見出し画像

23歳でリアル店舗を持った理由

ネットで全世界がつながる今、なぜリアル店舗を持ったのか__。
23歳の私が感じた心の内を話そうと思う。

大学生の頃、私はネット販売の世界にどっぷりとハマっていた。
というのも、「ココナラ」というスキル販売のネットサイトで、「似顔絵」を販売し、お金を稼いでいたからだ。

「似顔絵の販売」は、自分の商品として、(たぶん)はじめて世間の人に受け入れられた商品であり、自分の商品が世界中の人に買われることが嬉しかった。
1人3,000円。それがポンポン売れていた。

ネット販売には、多くの利点がある為、売りやすかったのだ。

・サイトを見る人数が多い
・リアルな場所ではない為、売れなくても大きなリスクがない
など

約2年間続けていたが、だんだんと私は自分の心の変化に気づき始めていた。
それが、リアル店舗をつくる最初のきっかけだったと思う。

__楽しくない。似顔絵を描いていても全然楽しくないのだ。
要望通りに絵を描き、それが何に使われたのか、反応はどうだったのか、何も分らないまま、また別の人を描く。一度お客さんと繋がっても、また依頼がなければ二度と繋がらない。
ただ、お金を稼ぐ為だけの手段になっていたのだ。

楽しいときって_____。
そう考えたとき思い浮かぶのは、地元の友達との何気ない時間だった。
夜中になんとなく集まって、TUTAYAに行きDVDを借りて家でゴロゴロしながら観た時間。みんなでコンビニに寄って、その辺の公園でぐだりながらアイスを頬張った時間。気の合う友達とのそんな時間が私は好きだった。素直にこの瞬間が、私にとって楽しいって思える時間だったと思う。

社会人1年目の4月から、そんな地元を離れ一人暮らしを始めている。相変わらず似顔絵のネット販売は続けていたけれど、そんな友達との時間は急激に減ってしまった。

今現在、学生時代ネット販売で稼いだお金やお客さんとの関わりは残っていない。けれど地元の友達との思い出や感情は残っている。

いつまでも残るものは、物ではなく「深さ」や「情緒」なのだと思った。

それらが足りなくなり、補いたくなったから、似顔絵の「ネット販売」ではなく、「リアル店舗」を始めた。

リアル店舗を初めて約1カ月が経ち、
今の私には、日々、理由なんてない感動がある。

「よっ!がんばっとるかあ?」なんて言って、ふらりと様子を見に来てくれるお客さんがいる。
初対面で、「そんなビジネス聞いたことねえ!!お前おかしいよ」と言っていた人が、何故か色んな人をお店に連れてきて、勝手にこの店のシステムを完璧に説明したのち「つまり、この子は頑張ってるってことだ!お前も一緒に応援するぞ!」と巻き込んでくれていた。
はたまた、「ちょ、夜暇だから人狼しよ」ってまちに呼びかけたら、バッと40人くらいの方が手を挙げてくれた。

同じ、似顔絵を描くビジネスをしている「ネット販売」時代と「リアル店舗」を持った今、どっちが素直に嬉しいのか、答えは明白だった。

私たちは、如何様にも生きることができる。

私は、リアル店舗だからこそ感じられる、人との「深さ」や「情緒」が欲しいと思った。

23歳。まだまだ何も分らないけれど、自分の心に素直に生きていくことが、徐々に人々の心を動かし、結果、経済が回っていくこともあるのではないかと、仮説を立てている。

おわり。

欲望PLAZA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?