見出し画像

まるで恋するみたいに受験した、息子の話③

ライバル兼、仲間。

前回までのお話はこちら。

サマースクールの副産物、それは「仲間」だと思う。
息子は、全国から集まった19名をDiscord で繋いで、サマースクール後もコミュニケーションをとるようになっていた。「夏休みの宿題(高専が出すオリジナルの課題)出した?」とか「○月○日のイベントいく?」など。
イベント先で再会したりすると、ライバル同士と思えないほど喜びあっていた。
ここを目指す子たちの共通項のひとつ、と感じたのは「男女ともにコミュ力おばけが多い」こと。息子はどちらかというと逆のタイプだったが、まわりの子が自然に巻き込んでくれるので、とても良い影響を受けていた。前向きなコミュ力というのは伝染するんだ、というのを知った。

遊んでるんじゃない、戦っているんだ!

そうこうしているうちに、認可が降りて2023年に予定通り開校!というニュース&1期生の無償化決定。。。
これは人気が出るぞ出るぞ、と戦々恐々とする10月。
ついに推薦入試の募集要項が発表された。これまた怒涛の課題量です!

  • 90秒動画(+プロトタイプ制作)

  • A4課題(商店のアイデア)

  • 800字レポート

どっぷり、各2週間ほど時間をかけたほうがいい内容だけれど、その間に中間テストや修学旅行、他の学校説明会などの用事も目白押しで、なかなかキツイ。とりあえず休みは1日たりとも、ない。
さらに、周囲の中3は勉強しまくる本気の受験シーズン到来。
みんなが「模擬試験だ」とか「素内申は○点取らなきゃ」とか言ってる中、段ボールやレゴを毎日せっせと組み立てて、パッと見「遊んでる」ようにしか見えない息子。。。(※プロトタイプ作り)
「あの、そろそろ勉きょ・・・?」と言いかけて、いや、息子は遊んでるんじゃない、戦ってるんだ。と自分に言い聞かせるよくわからない日々。

え、やっぱり遊んでる・・・?

動画はサカナクションのアルクアラウンドのMVみたいにワンカットで撮りたい!」らしい。息子が書いたシナリオに沿って、家の中にピタゴラスイッチ的なセットを組むお手伝い。

A4課題(商店のアイデア)は、役場に電話したり、得意のリサーチ力を発揮して、なんとか完了していた。
そして最後に残ったのが
「またレポートかぁ、今度は800字!」

めざましい変化

思い出していただきたい。息子の作文力「キリンさんゾウさん」を。
しかし、ここにきてある変化が。
これまで高専から出される「正解のない問い」模擬課題をもれなくこなしてきた息子。さらに評価し合える仕組みがあったり、書いたテキストを親子間で往復書簡のようにやりとりしているうちに、作文力がだんだんと上がってきたのだ・・・!
どのくらい変わったかというと。

Before→「キリンさんが好きです。でも、ゾウさんはもっと好きです。」

After   →「私が象に興味を持ったのは小学校高学年の頃でした。動物園の飼育員を長年、勤め上げた祖父が病気で歩けなくなった事をきっかけに退職し、それから毎日『世話をしてきた象に会いたい』と言うようになったのです。私はこの願いを叶えたい、と切に思うようになり・・・」

※内容はフィクションです。

始めの頃は10回程度のやりとり(校正&推敲)が必要だったけど、とにかく書きまくって5ヶ月ほど経った今、1〜2回のやりとりだけで、下のクオリティまでは安定して書けるようになってきた・・・!
「文章力UPのためには、短くてもいい、とにかく書いて書いて書きまくれ〜!」というのは、私が高3の時、画塾の先生から言われた言葉。
「なるほど!あれはこういうことだったのか!」とポンと膝を打つ。(25年以上経ってから腹落ちする、出来の悪い生徒ですみません)

これは今回の受験のため。だけではなく、未来にも役に立つ力になったと思う。

さらに、推薦入試には調査書(中学3年間の成績)推薦書が必要。
推薦書はにも出てきた、息子が小5からお世話になっている探究学舎の塾長・やっちゃんにお願いした。今や教育界の革命児と言われ、メディアにもひっぱりだこのあの方。果たして引き受けてくれるんだろうか。
推薦書はかなり詳細が求められる内容である。お忙しいだろうし無理かも…と悩みつつ、何度もお願いの文章を書いては消し、消しては書き、連絡したところ。
「喜んで!」と即答いただいた。
男前か。ちょっと泣いた。

というわけで、息子なりの最強のカードが揃った。
調査書以外は・・・(彼の成績は社会だけぶっちぎりだけど、あとはものすごく平凡。これが後に尾を引くこととなる。だけどそれは、また後のお話)

いざ出願!
結果は、2週間後。

結果発表

出願サイトの「結果を見る」を震える手でクリックすると、ソッコー合否が目に飛び込んでくる仕組み、心臓に悪い。
恐る恐る目を開けると「合格しました」の文字。
「・・・人生でいちばん、頑張ったもんなぁ。」
しみじみと喜びを噛み締める息子。

受験番号を見たところ、250名前後から40名程度に絞られた。
現地で開催される推薦二次試験では、ここからさらに12名に絞られるという。
知ってたけど、狭き門すぎるよ・・・ゴクリ。

私たちはサマスクから約3ヶ月ぶりに、徳島に飛んだ。
不安と期待をがっつり抱いて。

そして現地で、ど緊張の波にのまれまくるのだった。

まだ続きます・・・!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?