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SIGMAのIシリーズ3本を試す、最高レベルの光学性能とコンパクトさを両立させたレンズ

SIGMA から新しく Contemporary に属するIシリーズというレンズラインナップが発表された。Iシリーズは 「プレミアム・コンパクト・プライム」というコンセプトのもと、「最高レベルの光学性能」「妥協のないビルドクオリティ」「新しいユーザー体験」を提案している。

Iシリーズのレンズに限らず最近の SIGMA レンズはコントラスト、解像度、色収差などソフトウェアでは補正できないものはきっちりと仕上げるという傾向がある。このことによって本当にいい写真を撮ることができている。今回のIシリーズはどんな仕上がりになっているかを実際に2週間程撮影してみた私の所感も含めてお伝えしたいと思う。

1つ補足を付け加えておくと、Contemporary ラインは Art ラインと比べられ安いレンズ群とも一部では捉えられているが、そもそも Contemporary とは「現代的な」という意味であり、ミラーレスカメラなど近代的なカメラに合わせた小型軽量のラインとして生まれ最適化されたレンズラインであって決して Art ラインに比べてネガティブな意味合いで生まれたものではない。特に今回のIシリーズでそれが証明されていることが実感できるだろう。

Iシリーズは先に出ている 45mm を見てもわかる通り、コンパクトであることは当然であるが、触っていて心地がよく、ヴィジュアルもいい、持っていて高揚感を感じるビルドクオリティを持ったレンズ。外装がフード含めて全て金属で構成され、溝など細かい部分まで全て金属削り出しで整形されており最高に質感がいい。Made in Aizu で培ってきた技術が集約されている。

スムーズで適度に重いフォーカスリングも、気持ちのいい絶妙な絞りリングのクリック感も、とにかくずっと触っていたくなる。Iシリーズは検討の際見るだけでなく触ってみて検討をしてみてもらいたい。とにかく気持ちのいいかっこいいレンズだということは確信をもって皆さんにお伝えできる。

もう1つ特筆したいこととして、今回のIシリーズで初めて採用されたマグネット式メタルキャップがある。カメラを扱う人にとっては永遠の煩わしさだったレンズキャップへのストレスが解消される。もちろんボディーに合わせてメタルキャップも金属加工でヴィジュアル面でも申し分ない。レンズ使用時はマグネット式のメタルキャップフォルダーが用意されているのでこれを使えばポケットやバッグにしまってどこにいったか探さなければならないこともない。ただ、フードを付けたままで使うことは困難なので、フードやフィルターを付けて使う人は注意が必要だ。

マグネット式メタルキャップについては、ストレステストが十分に行われているので安心して使えそうだ。ストレステストの様子がシグマ会津工場の品質保証部の方々がベテランの方も含め体に鞭打ってテストしている様子をコミカルに動画におさめられているのでこちらはぜひ一度見て温かい気持ちになって頂きたい。SIGMA 社員の人柄が見えてくる様で面白い。

実際に SIGMA fp にIシリーズレンズを付けて撮影した写真をご覧頂きたい。

まず fp を持っている方にとっては待望の広角レンズであろう、24mm F3.5 DG DN。このレンズは、広角という特徴の他に最短撮影距離 10.8cm というクローズアップの撮影までこなせる自由度の高いレンズになっている。風景を広く撮ることができるのは当然であり、寄れる広角は被写体に寄った状態でも周りの状況も写すことができる使い勝手のいい広角レンズになっている。

センサー面から10.8cm というのは、レンズの長さも考えると被写体寸前まで寄れることを意味していて、スマートフォンでのテーブルフォトに慣れ親しんでいる人にとっても違和感ない程寄れるので、実際に撮影をしてみると本当に驚く。

ただ、中心部は最高画質を実現できているが、周辺までは最高の性能を維持できていない点が気になる人がいるかもしれない。だが、実際の撮影の場面では、被写体を中心に置いて撮影することが多く、周辺がうまくボケる様に設計されているためであり、このことが印象的な画を作り出している。

24mm F3.5 DG DN | Contemporary
24mm F3.5 DG DN | Contemporary
24mm F3.5 DG DN | Contemporary
24mm F3.5 DG DN | Contemporary

35mm F2 DG DN は、日常使いに一番適したレンズで、F2 のボケ感も素晴らしい。65mm にも言えることだが、フォーカスモード切り替えスイッチの機構が使いやすくなっている特徴がある。円弧状に変更になったことで撮影中でもシームレスに切り替えて、フォーカスリングに操作を移すことができる。

35mm F2 DG DN | Contemporary
35mm F2 DG DN | Contemporary

SIGMA 65mm F2 DG DN は、今までになかった 85mm, 50mm の間をとる SIGMA では初となる焦点距離。この 65mm は新たな撮影体験をもたらしてくれた。シネマレンズでは一般的で使いやすかった 65mm という画角をスチールでもきっと使いやすいはずという発想から生まれた画角とのこと。35mm よりは被写体に集中し、適度な距離感を保った感覚を与えてくれるレンズだ。

ポートレートに向くのは想像がつくところだが、24mm に適した風景だろうと思って撮影した後、65mm に付け替えて同じ風景を撮ってみるとそれはそれで迫るような表現で風景に対しても絶妙な距離感であることを今回撮影してみて実感した。ポートレートの撮影に重きを置いていない人にとっても面白いレンズだと思う。

今までスチールには馴染みのなかったこの画角は、日常が映画の様な非日常に変わるような感覚を持てるレンズなのかもしれない。

65mm F2 DG DN | Contemporary
65mm F2 DG DN | Contemporary
65mm F2 DG DN | Contemporary

35mm F2 DG DN、SIGMA 65mm F2 DG DN はそれぞれ絞り F2 での撮影では綺麗なボケ感も実現できていることも特筆しておきたい。下記は SIGMA 65mm F2 DG DNで撮影した画像で、背景のマンションの灯りの玉ボケが非常に綺麗に出ていることがわかる。

65mm F2 DG DN | Contemporary
65mm F2 DG DN | Contemporary

今回の撮影で「“綺麗な画が撮れる”それ以上の価値があるレンズ」というIシリーズのウェブサイトに書かれている言葉を体感した。カメラ好きなら必ずと言っていいほど共感を得られるレンズではないだろうか。写真はまずカメラをその時に持っていないと撮れない。その点から考えると最もいいカメラは「常に持ち歩くカメラ」だと私は思う。

iPhone などどんどん高性能化していくスマートフォンは常に持ち歩けるとてもいいカメラだ。ただ、スマートフォンでは撮れない画もあることは確かで、生粋のカメラの存在も不可欠である。最高レベルの光学性能もレンズバリエーションも不可欠な存在であり、そして会津の自社工場で作られている金属削り出しのIシリーズは職人が培ってきた技術が詰め込まれた伝統工芸品と言ってもいいほどのプロダクトで説得力がある。それを持ち歩くことはファッションでもあると思う。

カメラはまず持ち歩かないといい写真が撮れない。だからこそ持って歩きたくなるfpとこのIシリーズは本当にいいカメラ、いいレンズだと思う。一緒に旅のできるレンズ。今自分が旅に出るとしたら迷わず fp とIシリーズのレンズを持っていく。


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