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【初めて着物のすゝめ】古着の着物の選び方

こんにちは。
着物コーディネーターのさとです。

8月も終わったら少しは秋らしくなるのかしら…
まだちょっと暑くて着物日和とは言い難いですが、私はそろそろ浴衣をしまって、衣替えに取り掛かっています!
(なかなか完了しません。笑)

さて、昨日たまたまTwitterを見ていたら
『お友達に古着の着物を勧めたいので、
買うときに気を付けた方が良いことが知りたい!』
という内容のツイートが流れてきました。

私が古着を買い始めた頃はまだこんなにSNS等が発達していなくて
たくさん買ってたくさん失敗したので、笑
触発されてまとめてみようかなぁと思います。
あくまで個人の経験です!

1.サイズについて

着物がショワショワですみません…汗

1から着物を仕立てるときはもっと色々サイズを測るのですが、
古着の場合は大体ざっくりこの三箇所が分かると良いと思います。

裄と身丈は気にされる方も多いのですが、
身幅も足りないとめちゃくちゃ着崩れやすいので、可能なら気にすると良いと思います◎

試着したときに、体のサイドに縫い目が来ない、前側に来てしまうものは、身幅が足りないのが目視ですぐに分かってしまいます。
私の主観ですが、裄や身丈は結構誤魔化せるのですが、身幅は誤魔化しにくいです。

とはいえ古着は基本的に小さいので、
サイズに拘れば拘るほど価格帯もアップして選択肢も少なくなります。

ご参考までに身長160センチの私の基準は
裄:65cmあったらハッピー
(ほとんどないです 笑)
身丈:150cmあったら余裕
(おはしょりは気合で解決)

個人個人の体型にもよりますね。
このへんは実物が手に取れるなら、
羽織りながら決めるのが良いと思います◎

※慣れてくると着こなしや着付けでなんとかなっちゃうのですが、
今回は初めて古着の着物を手に取る方向けなので、ひとまず割愛させて頂きますね。
また着こなしについては別の機会にご紹介したいなと思います♪

2.生地弱りについて

可愛い着物ってたくさん着たくなりますよね。
もちろん、古着は過去に持ち主がいたものなので、着用頻度に差があります。
よく着られていればいるほど生地も弱っているもの。
なかなか目視だとわかりにくい場合もありますが、ここが弱ってそうだったらやめましょう!と思う箇所は

①お尻

②脇縫い

糸が弱っているだけの場合は縫って補修できます!
が、生地が薄くなっていたり、ボロボロと綻んで劣化しているものは、
他の箇所も結構弱くなっているのでやめておいた方が無難です。

3.汚れについて

リサイクル着物に関しては、汚れについてある程度寛容な方でないと向いてないかも…
ってこれを書きながらちょっと思いました。。
ひとまず私が個人的に気にしているチェックポイントをまとめます。


①お尻らへん

今度は表地ではなくて裏地です、
おしりの裏地らへん。
昔は今みたいにインナーがしっかりしてなかったそうなので
このへんが汚れてるやつはオススメできないですよ、ね…
(お察しください)
さすがに店舗を構えてる着物屋さんには少ないですが、骨董市とかだとあるあるなので
見ていただいた方が良いかなぁと思います。

②汗がつきやすい箇所

脇や首回りは汗がつきやすいので
汚れがついている場合が結構あります。
脇は着てしまうと見えなかったりしますけど、襟周りは目立つのでチェックポイントだと思います!

ちなみにこの着物は結構汚れが激しいやつです。

③上前(うわまえ)

着たときに下半身の前にくる箇所です。
ここ、やっぱり食べこぼしとかのシミが多いですよね。
普通に着ている分には顔まわりの方が私は気になりますが、たまに派手に汚れてる着物もあるので、
一応チェックした方が良いと思います◎

4.注意したいダメージ

着物のダメージで特に私が注意しているのは、
スバリ虫食いとカビ!
虫食いは下手するとまだ虫が住んでそうで怖いし(今の所現役住宅だった着物には当たったことはないのですが)
カビは特に厄介です。
タンスの中に入っている他の着物に移ってしまったりするので…!
なんとなく白く浮いたような汚れがポツポツあるものは白カビ、その黒いのバージョンは黒カビです。

古着の帯などは見た目が平気でも、帯芯がカビているケースもあるので
見た目は綺麗だけどカビ臭いなーというものは避けた方が無難です。

まとめ
・サイズは裄、身丈、身幅を考慮しながら選ぶ
・力のかかりやすい脇やお尻は破けやすい
・可能なら、初めての時は実物を試着できるお店での購入がオススメ
・おしりの裏地は要チェック!
・汗がつきやすい、汚れがつきやすい箇所の汚れ具合も要チェック
・カビ着物はタンスの中の他の着物に伝染する可能性があるので要注意



古着はもともと誰かの所有品だった

着物に限らず、古物や古着はもともと誰かの所有品だったものが、色んな事情で売りに出されて、他人の手に渡ったものです。

カビや激しい汚れは致し方ないですが、
ダメージやサイズが小さいのも個性だな、と私は思っています。元の持ち主さんに向けて誂えられた物ですから。

なので、サイズやダメージは個々の許容範囲と相談するのがベストだな、と思います。
汚れに関してもムリな人は絶対ムリ!と感じると思いますし、サイズに関しても同じ。
でも、安価な洗える着物もたくさんある現代で、無理して古着を着ることも無いと思うんです。

着物は意外と選択肢がたくさんあります。その選択肢ごと、楽しんでいただけたら嬉しいです。

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