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元祖いちごちゃんさんの狂気と哀愁を浴びれた日

元祖いちごちゃんさんの単独ライブ「バチェラーナイト2022」を見学させていただきました。

Twitterの感想だけではとても無理な見応えだらけの時間だったのでnote書きます。


配信がないようで、バレ気にせず書いちゃっていいとご本人たちから許可をいただいたので見た衝撃をそのまま書きます。


お客さんの会場入り時間BGMが「CAN YOU CELEBRATE」とか「青春の影」とかの結婚ソングで、ライブタイトルからしても、もしかしてこれはペロちゃんさんがご結婚されるのかもしれないという、そわそわした気持ちでライブが始まりました。

単独のフライヤー???


1本目のコントも結婚にまつわる設定。
元祖いちごちゃんさんのネタは植村さん板付で後々ペロちゃんさん登場パターンが常で
いつ登場するのかわくわくしながら見るのですが1発目の登場はこわい位置からペロちゃんさんの顔がにゅっと出てきました。
いつもの白シャツデニムウエストポーチスタイルでなく白スーツという正装なのがまた不穏で
ぐーーーっと惹きつけられた後に、すとんと、なんてことないといった感じで放たれる言葉の一つ一つが狂っていました。


オープニング映像のカルロストシキの「君は1000%」にのせてペロちゃんさんの口内を見る時間も不穏でした。
その時に本日の演目一覧も流れたのですが1本目のコントタイトル「変態」2本目「変態」3本目「変態」4本目「変態」ということで

もうどれがどの変態だったのか思い出せないので衝撃度の強かった順に抜粋して羅列します。


特に好きだったコント「食用ハイパーぺロちゃんの逃避劇」
元いちさんのキャッチフレーズ「狂気と哀愁のコント」がまさしくという感じで、脱走実験体とそれに出会った人たちの悲劇。
野良仔犬のように草陰で「ハイパーハイパー」と鳴いて震える食用ペロちゃんを貧乏少年が保護する場面が好きでした。
BGMの森田童子「ぼくたちの失敗」も相まって惹きつけられて前のめりで見てしまいました。

誰かの感想を書く時に別の誰かのもので例えるのもどうかとは思うんですが
松尾スズキさんの日本総合悲劇協会シリーズを初めて見たときとか、諸星大二朗、宮崎夏次系の漫画を読んだ時とか
哀愁と狂気と不条理と可愛さと不気味さと滑稽さとなんかもう色んなものがごっちゃになったものを見れた時のぞわぞわ感がありました。

あとは好きな人のリコーダーをこっそり吹くという、コントとしては割と王道な設定も
開始数秒で「は????????」という台詞が出てきて
一気に元祖いちごちゃんさんの世界になったのが凄かったです。


お二人のあの独特の間と釘付けになってしまうあのムードは生で見る機会がある方にはぜひ体感してほしいです。

「ジブリパーク」「ゾンビ」「動物との触れ合い(漫才)」というポップな設定のネタももれなく悲劇でした。

元祖いちごちゃんさんのネタはボケとツッコミではなく、遭遇者と受難だと思って見ています。 

幕間映像がなく、ゲストの方の漫才が見れるというのも珍しい形で
元祖いちごちゃんさんの単独なのに猫背うなぎさん、TCクラクションさん、バベコンブさんの漫才が見れるというのもだいぶ贅沢でした。全時間面白いって凄い。

で、さらに珍しいのが単独の最後が丸々企画タイムで終わるという型で私はこの型、初めて見ました。

企画はペロちゃんさんがマッチングアプリに登録し本気で恋人を探そうというもので
その様子をまとめた映像を見てゲストの方がストップをかけ、つっこんでいくというものなんですが
こういう時のストップアイテムって相席食堂の「ちょっと待て」ボタンとか早押しクイズのピンポンボタンが妥当だと思うんですが
ゲストの皆さんにはなぜが自転車のチリンチリンベルが配布され、混雑道路状態になってました。

開始14秒で一斉ツッコミチリンチリンが鳴る


封筒に18種類のマッチングアプリ名を入れてその中から引いたものに登録することになり
ペロちゃんさんが大手「pairs(ペアーズ)」を引いたんですが
植村さんが「パイルズです!パイルズに登録します!」とシンプルに読み間違えて
聞いたこともないアプリに課金するの?とミス動揺が発生していたのが面白かったです。


植村さんが元しまむらのファッションモデルということでペロちゃんさんに合うコーディネートを決め(ゲストさんからの評は「デュエリスト」)しっかり写真も撮って登録完了。

そこからはとんとん拍子にマッチしてデートしてと展開していくんですが
その日々の報告をしてくれるペロちゃんさんのお家自撮り動画がずっとなんだか物哀しくて最高でした。

「バイトでドーベルマンに吠えられて和尚に怒られたので疲れています」など言っていて
今後お会いした時にお疲れの様子があったら暖かいお茶とか用意せねばと思いました。


結果的にはペアになれずという結末で
その報告の時にペロちゃんさんが一人部屋で泣いていて、本当は恋の相談者曇天さんに相談したくて仕方なかったそうなんですが
企画の趣旨的にそれもできなくて一人部屋で泣いているという図がますます暖かいお茶とか用意せねばという気持ちになりました。

曇天さんが「もう相談しろよ!」とチリンチリンを鳴らしていて、「そうですよ!」と私もエアチリンチリンを鳴らしました。

そんな気持ちになった直後に今回の単独の中で一番笑った場面がくるんですが
これはもう文章では伝えきれないです。

失恋の涙の後の切り替えの瞬間スピードが変でした。すごく変でした。

何かの弁明をしてるペロちゃんさん


最後の最後は宴会のような一本締めを会場みんなでぽんと叩いてすっきり終演。


元いちさんのネタはライブでご一緒した際はいつも袖からこっそり見ているのですが今回は客席から見る機会をもらえて嬉しかったです。

来月の事務所ライブも袖から見学できるようにネタ見せ頑張ろうと思います。

ドーベルマンに吠えられるバイトってなんなのかも聞いてみます。

さとなかほがらかの生活の糧になっている 「さとなかほがらかて」になったと思ってください