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カメラの経験がないWeb/UIデザイナーが写真撮影に同行する際に考えることと注意ポイント

先日、担当させていただいているサイトで使用する写真の撮影に同行してきました。
おそらくこの記事をご覧になるということは、撮影に同行したご経験が少ないorない方なのかと推測しますが、僕もその1人で、経験は多くないのです。カメラの経験もないデザイナーが撮影現場に望む場合、当日まで不安がつきまとうことでしょう。ケースバイケースではありますが、僕の先日のケースに置いての事前の考えることや注意ポイントを、メモ代わりに記します。

撮影前

サイトの写真選定の意図をまとめる

サイトのデザインにおいてコンセプトやエヴィデンスは不可欠です。写真の雰囲気も、自ずとそこに連動してくることでしょう。その意図をまとめます。
渡す必要があれば資料に。その必要がなければ口語でいいのでテキストファイルにまとめ、伝えられるようにします。

ここでの注意は専門用語を使いすぎないこと。

デザイン用語もそうですが、写真の専門用語も極力使わないように。
何故かと言うと、経験の少ない僕たちが付け焼き刃で勉強した言葉が誤っている可能性があるからです。「ボケ」「フォーカス」ぐらいは解りやすいので覚えておいてもよいかもしれませんね。

実現の可否を考える

写真素材サイトから選んで当て込んである写真は、たいていが整いすぎてます。
デザイン提案の時点では美しい写真を使い心を掴みたいところですが、一旦立ち止まって考えます。そして、どうしても不可能で、真実と異なるものが写ってしまう場合は差し替えを検討しましょう…

写真を使用する箇所を割り出し、参考を集める

どのようなシーンを撮影するか?を組み立てるため、情報を固めます。
このフェーズは、撮影の時点でどれだけデザインが完成して関係者が共通の認識を持っているかで変わると思いますが、先日の場合ではTOPページ以外何もできていませんでした。

なので他のページはワイヤーフレームを元に想定されるシーンの参考写真をGettyやPixtaから選定しました。1シーンに対し、サイトのコンセプトに違わない写真を数枚。当日の天候やいろいろな要因で撮影できないカットがあるときのためです。これが意外とシンドいです…

ちなみになぜGettyやPixtaかというと、Gettyは質が高く種類や検索も優れていてPixtaは日本人の素材が多く、なにより料金が安いからです。お客様に選んでもらいやすい要素を持ってるところから選定します。

香盤表(撮影当日のスケジュール)を作成する場合、ここの作業が役に立つことでしょう。

表やフォルダにきれいにまとめておくスキルが不可欠ですね。散らかすとあとで手間になりますよ。

カメラマンの方の情報を得ておく

僕の場合はカメラマンの方との間にとある企業の方々がディレクションで入っているため、事前にどのような方か伺うことができました。

ここで質問したいポイントは、

・今回のプロジェクトの業種の撮影経験はあるか
・指示を受けて動くタイプか、能動的に撮影するタイプか

など。
当日の伝達の粒度をイメージします。

ロケハン前

ロケハンでは予習と質問

ロケハンへ。運良く設定できた場合はロケハンの際に、一見当たり前のようなことでもとにかく質問します。
事前にプロジェクトごとの専門的な知識があるとよりよいかもしれません。

ロケハン後〜撮影

実現の可否を考える(2)

余裕があれば、ロケハンを踏まえ実現の可否を考えます。写真素材サイトで当て込んである写真は、たいていが整いすぎてます。オフィスのデスクが片付かなかったり、天井の雰囲気が違ったりします。最悪の場合ここで修正せざるを得ない状況になるかもしれないです…

撮影当日のためのアイディアのストックを

よし、色々集めたぞ!と思いきや集めただけだと落とし穴があります。
当日は必ず参考資料通りに撮影して終わりではなく、カメラマンの方もベストな写りを模索してくださいます。そのため、「ここで撮りましょうか」とイレギュラーなカットが発生します。そこでのポージングやシチュエーションはイメージして発言できるようにしておきましょう。

様子を見て積極的にコミュニケーションをとる

油断して「カメラマンの方のお任せ」にしておくと、自分の意図と徐々に乖離していきます。

カメラマンの方はそれぞれのご経験とスキルをお持ちなので、被写体の魅力の引き出し方はお任せしつつ、写真をこまめに確認させていただくなどコミュニケーションを図ります。必要であれば構図の相談(あくまで指示ではなく相談という意識で行います)をします。

カメラマンの方とはうまい距離感を保ちつつ進行する必要があります。
デザイナーのみなさんも、他の方が隣にいていちいち口出しされながら作るのは嫌ですよね。


以上、カメラの経験が無いデザイナーが撮影に同行する際の考えることと、注意ポイントでした。

ここに書いた点は僕の場合なので、万人に当てはまる内容ではありません。そして具体的なハウツーというより、メンタル的な参考として捉えていただくと良いかと思います。

あと挙げた項目に加えて強いて言うなら、例えば駅ナカの高校などのヴィジュアルに意味合いやコンセプトを見出すトレーニングをしていると、カメラの経験がなくとも写真の説明がしやすいのかなと感じます。ただその場合においても出しゃばらないのが吉です。

これ以外の知識として、撮影の進行などについては更に専門的な記事があるので、必要に応じて調べてみてください。


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