見出し画像

『おもいでホテル 忘れたこころと出会う場所』 クリアしました

 クラシックホテルの空気を満喫できます。

 ホテルニューオータニ東京で開催されている、ホテル宿泊型謎解き『おもいでホテル 忘れたこころと出会う場所』をクリアしてきました。謎製作は、京王プラザホテルに引き続き、タカラッシュさんです。

 ホテルニューオータニに泊まろうとやってきた主人公、しかし何故かホテルのスタッフが見つからずチェックインできず、ようやく出会えたスタッフに導かれてチェックインすると……? という導入から始まる、心温まる物語です。

 ボリュームたっぷりの内容で、堪能いたしました。そして難しかった……! 何とかいわゆるトゥルーエンドまでたどりつきましたが、かなりギリギリでした。
 われわれを担当したフロントの方が「私の担当した限りではこのエンドまで行けた方はお客様が初めてです」とおっしゃっておりまして、さすがにわれわれが初トゥルーエンドクリア者ではないとは思いますが(笑)、ちょっとついでに遊べる内容ではないのは確かです。

  • 何より意識しなければいけないのは、夜22時で閉まってしまう場所に行く必要があるのと、ホテルニューオータニ内の大半のレストランのラストオーダーが夜7〜8時という早い時間であることです。
    そう、うっかりすると夕飯が食べられなくなります(笑)。手応え十分の謎を必死に解いていると、割とあっという間に夜8時とかになってますので。
    ニューオータニ内のなだ万さんや藍泉さんや久兵衛さんe.t.c…で豪華夕食をいただきたいという方は、相当意識してタイムスケジュールを組んで頑張りましょう。
    21時台の段階で第三章を(追加キットの謎含め)クリアして移動できないと、詰むと思います。

  • またニューオータニは歴史あるホテルだけあって、複数の建物にまたがっており、連絡通路が複雑で、階数がズレてたりします(メインエリアで6Fから連絡通路をたどってガーデンタワーエリアに行くと4F表記になってたりする)。
    方向音痴には容赦のない作りですので、「頑張れ……!」としか言いようがありません。頑張れ……! 私はパートナーの軽鴨の君に移動の全てを丸投げした……。

  • あと、謎10の迷路のところは、後で確認した解説サイトともらった冊子のアイテム配置がズレてたり、解説サイトの正解ルートがちょっと不自然だったり、微妙に誤植かバグが発生してる予感です……。後に修正されるような気がします。私の勘違いかも知れないけど。

  • ストーリーは、ホテル宿泊型プログラムの定番モチーフ「チェックアウトするにはどうすればいいのか?」ですが、そこに主人公含め色々な人の思いを絡めることで、しみじみした物語になっています。

  • ARでオブジェクトを読み込むことで謎を進行させていくのですが、読み込む対象は比較的わかりやすく、読み込みミスも少なめでした。以前、別の謎解きタイトルでARを使うものがあったのですが、その時は全然読み込めなくて、「自分が間違ってるのか、ARが読み込めてないのか」が判別できずに苦労しましたが、そういう心配はかなり払拭されています。
    とはいえ、この辺はハマると本当にハマってしまうので、可能な限り複数人でプレイした方がいいでしょうね……。

  • ARを使うこともあり、ホテルのスタッフさんのマンパワーを使わないといけない部分は、最後の報告だけです。スタッフさんに合い言葉を言ったりしないといけない場面はないです(笑)。スタッフさんの自然な対応が見られないのは残念ですが、あの手のギミックは「スタッフさんに『は?』みたいな顔されたらどうしよう」というプレッシャーが苦手な人も多いと思うので、これはこれでアリかと。

  • 謎の難易度は、はっきり言って高いです。難易度4表記ですが、タカラッシュさんの他のタイトルと比べると難易度5表記でよかった気がする。
    問題が難しいというより、そもそも「何をしないといけないのか?」というところから自分で見つけないといけないタイプの難しさ設計です。
    トゥルーエンドの見当がついてからも、「じゃあ何をすればその方向の情報が手に入るのか?」「この情報をどうするのか?」「問題が要求している条件はどうすれば満たせるのか?」といったことを全部組み立てないといけないので、悩んでるうちに時間が蒸発していきます。

  • ぶっちゃけ、報告は時間の許す限り何回でもしていいルールになっているので、最初からトゥルーエンドは目指さず、とりあえず不完全なエンドとわかっていてもどんどん報告していくスタイルがいいと思います。たぶん想定されてるのはそのルートですし。
    われわれは、たまたま本当に幸運もあってトゥルーエンドルートの見当がついたので一発でトゥルーエンドになりましたが、そうすると不完全エンドの結末は閲覧できないシステムになっているので、コンプリートを目指そうと思うならばむしろ不完全エンドから順に進むべきであります!(笑)
    その点、以前プレイした京王プラザホテルのタイトルよりはラクかも知れません。あれは一発報告しかできなかったので……。

↓京王プラザホテルの謎解きの感想

★★★

 こういう、「プログラムが指示する誘導に従っていると不完全エンドで、あえてプログラムの指示から離れて自分で考えて行動しないと真エンドに行けない」タイプの謎構成、かなり増えてきてますが、個人的にはこのタイプの謎は当たり外れが大きいと感じております……。

 この方向性の匂い(笑)を感じると、以降プログラムの一言一句を疑ってかかるようになってしまうので、素直に話の流れに乗れなくなってしまうのですよね。あと「人間の自由な発想を解放する」方へ頭を使い始めると、謎解きプログラムの「そうは言っても最後は一意に決まった解答を求めなければいけない」という非妥協性(笑)が、だんだんカンに障るようになってくるので。
 不自然さが全部綺麗に伏線として回収された!と納得できればいいんですが、「解答の都合に合わせて不自然な制限をかけられたなぁ」という気持ちにされてしまうと一挙に醒めてしまいます。
 納得性の演出のハードルが非常に高くなるので、作り手さんには「取り扱い要注意で頑張ってください……」という感じです。

 今回のプログラムは、その点かなりスレスレのところがありましたが、複数回報告可能というルールで「頑張ればいける」というところにうまく落とし込んだと思います。

 ホテルニューオータニさんは、非常にクラシックな高級ホテルという感じで、面白かったです。新・最強の朝食は噂通りのクォリティでした。
 いつかトゥール・ダルジャンの鴨料理を食べてみたいですが、私の小さい胃袋で食べ切れるのだろうか(笑)。と謎解きに関係のない話で終わります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?