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【着物コラム】Weiboを始めて感じた中国と日本のファッション事情


実は、昨年12月から「中国版Twitter」のWeiboを始めてみました。

私は外国語がてんでダメです。
でも今は翻訳ソフトという文明の利器もあるし、
文字でのやり取りはリアルでの会話と違って、考える時間が取れる。

そして中国のフォロワーさんは、
私が日本人だろうとガンガン中国語で話しかけてくれます。笑
中国は人が多い=色んなヤツがいて当たり前
なんですよね。

おかげで私は数々の学びを得たのですが、
今日はその中で私の服装=和服を通して学んだことについて書いてみようと思います。



「日本の女の子はお洒落ができて羨ましい」


Weiboを始めてしばらく経った頃、とある女の子に
「日本の女の子はお洒落ができて羨ましい」
というコメントを貰いました。
「え?お洒落したきゃすればええやん」
と咄嗟に私は思ったのですが、その女の子はこう続けました。

「私はロリータファッションが好き。でも周りが着るのを許してくれない」
「こっそり購入して家の中で着ている」

おや?
これは「単にシャイ」だけではない大きな理由があるはず。
情報統制国家から漏れるリアルな女の子の声を、
もしかしたら私は一番訊ける立場なのではないか?
そう思ってしばらく話を聞いてみました。


「変わった服」に寛容な日本社会


まず感じたのは、日本は「変わった服」に比較的寛容であるということ。
中国では「変わった服」で出歩くと危険な目に遭うこともある、
とフォロワーさんがこっそり教えてくれました。

女の子の「変わった服」での一人歩きはやめときなはれ、
着物で外出もちょっと気をつけないとダメだよ、との事でした。
日本ではちょっと考えられない事ですよね。

確かに住宅の少ない地域等では
「ご近所の目が…」くらいの理由は聞きますけど、
「身に危険が及ぶ」なんてレベルでは全然ありません。
なんだかんだ、やっぱり日本は治安がいいんだなぁ…と実感しました。

治安が良い=変わった服に寛容
はちょっと暴論ですが、
確実に関連性はあるな、と一連のやりとりを通して感じました。



GDP世界2位の中国と日本の、女の子の事情


中国は人口が多い=何事も競争が激しい。
つまり受験戦争もヤバい
という話は知っている人も多いかもしれません。
10代~ハタチの女の子は基本的に「お洒落ができない」とよく言います。

「できない」と言うよりは
「する時間がない」の方が正しいのかもしれません。
でも関心はかなり強いようで、Weiboはメイク動画がとても多いです。
かたや、日本はお洒落な高校生の女の子のがとても増えたなぁ、と私は思います。

三十路を超えた私が10代だった頃は、
同級生と雑誌の回し読みをしたり、姉のメイクを真似したり、
情報源がそのくらいでした。笑
動画サイトやSNSで気軽に情報が手に入るのって凄いですよね。
でも、実践する時間がないのは大変残酷です。

ちなみに中国では「制服」という文化も、あまり無いようです。

服装が「どんな人間か」の判断材料になるか

また、中国の女の子からは
「通行人の目が気になる」というコメントをちょくちょく貰います。
これは私の個人的な意見なのですが、
日本は比較的、持ち物で社会的ポジションや「どんな人間か」をジャッジされにくいのだと思います。

中国は漢民族を含めて56の民族で成り立っています。
日本は単一民族、そして島国ですよね。
「色々な人間がいる」中国では、他人を見る目の大前提が全く違います。
日本は「日本で生まれた」段階で日本人ですが、
それは決して当たり前の事ではないのです。



「民族衣装がない」中国と「民族衣装が衰退している」日本


私がWeiboで着物の投稿をし、しばらくすると
「民族装束ガチ勢」が現れました。笑
彼らはどうも和服に触発されて漢服の話をよくしていたのですが、
中国では民族衣装を人生の節目等に着る風習があまりないようでした。

ちなみに、
日本で「中国の服」として認識されているチャイナドレスは
中国最後の統一王朝、清を建国した満州民族の衣装です。
中国で一番人口の多い漢民族の民族衣装は「漢服」です。

しばらくして歴史の再学習を始めたのですが、
「そりゃ民族衣装なんて残らないよね!」
と勝手に納得しちゃいました。
中国は壮絶な戦争・革命を繰り返すうちに、
文化・風習を「封建時代の因習」として捨て去っていったのです。

その結果生産方法もきちんと伝わっておらず、
着こなし等についての教育もされていたなかった。
というのが実情のようです。

上記の「ガチ勢」の皆さんは私の着物を見てその話をしていたんですね。
「歴史的観点で、中国は日本の親分みたいなものですよ」
と伝えたことがあったのですが
「でも、中国には歴史はあるけど、伝統がない」
という返信を貰ったことがあります。

また、前述の通り、中国には多くの民族が住んでいます。
一つの民族衣装を尊重できる日本とは、社会的背景が全く違います。


単一民族ゆえに育成された独特のファッション観


日本人の若い女性は基本的に「何を着ても自由」です。
しかしその「自由」は、私達が思うほど当たり前ではありません。

私の好きな「着物」が今まで残っていたのも、
こういった歴史的・社会的背景が深く関わっていたんだ、
という事を、私はWeiboを通して学びました。

ファッションは自由であるべき、と今まで強く思ってきました。
でも、国が変われば正義も変わります。
自分の自由を隣人に押し付けることだけはしてはいけない
と思いながらWeiboを更新しています。

でも、隣の可愛い女の子が、
いつか本当に自由に着飾って、誰かに嘲笑もされず、身に危険が及ばず、
笑顔で出歩ける日が来ることを、私はついつい願ってしまいます。



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さと*着物コーディネーター

大正浪漫とメリケンサック。着物コーディネーターさとです。 noteでは着物に関するコラムやレクチャー記事を書いています。

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