たぴ

タピオカミルクティーからパッションフルーツ

タピオカとは何か。

タピるとは何か。

可愛いお店で中でおじさんが働いていると文句を言われるらしい、おそろしい飲み物、タピオカミルクティー。

我らが蓬莱の国においては、南方に朝からタピオカミルクティーをキめ、1日に3杯くらい飲む国があるという言説まで流れた。

日本の行列を尻目に、調査団(団員1名)はその発祥の地とされる、台湾に向かった…。

朝の二二八紀念公園である。

台北は東京以上に朝の遅い都市だ。そもそも朝からドリンクスタンドはあいていない。なので、台北で朝からタピオカミルクティーをキめることは現実には不可能と思われる。朝からキめるというのは、自分で作るのだろうか。キッチンのない部屋に住む若い台北人はかなり多いのだが。むしろ、暑い台湾では夕方から夜にかけてお出かけする傾向にある。筆者はタピオカミルクティーには、午後遅くのイメージを持つ。そもそも1日にタピオカミルクティーを3杯も飲めば、病院送りだろう。台湾の平均寿命は80.4歳で、日本の83.9歳ほどではないが、それなりに長寿である。

さて、台北のタピオカミルクティーである。

筆者は特に列に並ぶこともなく、発祥の「春水堂」の店舗に入ることができた。なお、もう一つ「春水堂」と並んで、タピオカミルクティーの発祥と主張するのが、「翰林茶館」である。どちらでも私は「食事」をする。

インスタ映え、するだろうか、春水堂のタピ、オカ…。

インスタ映え必須と言われるものが、筆者が撮影するとことごとく微妙な感じになっていくのは毎度のことだ。

理由はあって、旅行中、筆者は基本的に冷たいものは、基本飲まない、食べない。なので、このタピオカミルクティーはホットなのである。なので、店舗なのだがグラスではサーブされない。

旅慣れている人なら共感していただけるであろうと思うが、これは「ナマものを食べない」「魚介類を一切口にしない」と並んで、旅行中のリスクを回避する行動だ。

ドヤってみたが、サルベージしなくてもこういう写真も発掘される。

冰讃のマンゴーかき氷だが、これは別枠だと私は主張したい。

さて、肝心のタピオカミルクティーの味だが、台湾茶を飲み慣れているひとならば、一口飲めばこの「お茶」の質がそこまで良いものではないのがわかるだろう。台湾で茶屋巡りをすると、台湾茶は、基本春と冬のお茶が出てくる。台湾にも冬っぽいものは存在する。

ドリンクスタンドに出てくるお茶の葉が台湾産ならば、夏のお茶だという。秋のお茶もあるのかもしれないが、いずれにせよ、かなり「暑い」ときの葉っぱだ。渋みが強いので、急須で入れるのには向かない。

その葉っぱの苦味をミルクと砂糖で緩和し、もちっとしたタピオカを入れることによって、いわゆる台湾の「タピオカミルクティー」は生まれた。

モノに付加価値をつけて売る。

これこそ、商売の基本である。実に素晴らしい着眼点だ。

筆者が好きな中華圏のドリンクは、タピオカミルクティーではなく、涼茶。広東語で「りゃんちゃ」と読む。

漢方薬だと思っていただければ、良い。いろんな症状に対して、いろんなブレンドのものをだしてくれる。

香港ではスタンドが街中にたくさんあり、ここでぐいっと一杯やるのだ。当時20代前半だった香港女子が教えてくれた。

広東語のできない私は、涼茶スタンドで咳き込む真似をすると、これだ、と指してくれる。効くかどうかは別の問題。好きなのだ。

台湾にもないわけではなく、青草茶・仙草茶・苦茶というあたりが香港の涼茶に近い。

これが台湾で飲んだもの。

日本でもアジアンスイーツの中に、黒っぽいコーヒーゼリーのようなものがあることがあるのだが、あれは仙草ゼリー。この、涼茶や、青草茶・仙草茶・苦茶はあの仙草ゼリーをもっと強烈にしたような感じだ。タピオカミルクティーのアレンジに仙草ゼリーが入ることもあるようだが、筆者はまだ口にしたことはない。

すなわち、人によって好みが分かれるだろう味である。嗜好品とはそのようなものだ。

タピオカミルクティーブームを見て、筆者は、売りにくい「夏のお茶」をタピオカミルクティーとして付加価値をつけたと考えた。そこから、涼茶もおしゃれなブームにできないだろうかと考えるのだが、発想が貧困なのだろう。おしゃれな仙草ゼリーくらいしか思いつかない。

最大の問題は、香港式に症状に合わせて「これを」と勧めることが法律上できないことだろうか。ただ、ゼリーで「お好きな味を」とするしかないがそもそもが苦い。

そんなことを思いつつ、台北駅地下街のドリンクスタンドで、パッションフルーツジュースを買うのだ。

甘いものが苦手な筆者には、この爽やかな酸味と、ぷちっとしたパッションフルーツのタネの食感が実に好みである。

みんな好きなものを飲んで食べれば良いのだ。私が冷たいもの・甘いもの・魚介類を避けるのは単純に好きではないからである。

以下それぞれ元の記事のリンクを貼っておく。


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