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『地下迷宮に眠る謎 2023』 クリアしました

 色々な人に遊んで欲しいな〜という作り手の気持ちが見えるプログラムでした。

 名古屋市営地下鉄を存分に使っての、名古屋の街歩き周遊謎解きシリーズ。2020年についで、3年ぶりに新作です。謎製作は、地下鉄謎といえば!という感じになりつつあるSCRAPさん
(そういえば東京メトロの謎解き、2023年は開催予定って発表されてた気がするけど、この時期になっても何もアナウンスがないということは、結局今年はやれないことになってしまったのかな……でも、去年も2014RIVIVALが12月に突如開催されたから、まだ希望は捨ててはいけない)

 われわれ、なにげに愛知県にはよく足を運んでいる気がするのですが、主に明治村の謎解きと名鉄の謎解きが目的なので(笑)。名古屋市内は実はあまり詳しくありません。なので、この名古屋市営地下鉄の謎解きは今回3回目ですが、楽しみにしておりました。
 観光を兼ねた周遊謎解きとして、高いクオリティに達したプログラムです! 名古屋に行く機会がある人には是非にとオススメしたい。
 ……ただ個人的には、ちょっとどうかなと思うところもあったので、「このプログラムのために名古屋に行こう!」とまで言えるかどうかは……その辺りは、またのちほど。

  • 名古屋市営地下鉄一日乗車券を駆使して、丸一日かけて名古屋市内のあちこちを駆け抜ける、正統派のプログラムです。ストーリーは特にありませんので、じっくり観光と名古屋市の風景を楽しみましょう。

  • われわれ、このプログラムとは関係ないところに行く用事を挟んだこともあってかなり変則的な動きになってしまったため断言はできないのですが、一日あれば十分クリアできると思います。

  • 中盤の佳境の謎は、暗い状態で解くのはかなり大変になりますので、早めに始めるのがオススメです。……と言いつつ、真っ暗な中で解いている人もたくさん見かけましたので、その辺はまぁ根性次第(笑)。スマホや小型ライトを駆使して頑張るんだ。
    また最後の方の謎は、むしろ少し暗くなってからの雰囲気を楽しんでほしいんだろうな〜と感じました。

  • タイムスケジュールがかなりしっかり考えられていて、素直に解いていけば、座って謎を解いたりゆっくり食事をしたりといったことができるようになっています。われわれのようにプログラムの想定と外れた動きをしなければ(笑)トラブルはまずなさそうでした。

  • 行ったところは、「面白いな〜この謎解きがなければ知らなかったな〜」という場所が多くて、その駅のガチ地元の人でもないと、名古屋在住の人でも知らないことが多いのでは?と感じました。堪能できたよ!
    まあ名古屋観光といえばここは外さないだろうなというガチのガチなところも行きますが、それもまたヨシ。

  • 謎に詰まったらヒントを活用できますし、またそのヒントも最後まで見れば答えがわかるようになっているので、ハマりはしません。

  • ……とまぁ、ここまで手放しに称賛してきましたが、正直、解く謎についてはちょっとどうかな、と感じました。好みの問題と言えば好みなのかも知れないけど、ヒントで答えがわかるからいいだろうとばかりに、不親切なものを大量に投入してきた印象があります。

  • 難しい、ではなく「不親切」という印象です。
    Step3の面倒くさい細かいパーツの扱いもどうかと思いますが、ここに限らず、「普通に説明すればすんなり通じるものを、わかりにくく回りくどく説明することで謎に仕立てる」という方向性で成立させている謎が複数あり、考えるとかヒラメキとか以前に、「なぜ私はこんな不親切なテキストにつきあっているのか……?」と我に返ってしまう(笑)ので、しんどい場面がちょいちょいありました。

  • 最後の大謎は、案の定、大工作モノで、これもモノができあがるとなかなか感動的な風景なのですが、作る過程もやはり不親切なテキスト頼りなので、だんだん「たぶんこういう形を作らせたいんだな」「この文字を拾わせたいんだな」といったメタ読み(笑)に走るようになり、若干感動が割り引かれてしまいました。

  • 他の謎解きタイトルの工作モノで、かなり無理くり工作の手順をテーマと絡めてこじつけてくる(笑)のを毎回苦笑混じりに見ていたのですが、あのこじつけは意外とフレーバーとして重要なんだな……と今回実感しました。

 全体的に、ひとつの世界観へ没入させることよりも、「楽しく名古屋観光してくださいね♪」というのを優先させているタイトルだと思います。
 反面、謎解きガチ勢へのサービスとして難易度の高い謎も成立させようとするあまり、不親切になった空気も感じ、広い層に遊んでもらう謎解きのバランス取りは難しいなと思いました。

 まぁでも全体的に、しょっちゅうSCRAPさんの脱出系ナゾを解きまくっている皆様には、あまり違和感を感じない謎の作りなのかも知れず……。
(SCRAPさんが出版されている謎検定本なんかでも、不親切系ナゾをよく拝見するので)
 そういう意味では、良くも悪くもSCRAP系タイトル、と言えそうですね。

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