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古滝屋・里見喜生さんとの出会い

お世話になっております。里見係のまっきーです。

1か月里見係を続けてみまして、自分の想像以上に周りから反応をいただいたことに、内心めちゃくちゃ驚いておりますー!初めてお会いした方にも「里見係の方ですか…?」と話しかけられることもしばしば。

Instagramも 4/27(木)現在、120名の方からフォローいただきまして、一部ではありますが、ちょっとずつ「里見係」が認知してもらえているなあと感じ、嬉しく思います。


さて、本日書いていきますのは、古滝屋・里見喜生さんとの出会いです。

これまでその辺についてくわしくお伝えしていなかったので、皆さんの中には、なぜ急に里見係が生まれたんだ?と疑問に感じてらっしゃる方もいるかもしれません。

今日は里見係が誕生した経緯について、少々長めですがご紹介したいと思います。しばらくお付き合いください。

きっかけは"さすかるインターンシップ"

ぼくが古滝屋に初めてかかわったのは半年前。2022年8月~9月中旬にかけていわきで行われた"さすかる"というインターンシッププログラムがきっかけでした。

このインターンシップは、いわき市の平と湯本を中心とする複数の事業者さんのところにインターン生が滞在して、いわきの様々な人・モノ・コトと触れ合いながら、自分でテーマを設けて活動に取り組むといったプロジェクト。

受け入れ先の企業さんは以下の通りです。

インターン最終日には、1カ月の滞在を通してインターン生が行った活動を全体で振り返る最終発表会を実施しました。

古滝屋を選んだ理由

さすかるインターンシップに参加する際に、まず初めに考えないといけないのがインターン先を決めることでした。

複数のインターン先がある中で、募集要項を読んだり、各インターン先のHPやSNSを調べたりしまして、最終的にさるかる運営の方との面談で、ぼくは古滝屋にお世話になることを決めました。

なぜなら古滝屋は、他の事業者さんよりも自分にぐっとくる共通点があったからです。

それは、家業というキーワード。

・・・

僕の出身は岩手県岩泉町で、実家は飲食店を経営しています。まちの食堂みたいな感じです。(田舎の食堂にありがちな、なぜかメニューが多いあの感じです。)

しょおじょお食堂といいます。猩々食堂ともいいます。どっちが本当かわかりません。

開業したのはぼくのおじいちゃん。1970年に始めて、今年でいつの間にか53年目を迎えました。ぼくのおとうさんが2代目を継いで、今はお母さんと二人で切り盛りしています。

こういう環境に育つと、よく地元の方から聞かれたのが、まっきーは実家継ぐの?という質問。(自営業の子どもあるあるだったりするんですかね。。。)

それもそのはず、ぼくは一人っ子だから。
周りからみたら熊谷家の唯一の後継ぎですから、そういわれるのは当然といえば当然ですよね。

そういわれることが多かったぼくは、進路を考え始めた中学3年生くらいから、実家を継ぐ or 継がない 以外の選択肢って、具体的にどんなものがあるんだろうと漠然と思うようになりました。

けど、その漠然とした感じが今までずっと続いてて、ずるずる大学3年生になり、結局就活という文字が見え隠れする時期まで来てしまいました。
こういう時期に出会ったのが、さすかると古滝屋だったんです。

・・・

古滝屋は元禄8年(1695)創業で、今年で328年の長い歴史を持つ老舗の温泉旅館。江戸時代から代々続き、現在の当主の里見さんで16代目なんだそう。

僕の実家と古滝屋では、歴史や伝統という点では雲泥の差があるし、事業の規模や運営形態なども大きく違います。けど、同じ家業であることに変わりはない。

さすかるでのインターン先を古滝屋に決めた時の感情は、いまいち覚えていないんですがおそらく、実家との向き合い方を考えるヒントが、もしかしたら古滝屋にはあるのかもしれない。そういう直感が働いたのかもしれないなあと今になって思うんです。

けど、インターン先を古滝屋に選んだ当時の事を振り返ると、家業についてめちゃくちゃ悩んでいたかと言われればそうではなくて、家業っていう共通点があるから親近感がわいたのと、温泉旅館に滞在しながら地域の人と交流したり、自分なりにやりたいことを見つけて行動するって、めっちゃ楽しそう!と思ったから、インターン先を古滝屋に選んだというのが本音です。

(あと、毎日温泉に入れるじゃんさいこーという下心も全く無かったとは言えませんし。特にさすかる運営陣の前では。笑)

インターンシップ中

古滝屋でのインターンシップでしたことは、

客室の布団やシーツ類の片付けや、

お風呂掃除などの裏仕事。

朝食会場の準備、配膳も行いました。

そのほかには、古滝屋で行われるイベントに参加したり、

毎月26日に古滝屋の1階ブックラウンジで開催される「湯カフェ」
ふくしまオーガニックコットンプロジェクトのイベント
定期的に開催される音楽ライブも。

当主の里見喜生さんの活動に同行させてもらったり。

里見さん自らガイドを務めるFスタディーツアー。福島県富岡町を巡ります。
古滝屋9階の宴会場を改装して作った「原子力災害考証館」

そうこうしているうちにあっという間に1か月半が過ぎ、迎えたインターンの最終発表会では、古滝屋の湯治場としての役割について考えたことを発表しました。

インターンシップ後

9月中旬でさすかるインターンは終了してしまったんですが、ぼくはその後も定期的にいわきに通う生活をしていました。大体月1~2回の頻度です。

何をしていたかというと、古滝屋やさすかるインターンでお世話になったほかの事業者さんのイベントに参加したり、お手伝いをしたりしていました。(お手伝いの謝礼までいただいたこともありました。大変ありがとうございました。)

そういったインターン期間中からのいわきの方々とのご縁もあって、4月から昨年のように古滝屋での住み込み生活をすることになったのです。

「しあわせ」たから、ここにいる。

これまでいろんな人と会って、さすかるの事、古滝屋の事、里見さんの事をお話しするたび、なぜ大学を休んでまで古滝屋にいることにしたんですかと聞かれることが、2月~4月時点で結構ありました。

実はこの質問、僕がされて一番苦手な質問だったんです。笑

なぜなら、明確な目的がないからです。

世間一般には、インターン=就活のためというイメージが強いんじゃないでしょうか。
就活に役立てるためにマーケティングを学んだり、営業を学んだり、接客を学んだりする。

質問される方の中には、就活目的で古滝屋でインターンしてるものと思って、古滝屋で何を学びたいんですかという聞かれる方もいらっしゃいます。

でも、ぼくが古滝屋にいるのは、就活のためでは全くなくて。

なのでこういう質問に対しては、とりあえず夏休み中のインターンの続きがしたくて‥‥みたいな返答をし続けて、相手を困らせてきました。

けど、そういう返答をするたび、なんだかしっくりこないなあという思いがぬぐい切れなくて、ずっともやもやしていたんです。考えても考えても、うまく言葉に表せなくて。

・・・

そんなぼくに、ある方がこんなことを言ってくれたんです。

「それって、"出会っちゃったんだよね"って感じでしょ。」と。

加えてその方は、
"なんでいわきなのとか、なんで古滝屋なのかっていう質問ってさ、食堂やってる家に生まれたまっきーに対して、なんで食堂にいるの?と言っているのと同じような感じだよね"と。

この言葉を聞いて、なんだか今までのもやもやが吹き飛んだんですね。

公務員でもなく会社員でもない、自営業をしている家に生まれたのはほんとにたまたまで、ねらって食堂やってる両親のもとに生まれたわけじゃない。

古滝屋との出会いも振り返るとおんなじだなあと。
たまたま知人が紹介してくれたのがさすかるインターンで、たまたま学生の受け入れ先の企業に古滝屋があって、たまたま古滝屋の当主が里見喜生さんという人だった。それに自分が興味を持って足繁く通ううちに、休学して旅館に住み込んでいると。

そういう偶然のかさなりに興味を持ったから、いわきや古滝屋にいる理由や目的を聞かれたときに、何を学びたいとか、就活に役立てたい、というワードが出てこなかったんだなあと。

・・・

今思うと、
ぼくが里見係として活動する上で大切にしたい「しあわせ」と、"であっちゃんたんだよね"は、ほぼ同じ意味じゃないかと思っています。
(「しあわせ」についてはこちらのnoteで書いてます。)

「しあわせ」という言葉には、めぐりあわせという意味もあります。

ぼくが古滝屋にいるのは、さるかるインターンから始まったいわきとの偶然のめぐりあわせ、つまり、ぼくと古滝屋・里見さんが「しあわせ」た結果なんです。

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