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今さらですが「Kitaraあらかると きがるにオーケストラ」2022.5.3のまとめ

【2023年のはじめに】


こんな時期に2022年5月のレポを…大変失礼致します。

2022年5月当時、私はnoteには登録していなかったため、このコンサートのレポはTwitter上にツリーの形でメモをスクショしてその写真を掲載しました。初めてのつたないレポにたくさんのいいね👍を頂き、大変恐縮でした。

そして月日が流れ…
2022年12月、角野隼斗さんの演奏するガーシュウィンさんの「ラプソディ・イン・ブルー」が、ここに来てずいぶんと進化されているというコンサートレポをたくさん目にして、

「最新が最高」

って言葉がすぐに思い浮かぶわけですが…。
新しいカッコいいver.をもちろん生で聴いてみたい気持ちでいっぱいですが、あるフォロワーさんに

「sato miさんが生で聴いたラプソも私は聴いてみたかった。」

と、言われた時に気付いたのです…
同じ曲でも全く同じ演奏はしない(と思う)角野隼斗さんのピアノ演奏。

私が2022年5月に聴くことが出来た初めての角野隼斗さんの音。ラプソ。

それはその日だけの大事な宝物なんだ!と。

とっても大事な事に気付いた私はこのまま大事な宝物の演奏会レポをTwitterにぶら下げていてはダメだなぁと思い、後から自分も読みやすいようにnoteにまとめようと思ったのです…。
もしご興味ある方はどうぞご覧くださいね。

(ヘッダー写真は、会場となった札幌コンサートホールKitaraの正面入り口。開場前に筆者撮影)

(Twitterに載せていた文章を少〜しだけ修正、加筆し、併せて読んだり聴いたりして頂きたいリンクも色々貼りました)

(2023.2.17追記あります)


【はじめに】


この演奏会は、2022年5月3日、北海道札幌市にあるコンサートホールKitaraにて開かれました。

私は角野隼斗さんのご出演のお知らせで、このコンサートを知りましたが、オール・アメリカのプログラムを拝見して、最初は2曲のみピンと来ない曲がありましたが他は全て知っていて是非札響さんの演奏を聴いてみたい、と思いました!

コンサートのフライヤー。


フライヤー(裏面)


ふと、私はいつからオーケストラの演奏会に行ってなかったのか考えてみると、2014年7月のPMF(世界の若手音楽家の育成のためバーンスタインさんが提唱し1990年に札幌で始まった音楽祭)のオープニングコンサート(札幌芸術の森・野外ステージ[レナード・バーンスタイン・メモリアル・ステージ]にて)と、私の地元の会館でたまたま開かれたPMFオーケストラ地方公演、以来だと思い当たりました!
なんと8年も生のオーケストラの音に触れていなかったとは…。(このPMFも、たまたま知人の娘さんがバイオリン🎻でご出演される事がキッカケで聴きに行きました)

2014年から、音楽に全然触れていなかったかといえば、そんな事はなく、エリックミヤシロさんもいらした地元でのジャズコンサートや、外山啓介さん清塚信也さん辻井伸行さん、それぞれのピアノソロコンサートなど色々と行っていたのにオーケストラにはご縁がなく、今回の札響さんとなりました。

角野隼斗さんの生演奏を聴くのも初めてでしたから、そちらもとっても気になりましたが、私は生のオーケストラの演奏もとっても楽しみにしていました!Kitaraも20年ぶりくらいですし(綾戸智恵さんのコンサート以来)何もかもラッキーが重なって今回、行ける事になり大変感謝でした。

今回のプログラムでプレイリストを作ってみました。プログラム順でソリストアンコールとオケアンコールも組み入れました。

(同じ曲なのに2つ動画があるものについては、感想の文章の中で説明しています。)

【開演前まで】


本日の開演は15時でしたので14時30分が開場予定となっていました。私達はKitaraのある中島公園の桜🌸を見たり散策したかったので13時過ぎには中島公園へ着きました。まだまだたくさんのソメイヨシノがキレイに咲いていてくれました。

Kitaraのある中島公園の桜🌸
Kitaraは今年25周年のメモリアルイヤー🎉

天気予報では曇り一時雨の予報でしたが、地下鉄駅から地上に上がると青空と明るい日差しが出ていて、清々しい気持ちになりました。でも気温は低かったので14時頃、Kitaraのロビーへ入りました。この連休中は子供達向けの催しもたくさんあり、このオール・アメリカの演奏会も5歳から入場OKでした。ロビーには、あちこちにバルーンアートが飾られていました。

今日は久しぶりのチケット完売との事で、ロビーも大変な混雑となってきまして、14時20分頃開場となりました。大ホールの客席へ向かい、自分達の席を探してみると10列目ではありましたが大変良いお席で角野隼斗さんがピアノを弾くお姿をしっかり見れそう!とテンション上がりました。

自席よりステージの眺め。プログラムと共に。

そして、そろそろ15時…と思った時、4.5人の女性グループが目の前を通りました。その中央にいらっしゃったのは角野隼斗さんのピアノの先生、金子勝子先生でした。わぁ、札幌まで音を聴きにいらっしゃるのだなぁ、お疲れ様でございますと、心の中で思いました。

ホール内が少し暗転し、オーケストラの皆さんが入場されて、チューニングが始まりました。そして太田弦マエストロが(マスクをしていましたが)ニコニコとした表情で舞台にあらわれ、すぐに1曲目が始まりました。

【星条旗よ永遠なれ】


スーザさんのWikipediaページに行くと、代表的な作品が4つ、すぐ聴けます。私は中学高校で、この4曲とも練習しましたので、ここから聴いて懐かしく感じました。
(Wikipediaに入り、「作品」の部分を開くと曲が聴けるようになっています。)


その中でも有名できっと一度は聴いたことがあると思う「星条旗よ永遠なれ」。皆さんが初めて聴いたのはオーケストラでしたか?吹奏楽でしたか?私は今回、たぶん人生初のオーケストラ版を聴かせて頂きました。
最初の音が出た瞬間、わ、お上品で、まあるい柔らかい音!と思いました。プログラムにもありましたが、普段はこの曲、演奏会の最後、又はアンコールで演奏される事が多い曲です。最後に観客も巻き込んでノリノリで金管楽器がブイブイ鳴らして盛大に終わる曲ですが、今日は1曲目で、しかも吹奏楽よりは金管楽器は大幅に少ないですから弦楽器の優しく、でも凛々しい音がホールに響いて、まあるく優しく聴こえてきたのだと思いました。

私はKitaraのホールでオーケストラを聴くのは初めてですので、どの曲もどんな風に聴こえてくるのか、とっても楽しみでしたが、まず1曲目は、大人の雰囲気の演奏会用のマーチでした!
あの中間部のピッコロ、フルートのオブリガードも流れるように美しく、キラキラと映え、素敵でした。私が吹いていた頃は、まずこの曲での行進が辛く、またオブリガードを吹いているうちに酸欠状態になり非常に苦しかった思い出が残っています笑

☆動画1曲目【大人の演奏会ver.】
バーンスタインさん指揮
ニューヨークフィルハーモニック演奏

☆動画2曲目【吹奏楽ブイブイver.】
佐渡裕さん指揮
シエナ・ウィンド・オーケストラ演奏
(一般の方達参加ver.)

どちらのバージョンも大好きです!

【太田マエストロのお話①】


指揮中はマスクを外されていたマエストロ。演奏者からすると指揮者の顔の表情って、演奏する時に情報として、とても大事だよなぁと思っていたので、この演奏会では指揮の時はマスク外されて、客席に向かってお話しされる時はマスクを着けて、と、ちょっとお忙しいマエストロでした。

「今日は指揮と司会??をさせて頂きます太田です笑」と、和やかな雰囲気でお話しがスタート。
1曲目の作曲者スーザさんのお話し(生涯にたくさんの行進曲を作曲されました等)
2曲目、3曲目の作曲者アンダーソンさんのお話し(たくさんの言語をお勉強されてお話しすることが出来たとの事で、言葉のリズムを作曲にも使われたりしたそう、等)を話されて、曲へ。
お話し中に、Sax奏者の方、3名が舞台に着席されました。近代音楽的な曲に移るので、ここから参加なのかなぁと思ってました。

【シンコペイテッド・クロック】


アンダーソンさんと言えば!の、この曲。打楽器のウッドブロックが時を刻む、有名な曲ですね。早くも遅くもない心地よいテンポで聴けました。メロディが始まり、リピートされる時にオブリガードでoboeが入りますが、私はここが大好き!なんて優雅な気持ち良いオブリガード!素晴らしかったです!


【フィドル・ファドル】


プログラムを見た時に私が知らなかった曲、その1です😝
アンダーソンさんと言えば、そりすべり、タイプライター、トランペット吹きの休日、などなど、すぐにタイトルもメロディも浮かぶ曲が多いのですが、私はこの曲、存じ上げなくて、しかも予習もして行かなかったので、お初に聴かせて頂きました。
プログラムには「フィドル・ファドルには大騒ぎ、と言う意味の言葉で今から400年ほど前には存在していた」との事で、さらに「フィドルにはヴァイオリンという意味もあるので、その意味を引っ掛けて使われています」との記載が。
曲が始まってすぐに、納得🤣
ヴァイオリンパート、というか、弦楽器パートが大活躍の曲で、ちょっと早めのテンポが聴いてる人の気持ちを上げてくれる素敵な楽しい曲です。
途中、弦をはじくピチカートの部分があり、必然的に音のボリュームは小さくなっていくのですが、その緊張感をホールの聴衆も皆で、ピチカートの合間の休符まで一緒に体感している幸せな気持ちになりました。
その後、管楽器パートも合わさり盛り上がって終わるのですが、私はもうすでにこの曲でノリノリになっていました。約3分の曲の中でオーケストラの良いとこ凝縮!って感じで、また、シンコペイテッド・クロックと合わせ技のプログラムにした所がオーケストラの演奏会!にピッタリでした。
(帰り道のバスの中で、すぐ動画を探してリピしてしまうほど、お気に入りの曲となりました😝)


【太田マエストロのお話②】


3曲目が終わり、会場が少し明るくなり、ヴィオラパートの方達が上手へ一度下がられました。さ、いよいよ、次の曲は、お待ちかねのあの曲!ですが、まず、ステージを整えなければソリストをお迎え出来ません!って事で、ヴィオラパートさんの椅子も少し寄せられて、ステージに空間が出来たなぁと思っていたら、上手袖後ろ辺りから、男性3名がグランドピアノをゆっくりと押しながら入って来ました。 

私は、ピアノコンチェルトのあるオーケストラの演奏会は初めてだったので、会場に入るまでピアノは最初からステージにあるのかなぁ、とか想像していたのですが、入ってみたら、いつも動画などで見る、ステージ真ん中にはなくて。でも、下手の端にピアノがすでに設置されていたので、あのピアノを動かすのかなぁとも思っていました。結局、下手のピアノはアンダーソンさんの曲の時には弾かれている方がいましたので、これを動かす訳では無さそうだと。

で、押されて入って来たのは、STEINWAY & SONSのグランドピアノ!
ですよねですよね、コレコレ!
コレじゃなくちゃ!
(下手のピアノのメーカーさんは分からないけど😝)
ピアノ設置、ヴィオラパートさん再入場、などなどの間、太田マエストロは舞台中央より少し下手に移動して、「皆さんの邪魔になってはいけないので、こちらでお話しします笑」と、どこまでも謙虚なマエストロ!
次の曲、ラプソディ・イン・ブルーのお話しがありました。クラシックとジャズが融合した素晴らしい傑作のひとつである事、急いで頼まれた曲なので、全部をガーシュウィンさんが作曲出来た訳ではなかった事、40歳になる前に亡くなっているので、長生きされていたら、もっとたくさんの素晴らしい曲に出会えたでしょう、などなど。

そして、「今日のソリストの方は、あ、角野さんファンの方はご存知だと思いますが、実は2ヶ月程前に一度共演出来る機会があったのですが、その時は出来なくなったので、今日はとても楽しみにしていました!」とのご紹介を受けて、いよいよ角野隼斗さんのご登場です♪♪♪

以下、ミーハー文章ごめんなさい🙇‍♀️
↓↓
下手から、鍵盤ハーモニカを抱え、大股で颯爽と満面の笑みで、髪をフワフワさせて本当の王子様のようにキラキラ輝きながら角野隼斗さんが現れました!

わ、わ、本物、ホンモノ、ホッソー(細い)!が、私の最初の感想😝

あぁ、念願の角野隼斗さんの生演奏が聴ける…。しかも、10列目とはいえ思ったより、とっても近いし、お手元も横顔もぴょんぴょん跳ねると言われる左足も良く見える!

【ラプソディ・イン・ブルー】


たくさんの期待が込められているように、ホールに響きわたる拍手に迎えられて今日のソリスト、角野隼斗さんが蝶ネクタイver.の正装で、ご登場。太田マエストロ、田島コンマスと腕と腕のタッチでご挨拶。鍵盤ハーモニカをピアノ横の台に置いてから正面客席へ深々とお辞儀。それから、2階席3階席、舞台後方席まで、ぐるっと見回しながら全方向に会釈のように会場の皆さんへご挨拶されてピアノ椅子にご着席。すぐに高さを合わせるために椅子の座面をシューっと下げました。←ショパンコンクール でずっと見てたやつ、生で見れて、ここからもう既にうれしい(まだ音、聴いてないのに😝)。

さてさて、いよいよラプソディ〜が始まりました。ワクワクが止まらない私は始まりのClaの音を聴きながら、角野さんの様子をガン見。角野さんも冒頭のメロディを奏でる演奏者さんをずっと追いながらノリノリで見ていて、(舞台後方のお席の方は、その時の角野さんの表情がバッチリ見えているんだなぁ、いいなぁ…と思っていた私)あれ、あれ、もう出番だけど…って私が心配したほど、最初のピアノの出が、「わ、オレの番、来た!」みたいな感じで入ってきた記憶…😝でも、そのピアノの音は今までYouTubeや streamingでスマホの中からしか聴けていなかった私には、えっ…コレが角野隼斗さんの生音…優しくて力強く柔らかく広がる温かいキレイな音…。今まで何度も角野さんのラプソのYouTube聴いてきて、お馴染みのメロディラインや和音が続くけど、今まで聴いてきた記憶の音とは違う。生のオーケストラと一緒に角野さんのピアノの音がホールいっぱいに音の粒がわぁ〜っと広がって、今まで聴いてたラプソディ〜とは全然違うものが私の中に上書きされた感じです…。

角野さんのソロパートの終わりでオケに繋がる部分とか最後に和音を弾かれていると思うんですけど、その和音が、今までのラプソとは違う和音が散りばめられていて、それはオシャレなフランス風?それともドイツ風?それともスペイン風?もしかしてNYCのライブハウスのブルーノート…?あちこち旅して来た後の角野さんの初めてのラプソだったので和音やメロディに、ひとつひとつ今までとは違う香りを勝手に感じて、素晴らしい時間に浸りました…。

そして、中間部の鍵盤ハーモニカの場面…。今日の演奏会はチケット完売で5歳からOKの演奏会でしたが、まわりはご年配の方々もたくさん座っていらっしゃいまして。角野さんが鍵盤ハーモニカを譜面台付近にセットして吹き始めると周りから「Oh…」と声が漏れ、ちょっとだけザワザワした感じを受けました。あぁ、やはり今回初めて角野隼斗さんをご覧になる方々がたくさんいるのだなぁ、と思いました。名前は知っていてもYouTubeなどをご覧にはなっていなかったかも知れません。ラプソディ〜の曲は昔から知っていても、まさかこの場面で鍵盤ハーモニカを吹くピアニストさんには出会っていなかったでしょう…。

その鍵盤ハーモニカの響きはKitaraのホールにやはり異国の風を感じる音色がいっぱい広がりました。そして、いつもより和音が多く聴こえて来て、その音はアコーディオンの響きのようにも聴こえて来ました。哀愁の、または、憂いの、みたいな、そんな形容が似合う鍵盤ハーモニカの演奏でした。 
ピアノでのジャジーなフレーズは、心地よくビートを刻んで左足もめっちゃ刻んで、ぴょんぴょんお元気で。オケが入って来て盛り上がる所は左手で指揮をされていて。角野さんご自身がもうノリノリにラプソディ〜の世界にどっぷり入っているのを、目の前で観て聴いている事が幸せでした!

そして最後のカデンツァの部分…。YouTubeにあるサントリーホールのラプソディ〜では、テンポも早くなり超絶技巧も続き、私は息もつかずに、いつもジッと見つめている場面なのですが、この日のカデンツァは、そのような印象ではなく、この演奏会の始まる少し前に角野さんのインスタにupされた「So in love」を表現されたような優しい柔らかなフレーズたくさんで、今までとは全然違うカデンツァになっていた記憶…。

そして、そして、その後、多分、途中で三拍子になった部分があった記憶…!えっ!えっ!これは、あの先日streamingで観た、あのJAZZ dayでblue note東京でのライブのSpainの時にTb. 中川 英二郎さんに仕掛けていった、あのゾクゾクするような気持ちを一瞬に思い出す、ワルツ風味の音色が聴こえて来て…。

いつもと違うこんなに柔らかなカデンツァ…、優しく撫でるようなグリッサンド…。

音色がピンク色に感じて、
これは、

「ラプソディ・イン・ピンク」

じゃないの?と…。

そのほんのちょっとのカデンツァの一部分を聴いただけで見えてくる映像…。とにかく、聴いてる最中、

・こんなカデンツァ聴いた事ない
・さっき聴いたインスタの曲を思い出す
・あのSpainの中川さんのお顔…

と、私の頭の中はぐるぐる忙しく回ってました。
角野さんはいつも通り、

「とにかく楽しい!!!!!」

って全身に書いてあるくらい、楽しさがこちらに伝わってくるし、笑顔も見られるし。
オケの皆さんも角野さんのソロの時は譜面台の横から顔を出して角野さんの演奏をジッと見つめているし。
私を含め聴衆は、オケと角野さんの音をじゃんじゃん浴びて、幸せ度がどんどん上がるし。
ラストに近づいて行くと、私はヤダヤダ、まだ終わらないで〜!と願いだし😝

そして、最後のジャン!でフィナーレを迎え、ホール中、ものすごい拍手👏が…。
角野さんは太田マエストロ、田島コンマスと腕タッチをした後、登場時と同じように深々とお辞儀をされ、全方向のお客様へもお辞儀をされ。下手へさがりますが、鳴り止まない拍手に呼び戻され、またさがり、の繰り返しを3度ほど。
そして、再び登場された角野さんはマイクを持ち、MCが始まりました。

「ラプソディ〜は、何度も演奏をしてきた大事な曲で、いつも前回の演奏をどう裏切っていくか、という気持ちで臨んでいます」
「太田マエストロとは、前に練習は一緒に出来たのですが本番が出来なかったので、今日は一緒に出来て良かったです」

「では、もう1曲」
「ラプソディ〜と同じ作曲家、ガーシュウィンのスワニー、という曲を演奏させて頂きます」
「これはガーシュウィンが有名になっていく、キッカケとなった可愛らしい曲です」

みたいなお話しをされて演奏に入られました。
オケの皆さんも聴衆も期待度MAX!!私も、今日のソリストアンコールは何だろ…と朝から考えていて、先日ハンブルクでは、キラキラ星でしたし、ご自身のYouTubeでupさせているものなら、I got rhythmかなぁ、と思っていましたが、同じガーシュウィンさんでも、スワニーが来るとは思いませんでした😝

【ソリストアンコール/スワニー】


YouTubeやWikipediaなどを検索すると演奏音源がすぐに見つかり、曲の長さは約2分半程の小品ではありますが、あぁ、コレがラグタイムと呼ばれるJAZZの曲ですね、と一気に引き込まれて、短調から始まるけどサビで長調に転調すると、聴いてるみんながニッコリしちゃう素敵な曲。この日のスワニーは、かてぃんさんver.満載(キラキラで可愛くて、すごかった←記憶がコレで申し訳ない)でニコニコ観ているうちにあっという間に終わってしまったアンコールでした!
そしてまた、ご挨拶して退場されるけど、拍手で呼び戻され、を何度か繰り返して、オケの皆さんも退場されて前半終了。

【休憩中のこと】


20分ほど休憩に入るとの事で、私は開演前のアナウンスで、「ホワイエにて本日のソリストのCD販売をしております」を思い出し、ホワイエへ行ってみました。
私は「パッション」のCDはまだ持っていなかったので、もしあれば買いたいな…と思ったのです。
ホールから出て、ちょっと進むと窓際に「タワレコ」さんのいつものロゴ旗が見えて、拝見すると長机ひとつに「HAYATOSM」が15枚くらい平置きされていました。こちらは既に持っているので購入はせずに、そのままちょっと近くからタワレコブースの様子を見てました。 
すると、親子連れさんや結構ご高齢のお客様など、ひっきりなしにブースに訪れては1枚ずつCDをご購入されていて…。
飛ぶように売れるとは、こういうことか、と目の当たりにしてビックリ!
タワレコさんの方もお一人の様子だったので、お会計したり箱からCDを出して並べたり大忙しで、何なら私、お手伝いしたかったです😝「CD、こちらですよ〜!」って呼び込みもすぐ出来ちゃうタチなので、やりたかったです😝

【「ウェスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス】


休憩が終わり、オケの皆さんが入場され、太田マエストロが入場されて、すぐに演奏が始まりました。

この演奏会を知った日から、もちろん1番は角野隼斗さんの生演奏のラプソが聴きたかったのは言わずもがな。
でも、それと同じくらい楽しみにしていたのは、このシンフォニック・ダンス…。私の大大大大…大好きな映画の劇中音楽をいいとこ取りして、バーンスタインさんがオーケストラ用に編曲した組曲です。9曲からなる約25分ほどの大曲ですが、曲調が色々と変わり、映画又はミュージカルを知っていると場面場面を思い出して、世界に浸れる幸せな時間となります!

私は映画版VHSは、見過ぎでビリビリになり、数年前DVDを買いました。劇団四季さんのミュージカル版も大好きで、我が街に旅公演で来てくれるたび観に行き、3回ほど観てます。サブスクを使うようになってからは、バーンスタインさん指揮ロサンゼルスフィルハーモニックさん演奏のシンフォニック・ダンスをずっと聴いてます。

と、いうことで、この曲を札響さんの演奏で全編聴けたのは本当に本当に幸せでした。
( 9曲は物語順に並んではいません。)
以下、私が曲を聴いて感じた事…。
読み飛ばして構いません…。

1.プロローグ
物語の幕開け、対立する2つのグループの緊張感でヒリヒリする旋律とフィンガースナップ🫰演奏者さん達が、カッコよく指パッチン決めるんですよ!コレは楽譜に書いてある、と聞いた事あります。
2.Some Where
この物語の美しさの中の悲しみ、希望の中に絶望の現実を切ないメロディが響き、悲しい結末を予感させるツライ和音…。どんどん悲しみが強まるシーンが思い出され、寄り添う美しいオーケストラの音…。
3.スケルツォ
4.mambo
これも2つの対立するグループがダンスで対決!マンボのリズムのパーカッションが気分を高揚させ、金管楽器がカッコいい!この難しいリズムで踊るの絶対難しいはず…。
5.チャチャ
6.出会いの場面
マンボから一転、この2曲は、トニーとマリアが出会い、初めて会話し、2人で踊る場面の可愛らしい曲。映画ではチャチャに合わせて2人が踊りながらフィンガースナップ🫰するけれど、演奏者さんはしないので、その休符のところで私が指パッチンを入れたくなる😝でもジッとこらえる…。
7.cool
決闘の後、慌てるな、落ち着け、クールになれと、歌われるダンスナンバー。これが非常にカッコいい。ジャズとフーガの技法(フーガとは、冒頭に提示された主題が、複数の声部間で対位法に、次々と規則性をもって模倣反復される楽曲。全体は、主題とその応答からなる提示部と、エピソードとの交替で構成される[音楽用語辞典より])の融合(バーンスタインさんによる)との事で、次々と楽器が替わりながらメロディがあちこちから聴こえて来て、不気味な怖さも感じる。でも盛り上がってくる部分は、あぁ、やっぱオーケストラ良いわ〜!って誰かに伝えたくなるナンバー…。
8.rumble(乱闘)
決闘シーンの楽曲で、クライマックス部分は、ベルナルドがリフを刺してしまう部分に当たるとの事で、冒頭から緊張感漂う音が続きます…。
9.フィナーレ
最後のシーンを思い出し、マリアが歩いて行く姿が浮かび、泣いちゃいました…。

静かにタクトを下ろして、こちらへ向く太田マエストロにめちゃめちゃすごい拍手が〜👏👏👏👏

【太田マエストロのお話③】


たくさんの拍手にマスクをしていてもニコニコしている様子がわかる太田マエストロ。お話が始まりました。

「僕の生まれる4年くらい前にバーンスタインさんはお亡くなりになったので、僕は実際にはバーンスタインさんにお会いできていないのです。でも僕の指揮の先生がバーンスタインさんから教えて頂いているので今日のシンフォニック・ダンスは、その先生が直接バーンスタインさんに教えてもらった事を僕にも教えて頂いて、その部分は忠実に守りました」

「マンボ、を楽しみにされていた方もいらっしゃるかと思いますが、今のこのご時世ですので、舞台上から叫ぶという事は今回は見送りました。でも、バーンスタインさんが指揮をする、この曲の動画では、マンボ!とは叫んでいないのです。どちらが正しい、とか、なぜ叫ぶようになったのかは、ちょっとわかりません…」のようなお話でした。私も今日はマンボ、叫べるのか、どうなのかなぁと思ってましたが、やはり今は叫ぶのは無理でしたね。

それと、なぜ叫ぶ版と叫ばない版があるかという疑問ですが、2015年6月放送のNHKららら♪クラシックでシンフォニック・ダンスが特集された時の番組録画を見返すと、その中で「初演からマンボ!の掛け声はなかったが、色んなオケが演奏するうちにどこかでマンボ!の掛け声が入るようになり、楽譜にも書かれるようになった」との説明がありました😝

プレイリストの動画の中には、マンボ!を叫ばない版(バーンスタインさん指揮、ニューヨークフィルハーモニック演奏)と、マンボ!を叫ぶ版(グスターボ・ドゥダメルさん指揮、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ演奏)を載せました。グスターボさん指揮の方はマンボ、のみの動画ですが、音楽って素敵だな、っていつも思う大好きな動画です!


【弦楽のためのアダージョ 作品11】


マエストロがお話をされている間に管楽器チームと打楽器チームは舞台から下りてました。舞台上は弦楽器チームのみです。
「今回の演奏会で最後に決まった次の曲は、元々は弦楽4重奏の曲だったのですが、今は弦楽合奏の曲となりました。バーバーさんのとても有名な曲ですので、説明不要ですね。今、この世界で起きている事を思って演奏します」と静かに話されて演奏が始まりました。

この曲は最初、タイトルだけではピンと来なくて知らない曲だと思ってました。ですが、演奏が始まると、これは聴いたことがある曲でした。映画とかTVとかで弦楽器のみで奏でられる、厳かな曲です。中間部あたりでチェロが旋律、第二ヴァイオリン、ビオラが伴奏し旋律を支えている所があったのですが、低音域での演奏を生で聴くという、今までなかなか経験のない事で、この辺りからまた涙が自然にあふれてきて、仕方なかったです…。
シンフォニック・ダンスに続いて、この曲も静かに静かに終わります…。
素晴らしい演奏でした。 

余談ですが…帰りのバスの中で、この曲の動画を探してドゥダメルさん指揮、ウィーンフィル演奏を繰り返し聴いていました。
プログラムには、「ルーズベルト大統領、ケネディ大統領の死を知らせるラジオ放送、あるいは物理学者アインシュタインの葬儀などで演奏される」と書かれているのを読んで思い出したことがありました。
ミュージカル「エビータ」の冒頭が、ラジオ放送でアルゼンチン大統領夫人エバ・ペロン(エビータ)の死去を伝えるシーンだった事です。

その後、フォロワーさんから1本の動画が送られてきて、それはこのバーバーのアダージョの歌ver.でした。弦楽器の演奏ではなく混声合唱でのアダージョは、また悲しく切なくて…。
その動画を見て驚いたのは、合唱の方が皆さん黒の衣装で時折、キャンドルが効果的に動画に映るところ。
エビータの冒頭もラジオ放送の声が聞こえた後、黒の衣装の男女がキャンドルを持って現れて葬儀のシーンへ進むのです。動画を見て、本当にビックリしました。エビータの舞台を思い出していたら、同じような映像が流れてきたので…。余談でした。

【「スター・ウォーズ」よりメイン・タイトル】


バーバーのアダージョが終わり、また管楽器チームと打楽器チームが舞台に戻って来ました。
マエストロのお話。
「ウェストサイドから、スターウォーズ、だと、もうイケイケドンドンの演奏会になってしまうので、何かもう一曲、と探していて、バーバーのこの曲となりました」
「僕はスターウォーズオタクでして…笑」
「今から200年前に演奏されていた''大衆音楽"は、今の時代にクラシック、として受け継がれています。これから先の200年後は、このスターウォーズやハリーポッターの曲もクラシックとして、ずっと演奏され続けると信じています。」

曲が始まれば、もうあのおなじみのメロディが、バンバン流れてきて、あぁジョンウィリアムズさんは、スゴイ曲たくさん作っているなぁ、なんて偉そうに思っていました😝
最後にこんなに管楽器チームバンバン吹いて目立つ曲で最高に盛り上がって終了…。
マエストロはソリストさん達をご紹介して、私達はたくさんの拍手を送って。マエストロは、袖に下がっても、また拍手で呼び戻され、を何度か繰り返しました😝


余談…。
プログラムには、ジョーズ、スーパーマン、シンドラーのリストなどなど書かれていて、来年公開予定のインディジョーンズの最新作にも音楽提供するそう。90歳のジョンウィリアムズさん、スゴすぎる!
私がジョンウィリアムズさんの曲で思い出したのは、1984年のロサンゼルスオリンピックの時の「オリンピック・ファンファーレ」という曲です。社会人バンドの定期演奏会で演奏した記憶…。今、聴いてもめっちゃカッコいい…。


【アンコール】


袖に下がり、呼び戻され、たくさんの拍手を受ける太田マエストロ。また下がり、その後まだ拍手は続いているのに、なかなか舞台に現れない…。
えっ、お腹でも痛くなってトイレとか行っちゃったのかなぁと心配していたら、なんと…。
ダースベイダーのコスプレをしてご登場…🤣ヘルメット、というかフルフェイスの被り物2種、黒いマント、手にはライトセーバーを持って、楽しそうなマエストロ😝

オタク、ってさっき言ってたけど、こういう事だったの…。

ヘルメットは外して、ライトセーバーも指揮台に置き、始まった曲はやはりインペリアルマーチ、でした。
これも金管楽器は、高音を出すのに大変な曲でした。でも、オーケストラの最高の迫力で終わり、最後の最後までお疲れ様でした…。

そして、マエストロは下がって、また出てくると、ソリストさん達をご紹介して、その後田島コンマスにヘルメットとかを持って帰りなさい、みたいに促され、マエストロはヘルメットとライトセーバーを抱えて、また下がり。

私達はまだまだ拍手を続けていたら、またマエストロがご登場、そして、一緒に角野隼斗さんもご登場!
これには会場の皆さんも私もビックリ!

みんなマスクしているけど
「わぁ〜〜」って声、聞こえて来ました😝
私も言っちゃった!

もう、お帰りになったかと思っていたから…。
でもコンチェルトの演奏会の時はソリストさん最後までいるのかなぁ、とか考えていました。
とにかく、また、角野さんの笑顔が見れて本当に本当にうれしかった!
そして、オケの皆さんも立ち上がって拍手を受けてます…。

最後のカーテンコールがとても温かくステキな時間でいつまでもホールで余韻に浸りたかったです。



【2023年のあとがき】

2023.2.15記
Twitterにぶら下げたままだった、私の大事な初角野隼斗さんの演奏のコンサートをやっとnoteにまとめる事が出来て良かったです‼️
だって、明日2023.2.16に、なんと最新のめっちゃ進化した角野隼斗さんのラプソディ・イン・ブルーの動画が公開される事が先程リリースされたのです…。
やりかけていたnoteの編集を焦ってやりました笑笑
最初のツイートにちょっと追加、訂正などしたけれど、13000文字超えは自分でも驚きです…が、ここまで読んで頂きありがとうございました😊
明日は、最新が最高のラプソをYouTubeで聴かせて頂きます❣️

そして、来週2月22日には、札幌Kitaraホールで念願の角野隼斗さんのソロコンサート‼️
悪天候にならなければ、私が初めて角野隼斗さんの音を聴いた思い出のKitaraで、今度は何曲も何曲も角野隼斗さんの音色だけを聴けるのが本当に楽しみで仕方ないです❣️

以下、レポに少し書いた、バーバーのアダージョで思い出した劇団四季さんのミュージカル、エビータのプロモーション動画を置きます。
冒頭のシーンがバーバーのアダージョの動画と似ている気がしまして…

それと、シンフォニック・ダンスの事、ウエスト・サイド・ストーリーの映画、音楽の事を書くにあたり、調べたサイトを3つほど置きます。

読んで頂きありがとうございました😊

2023.2.17追記
楽しみにしていたラプソの公開は大人の事情で延期に…

でもでも、このインスタライブのラプソが素晴らしいラプソでした❣️

約30分、ラプソをベースにたくさんの作曲家さん達のたくさんの曲が、かてぃんさんの指からあふれ出る音色となって、たくさんの愛を感じるステキなライブでした❣️

佐渡裕マエストロとのラプソが公開されたらまたここに追記しますね❣️

かてぃんさん、昨夜はありがとうございました😊
たくさんの優しさ、いつもありがとう💕

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