けしたいなと思いこのようなマガジンを立ち上げました。
最近のアドやLPの傾向、マーケティング用語の解説や、その他デザイナーさんが気になっていそうなことを色々お話できればと思っています。

週に1本(調子が良いときは週に2本)必ず更新していきたいと思います。よろしくお願い致します!

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/ 2023年12月31日発行(大晦日です、良いお年を!) /

■目次
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…1. 最近のアドやLPの傾向
…2. 今週の"よく聞くマーケティング用語解説”
…3. 近況、そして体験会やスクールの裏側
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…1. 最近のアドやLPの傾向


最近目にしたアドやLPの中で、気になったものをピックアップして解説。
デザインというよりは、その構成や裏側っぽい話を自分なりの視点でお届けします。

▼今回は人材系・情報商材系のLPです(配信媒体はMeta)
どれも、配信ボリュームが非常に大きく、たくさん表示されているLPになります。

勝ち事例としてピックアップしたLPがこちら。

①「BOX」スタートアップ専門転職エージェント
https://box-hr.co.jp/lp/v1/

②「デジハリ」Webクリエイタースクール
https://liginc.co.jp/studioueno

③「TechTrain」エンジニア支援スクール
https://lp.techtrain.dev/campaign/001

見ていて最初に思ったのは、「同じキャリア支援系とは言え、全然LPの構成違うなあ」ということ。
構成を少しまとめておくと、以下のような感じです。

①BOX スタートアップ専門転職エージェント
・理想訴求(Keep Challenging等)
・オファー(完全無料)
・ターゲット指定(25〜35歳の方限定)
・特徴(スタートアップ専門転職エージェント)

②デジハリ Webクリエイタースクール
・強み(未経験からクリエイターへ)
・実績(9万人以上が受講)
・オファー(5400円)
・実績(転職/副業多数)
・強み(通学/オンライン自由に学べる)

③TechTrain エンジニア支援スクール
・強み(Coding Stoic)
・実績(書類通過率/内定者輩出)
・実績(ZoZo等の企業実績紹介)

こう見ると、やはり結構な違いがありますね。

前提として大事なポイントをお伝えしておきたいのですが、もし皆さんが「人材系の商材」のLP制作を依頼された場合、ふわっと「人材系のLP」を参考にするだけでは精度が下がりそうだということ。
上述のように、人材系の中でもどのジャンルかによって、勝ち構成が大きく異なる可能性があるからです。
もし依頼されたのがエンジニア系のサービスであれば、「エンジニア支援サービスのLPの勝ちパターンを探ろう」みたいな感じで、ちゃんと的を絞ってあげないと、正しい参考にはならなさそうだということです。
なのでもし皆さんが人材/インフォ系のLPを作られる場合は、「なるべくその商材と同じジャンル」のサービス群のLPを見ていくことが大事になってきそうです。

で、ここからが本題なのですが、そもそもなぜ、上記の①〜③のように、LPの構成に大きく違いが出てくるのでしょうか。
その理由は、「市場の状態が違うから」です。

もう少し正確にいうと、「市場の混み具合」が違うから、とも言えます。
競合商材がめちゃくちゃたくさんいるかどうか、という観点ですね。

どういうことかというと、一例として、「スタートアップ 転職」「デザイナー 転職」「エンジニア 転職」というキーワードそれぞれをGoogleトレンドで比較すると、以下のようにはっきりと検索ボリュームにバラつきがあることが分かります。

要はそれだけ、ユーザーの需要&市場の盛り上がり具合において、大きなバラつきがあることが分かります。

つまり、市場の混み具合でいうと、

「①スタートアップ希望者向けのキャリア支援<<<②デザイナー向けのキャリア支援<<<③エンジニア向けのキャリア支援」

という感じになります。「①スタートアップ希望者向け」は、競合も少なく争いも少なくて、それに比べて「②デザイナー向けのキャリア支援」の方が、競合も多く争いも激しいことが想像できます。

そしてこれが、そのままLPの構成やキャッチコピーにも現れています。

例えば、デジハリのような「②デザイナー向けのキャリア支援」サービスの場合。

仮にLPの中で、単に「我らはデザイナーになりたい人向けのスクールやで」と伝えるだけでは、有象無象にいる他の競合サービスと比べて弱く見えてしまい、誰も申込みしなさそうですよね。
なので、デジハリを見ていただくと分かりますが、実績系の訴求もうまく織り交ぜながらFVを作り込むことで、「他の競合サービスとは違うんだぞ!」ということをはっきりと印象づけようとしていることが分かります。

一方、「①スタートアップ希望者向けのキャリア支援」の場合を考えてみましょう。

そもそも競合のサービスがそんなに多くなく、マイナーな市場っぽいので、「競合に比べて優れているポイント」を打ち出すことは重要ではなく、むしろ、「スタートアップ希望者支援をしてるこんなサービスがあるんやで」と、はっきりと自己紹介をしてあげることの方が重要そうですよね。
なので、「Box」を見ていただくとわかる通り、FVの中に、「25〜35歳の方限定」「スタートアップ専門転職エージェント」が入ってくる構図になっています。

つまりまとめると、「LPの構成やコピーワークは、市場の状態で決まりがち」ということです。
逆にいうと競合に目を向けて、ライバルサービスのことを意識すると、自然と構成やコピーワークに落ちてくる、みたいな感じです。

上述を例に考えると、もし皆さんが、エンジニア系やデザイン系のキャリア支援サービスのLPを作る場合は、そのサービスの利用者数や実績、満足度、リピート率等、競合サービスとの差を印象づけるための訴求をLP上部には並べるべきであり、逆に、競合がまだあまりいなさそうなサービス、例えばAI関連の知識を教えてくれるスクールだとかの場合は、実績や満足度等よりも、「AIの最先端を教えてくれるスクール」みたいな感じで、自己紹介みたいなフレーズをきちんと置いてあげることが大事になったりする、という感じです。

例えば僕たちも、デザイナーさん向けに広告運用や分析のことを学んでいただくスクールを準備中ですが、まだまだ競合が少ないニッチなサービスなので、「デザイナーに広告運用力や分析力を」みたいな感じで、ストレートに自己紹介してあげることがLPトップにおいては大事かなと思っています。

なので、もしLPやバナーの構成やライティングに迷うことがあったら、まずは、競合のことを考えてみてあげることが重要です。

今後どこかのnoteでも語ろうと思いますが、Webマーケティング/Web広告の場合、一般的なマーケティング理論は基本的に不要で、競合のことから考え始めるだけで、色々ライティングやクリエイティブの精度も上がっていきます。なので、「まずは競合のことを見つめてみる」を意識していただけると良いかなと思います。

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…2. 今週の"よく聞くマーケティング用語解説”

「なんか聞いたことあるけど、いまいち理解しきれない」
そんなワードを、デザイナーさん向けに解説するコーナーです。

本日のお題は、「競合」について。

たぶん全員聞いたことがあると思います。「自社と似た特徴を持ち、同じ顧客層を狙っているライバル」のことを指す言葉ですね。

前半の話の中でも登場した通り、競合を掴むというのはものすごく大事なのですが、実はこれがめちゃくちゃ奥が深くて、ここをうまく分析できるようになると、お仕事の精度もどんどん上がりますという共有です。

ただ、競合を定めるのって意外と難しい。

例えば。

・チョコザップはライザップの競合でしょうか。
・ネットフリックスはTSUTAYAの競合でしょうか。

おそらく、「競合だ!」と思う方もいらっしゃると思うし、「競合じゃなさそうだぞ?」と思う方もいらっしゃると思います。

つまり、「競合」を明確に定めるのって、それだけめちゃくちゃ難しい、というお話です。

でも、競合をなるべく的確にピックアップして、そこを自社と比較することができれば、それだけでめちゃくちゃ精度上がりそうですよね。

今回はそのコツについてお伝えします。

■超重要:商材特徴のまとめ方
いきなり結論というか、大事なことをお伝えしますが、商品やサービスの特徴は、大きく以下に分かれることが多いです。

①料金
②商品特徴
 ┗得られる効果効能や機能
 ┗得られる利便性(ネトフリであれば自宅でそのまま見れる等、手間に関する利便性のこと)
③上記の特徴を強める要素
 ┗実績(売上や利用者数等)
 ┗ブランドの有名度
 ┗タレントやインフルエンサーなど起用
 ┗掲載実績(雑誌掲載、メディア掲載等)
 ┗ユーザーボイス etc...

で、このうち、①と②が被っていればいるほど、競合とみなすことができると思います。

ライザップとチョコザップを例に見ていきましょう。

このふたつはどちらもジムではあるものの、その距離は、どこか遠いような気もします。

というのも。

このように中身をのぞいていくと、色々違いがありますよね。一言でいうとガチ度が全然違います。

一方、ライザップで言えば、例えばゴールドジムや、もしくは最近流行りのマンツーマン型のトレーニングスクールの方が共通点は多そうです。どちらも料金も数十万円で、きっちり痩せるためのトレーニングをマンツーマンで組むような形式をとっており、ライザップに近しい特徴が多いと思います。

そう考えると、当たり前ですがライザップの広告を考えるときはチョコザップを意識する必要はほぼなく、むしろゴールドジムよりもどれだけ魅力的に魅せるか、を重視すべきだということがわかります。

なので、ライザップに興味を持ちそうなターゲットと、チョコザップに興味を持ちそうなターゲットは全く異なり、それぞれへのセールストークも、広告における打ち出し方も大きく変わるかと思います。

このように、競合を的確に掴んでおくと、打ち出すべき強みや、それに反応しそうなユーザーの姿もわりと見えてきたりします。

なので改めてになりますが、大事なのは競合を的確に掴むこと。そして的確に掴むために、以下に沿って商材特徴を整理してあげること。

①料金
②商品特徴
 ┗得られる効果効能や機能
 ┗得られる利便性(ネトフリであれば自宅でそのまま見れる等、手間に関する利便性のこと)
③上記の特徴を強める要素
 ┗実績(売上や利用者数等)
 ┗ブランドの有名度
 ┗タレントやインフルエンサーなど起用
 ┗掲載実績(雑誌掲載、メディア掲載等)
 ┗ユーザーボイス etc...

この整理だけであれば、1時間以内に3商材ぐらいはできることもあるので、それだけでわりと競合のことを的確に掴めたりします。
このあたりを通して、LPやバナー制作にきちんと活かしていってみていただけると、きっと色々精度が上がっていくのでおすすめです。


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…3. 近況、そして体験会やスクールの裏側


年末ですね。というか、このnoteを書いているのは大晦日ですが、とにもかくにも、色々なデザイナーさんたちと今年は出会うことができ、とてもありがたい1年でした。

皆さんとの会話を通して、業界に対して思うことや、自分なりにこうしたいという思いがどんどん強くなり、スクールの詳細を考えていくのも楽しくなってきました。

と同時に、広告業界は代理店に情報が偏りすぎているなと反省することも多く、それらを独占している限り業界構造も変化しないので、できる限りそのあたりをデザイナーさんにも共有しつつ、ともに案件に挑戦し合えるような、そんな場所を作れたらと思います。

というわけで、本年は本当にありがとうございました。
来年もどうぞ引き続き、よろしくお願い致します!

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マガジンへのご意見、ご要望、質問なども募集しています。
頂いた質問は、毎週noteで回答します。もし何か答えてほしいこと等ありましたら、

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まで、どしどしご連絡ください。

※全ての質問に必ずしも答えられるわけではありませんので事前にご了承ください。
※ご質問を頂いた週のメルマガではなく、翌週以降のnoteでお答えする場合も多くございます。

本日のコンテンツは以上です!
まもなく年末ですね。というよりもう冬休み気分なので、気が進まない仕事は年末年始に持ち逃げしてしまいそうになります。後少しだけともに頑張りましょう。

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