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ひとの魅力が伝わるときって??

20代の頃、なかなか彼女ができなくて悩んでいた。
でもやっとの思いで、お付き合いできた女性がいた。

付き合う前のこと。
彼女とは職場が一緒だった。
ことばを交わすのは、すれ違ったときに挨拶する程度。

仕事で彼女の働いている姿を遠目にみて、
「愛嬌のある笑顔が可愛いし、ステキだな」とだんだん意識するようになっていった。
女の子に対して奥手な私は、自分から話しかける勇気がもてなかった。
「話しかけて会話が続かなかったらどうしよう。
 同じ職場だし、嫌われて気まずくなったら嫌だな。
 でも話しかけたいな・・・・・・でも・・・・・・」と、
話しかけられないことへの言い訳がグルグル頭をまわった。


あれから10年ほどが経ち、人との出会いや経験を重ねてきた今、以前に比べたら、話しかけることにだいぶ抵抗感は減ってきてはいるけれど。
でも、付き合いたいと意識した女性にアプローチするには、やっぱりドキドキするし、自分から立ち向かっていくのに勇気がいる。
そこは変わっていないなと思う。

今から思えば、理想通りにいかなかったことで、自分が傷ついてしまうことが、すごく怖かったんだなと思う。
未来がどうなるのかなんて解らないから、不安だし緊張するのは当たり前。
好きになってほしい人から好かれないこと、ましてや嫌われるなんて、そりゃイヤだ。

仮に話しかけてみたとする。
緊張して会話が続かずギクシャクしてしまったとしても、それを理由に自分のことを嫌ったり
距離をとったりするような人柄の人とは、そもそも自分とは合っていないから諦めもつくよね。
その人と合うか、合わないのか。それは関わってみなければ、わからない。
もし合わなかったとしたら、それは仕方のないことと受け入れるしかない。
と過去の自分に言ってあげたい。

とても運の良いことに、私と同期で、とても仲が良かった子と彼女とは繋がりがあった。
その子にお願いして、彼女を食事に誘ってもらうようお願いし、やっと繋がりをもつことができた。
その食事の席で、今度みんなでスキー旅行に行かないかと提案しみたところ、「行こう行こう!」と誘いに乗ってくれた。


旅行の後、二人で会うようになり、付き合うことになった。
彼女とお付き合いするまでの過程で、
私のことを初めて「良いな、好きだな!」と意識してくれるようになったのは、どんな時だったのか? 聞いてみたところ、彼女は過去の記憶をさかのぼってこう教えてくれた。
自分が予想していたこととは、違っていてビックリしたのを、今でも覚えている。


私が運転手になり、男女4名でスキー旅行にでかけることになった。

途中で雪が激しく降るようになり、道の途中でチェーンを巻かなければいけなくなった。
私はここぞとばかりに、彼女にかっこいい姿を見せようとチェーンを巻いた。(事前にこうなることを想定して、家で巻く練習をしていた)

練習の成果も出て、要領よく巻くことができた。
周りからも「頼もしいね。すごいじゃん!」と褒められた。
私は「やったぞ、これで好きポイントがたまったぞ!」と心の中でガッツポーズをしていた。

私の父は北海道生まれで、幼少期から良くスキーに連れて行ってもらった。
アルバイトでスキーのインストラクターをしていたこともあり、滑りには自信をもっていた。
まだスキーが初心者の彼女を、何とか滑れるようにしたいと、一生懸命教えた。
コブのある急な斜面でなければ、ゆっくりと滑って降りれるようになるまで上達できた。
彼女は、上達を喜んでいるように感じた。
「よし、また好きポイントをためることができたぞ!」と私も嬉しくなった。

夜ご飯は、自炊することになった。
みんなで、すき焼きをつくった。
私はこの時、みんなで料理を作ることを心から楽しんでいた!
付き合いたいと思っている彼女と一緒に過ごせること、
それだけでなく他のメンバーのことも大好きだったからだ。
安心感から心をひらいて、会話のやり取りをすることに幸せを感じていた。

テンションも上がり、豆腐やネギをおちゃらけながら切っていた。
お侍さんになりきって「ザクッ、ザクッ」と効果音をつけて切る。
おちゃらけて、すべって笑いがとれなかったらどうしようとか、ぜんぜん恐れることもなく、自分を飾らず、自然体だった。
その場に花が咲いていくような、ぬくもりを感じて、
まだお鍋に火を付けていないのに、身も心もポカポカだった。

「こんなに楽しそうに野菜を切る人、初めて見た! ステキ!」
彼女が私を好きになってくれたポイントは、なんとここだったのだ。
チェーンを頼もしく巻く姿でも、スキーを教えてくたことでもなく。


「人が魅力的に映るときって、どういう時かな?」って考えるとき、私はこの時のことをよく思い出す。
もちろん、外見の良し悪しなど、その他の要素もあるだろう。
でも、自然体で心から楽しんでいる姿が、その人が本来もっている魅力なんだろうなと思う。

その気持ちが相手にも伝わって繋がれること。
そこを好きになってもらえるってことが、
とても幸せなことなんだと思う。

だから、
日頃から何かに対して、好きだ・やってみたいと少しでも心が動いたなら、
行動に移して、そのピースを集めていくこと。自分の心を満たしていくことは大切だなと思う。
そして好きだな・楽しいな・幸せだな♪ って気持ちを、飾らず自然に表現できるように、
日々そんな自分でありたいと思う。


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