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暗黒舞踏を観に世田谷へ

2月5日、世田谷パブリックシアターに行ってきました。三軒茶屋のキャロットタワー内にあるシアター。かなり前にゴンチチのクリスマスライブで一度来たことがあったけど、その時以来だから、かなり懐かしい。

2月4日から7日まで、世田谷パブリックシアターで大駱駝鑑 天賦典式の「ダークマター」の公演があると知ったのは数週間前。偶然ヤフーニュースに主催者である麿赤兒さんの記事が載っていたのを見た。その記事は昨年行われたフランスのダンサー、フランソワ・シェニヨーとのコラボ、「Gold Shower」絡みの内容だったが、記事の最後の方に今回の公演が書いてあった。

麿赤兒さんを見て思い出したのは、暗黒舞踏の創始者で舞踏家の土方巽さん。学生の頃、目黒のアスベスト館に数回、行ったことがある。
確か、土方巽展みたいな催しをやっていて、それで行った記憶がかすかにある。
学生の頃、澁澤龍彦さんの書いた作品に没頭していた。澁澤さんの友人に土方巽さんがいたので、自然と土方さんにも興味があった。
ただ、私がお二人を知った頃にはもうこの世には居なかったため、土方さんの暗黒舞踏を直接観たことがない。

なぜ暗黒舞踏を知っているのか?
それは数年前、横浜で行われた横浜トリエンナーレで、土方巽さんの映像を見たからだ。
どんな作品だったのかは覚えていないけれど、土方さんが1人、舞台の中央でぼろぼろの衣装を身に着けて踊っていた。
観ていて、なんとも言えない衝撃を受けたのを覚えている。なんとも表現のしようがない、けれど何かすごいものを感じた。

それ以来、暗黒舞踏を観たことがなかったけれど
今回の麿さんの記事を見て、これは一度生の舞台で暗黒舞踏を観てみたいと思った。
麿さんは土方巽さんのお弟子さんだと知っていたから、なおさら観たかったのもあった。

この日の開場は19時。
緊急事態宣言中なので、時間が早まらないか、世田谷パブリックシアターのホームページで確認してから会場に来たが、変更はなかった。
19時過ぎに会場の中へ。

19時半に開演なので、会場内を少し回ってからお手洗いを済ませて舞台がある一階席へ。
席は中央ブロックの前から6列目くらいだった。
予想外のど真ん中。
本来ならもっと後方なのだが、舞台すぐの座席ブロックはやはりソーシャルディスタンスでなくなっていた。

開演の時間まで席に座っていると、だんだんと人が入ってきて、一階席はほぼ満席に。
驚いたのが、席はひとつ空けて座ると思っていたが開けずにみんな座っていく。
今までソーシャルディスタンスでひとつ席を開けて座るのが当たり前だと思っていたので、隣にカップルが来た時は戸惑ってしまった。
まぁ、みんな入場の時に検温と消毒してるんだし、大丈夫でしょう…。

そして19時半。麿さんの声が聞こえてきました。
こんな大変な時に会場に来て下さってありがとうございます。全力で踊りますっていうようなご挨拶でした。

そして会場が暗くなり、舞台が始まりました。
最初、音楽がなくて、静まり返っていて、ピンと張り詰めた空気が漂っていてなぜか観てる側が緊張しましたが、次第に照明がついて、音楽が始まり、踊りが始まると…いつの間にか舞台の世界に引き込まれて、夢中になって観ていました。

麿さんが出てくると、やっぱり存在感があるというか…オーラが違うというか。麿さんを生の舞台で見たのは初めてでしたが、やっぱり空気がガラッと変わるというか、凄いなと。
存在感も、踊りも…何もかも凄い。これが土方巽さんから受け継いだ踊りなのかなとも思うし、麿さんが考えたオリジナルの踊りももちろん入ってると思うし。なんか圧倒されましたね。

麿さんが旗揚げした、この大駱駝鑑・天賦典式。
今まで知らなかったけれど、暗黒舞踏が若い人に受け継がれているんだなって、舞台を観ていてなぜか安心した。土方さんが作った暗黒舞踏が麿さんで終わってしまうのは、とても寂しいからね。
麿さんの踊りを若い人が受け継いでいく。とても素晴らしいことだと思う。

舞台は1時間ちょっとで終了しました。
あっという間でした。
カーテンコールには3回応えてくれました。
2回目の最初に麿さんが出てきて、席からたくさんの拍手に少し驚いていたような感じだったけど。
心の中で感動してたのかな。

すっかり暗黒舞踏が好きになってしまいました。
もう一度観たかったけど、日にち的に、時間的にもう無理だった。観に行けてよかったです。

今度世田谷パブリックシアターで会えるのは、10月。今度はまた違う演目なので、今から楽しみです。

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