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紙包みをもらった話

娘が学校から帰る。マンションのエレベーターで、おばあさんと一緒になったそうだ。おばあさんは荷物がいっぱいで難儀していた。娘は「開ボタン」を押して待つ。おばあさんに行先の階を聞く。該当ボタンを押す。それだけでおばあさんはとても喜んで、彼女のいっぱいの荷物から掌くらいの包みを3つ出して、娘に持っていってと渡してくれた。娘は驚きつつお礼を言って家に持ち帰った。

おばあさんがくれた包みは、ミカンだった。1つ1つ紙に包まれていた。連合いが携帯で調べてくれる。「夢味(ときめき)」という名前の蜜柑。11月頃に、木になった状態で紙の保護袋を掛け、越冬してきた物だ。包みはその袋だった。袋は厚い紙と薄い紙の2層になっていて、冷たい空気や雨からミカンを守っていた。上等品だ。夜ご飯のデザートに早速家族でごちそうになった。身が一粒一粒がプリプリしていて、甘い。新鮮な味。おばあさんはコロナで他人とあまり話せなくて、寂しい思いをしてたのかもしれないねと話し合った。私達は娘にごちそうさまとお礼を言った。

https://item.rakuten.co.jp/hamanaka/10000562/





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