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フェンネルの香りとしなやかに踊る TeTe #2 WORKDAY BALANCE

 意外と思いつかない組み合わせだと思います。フェンネルと煎茶。

 日本茶を、いわゆる「オーエキゾチックマッチャ!グリーンティーベリベリヘルシー!」なノリではなく、もっと自然体に、その魅力を世界に受け入れてもらうための試みとして、スパイスをブレンドした日本のお茶を作っているTeTeさんのお茶を買ってみました。

 と言いつつ、私は普段フレーバーティーは全然飲みません。香りの好き嫌いが激しく、また世間一般のフレーバーティーは私には強過ぎる香りなので、自宅ではもちろん、お店でも選べる時にはまず選びません。
 世間であんなに愛されているアールグレイも、私が自分から選んで飲むのは年に1回あるかないかです。外食のコースで出される最後のお茶が問答無用にアールグレイというパターンが多いので、「年間フレーバーティーキャパ」がそこで使い尽くされている気がする。

 何でそんな人間がスパイスティーを買ったの、と言われそうですが、いやスパイスの香りは結構好きなんですよ。TeTeさんのお茶は香料ではなくスパイスをブレンドしたものなので、私の中ではフレーバーティーではないのです。スパイスティー。あくまで。

香りが他の茶器と干渉しないように、ビーカーで淹れてみました。蒸らしは平皿で蓋。

 よくわからない個人的なこだわりはさておき、今回いただいたのは、煎茶にフェンネルをブレンドした、TeTe #2 Green Tea with Fennel Seeds。「WORKDAY BALANCE」と銘打たれております。

 推奨されている淹れ方は、熱湯で100秒抽出。この淹れ方だと香りが非常によくたちます。淹れてすぐに飲むと、熱さに緑茶の味わいが隠れてしまう雰囲気があるので、淹れたての瞬間はたちのぼる香りを存分に味わって、少し冷めてからお茶としていただくと、このお茶の本領を味わえるのではないかなと思いました。

 フェンネルと緑茶の味・香りのバランスが、ここだなという最適の一点で花開いています。素晴らしいブレンドの妙です。ここにたどりつくまでに、茶農家さんとブレンダーさんは相当神経を遣われたと想像します。
 ちょっと熱と湿気を含んだ神秘的なフェンネルの華やかで力強い香りと、煎茶の青い淑やかな味わいが静かなダンスを踊っているようです。

 そして渋過ぎない・苦過ぎない・濃過ぎない・くどすぎない。一歩踏み外しただけで「色のついた香湯」になりかねないフレーバー(スパイス)ティーの難しさは、自分で作ってみると痛感しますが(苦笑)。
 香りを存分に味わいながら、飽きずに舌が痺れずにさらさらと飲めるお茶になっているのに唸りました。

濃い味のカカオとも仲が良い

 シードケーキみたいな素朴な焼き菓子と一緒にいただくのも美味しそうだなぁ……と思いつつ、今回はMinimalさんのHIGH CACAOのタブレットと合わせてみました。カカオバター少なめストレートな味わいの高カカオチョコレートとぶつけても、しなやかにたおやかに踊り続ける力があります。
 スパイスティーは個性が強いのでお相伴にガッツリしたコクを求めがち、バターやクリームをたっぷり使ったお菓子を合わせることが普段の定番なのですが、意外にもこういうクリアでシンプルなものと合わせても綺麗に調和して美味しかったです。

 スパイスティーの新境地を感じるメーカーさんに巡り合えたなと思います。他のブレンドを味わってみるのが楽しみです。

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