きょうのゆめ『室外機/野生』

ぼくはゆうすけ。
いつも友達と4人で山の中へ遊びに行っているんだけど、
今日はボロ家の前が広けていたのでそこで鬼ごっこをして遊んでいたんだ。
いつもは、川遊びをしてあそんでいたんだけど、
寒くなってきて水も冷たくなったから
ボロ家の前で遊ぶことにした。

そのボロ家は、人が住んでいる気配はないけれど、
奇妙な大小様々な室外機が家の前に置かれていて、その室外機が出る風は、とても暖かかったから、
快適に遊んでいたんだ。


今日はめんこをしようと思ったが、室外機の風で飛ばされて遊ぶ気になれなかったので
缶けりをすることにした。
たまに、室外機の風が強くなり缶が飛んだこともあった。

ベーゴマ遊びもした。
ごくたまにその風でベーゴマが吹っ飛んだ。

不思議な室外機があるぼろっちい家だが、
たまに、研究所にいそうな男がたばこを吸って
遊んでいる僕たちをみていた。

ある日声をかけてきた。

「いつも、ごめんなさい。排気機で、邪魔してしまって
もしよければ、お菓子を用意しますよ。
遊ぶ場所もあります。どうですか?」

と案内され、
僕たちは、ちぐはぐな家の住民をみて、家の中が
どうなっているのか、わくわくしていた。

家の中に入らせてもらった。
ボロ家の中に鉄格子の今にも壊れそうなエレベーターがあった。

がたつきながら、降りていく。
僕たちは、落ちるんじゃないかと冷や冷やして
恐怖で声が出る。
最下階にさしかかったところで想像より静かに止まりドアが開いた。

「下には降りないでくださいね。
今はここは使ってないので、ここで遊んでくださいね。」

とおじさんは、ぼくたちにいった。

鉄の足場で作られた広い場所で荷物の仮置き場のような場所だった。

真ん中は吹き抜けになっていて、下が見える。

下は巨大な荷物置き場になっている。

何日かは、そこで遊ばしてもらった。
もちろん、こんないい場所親には言わない。
いつの間にか友達の一人が白衣のおじさんと勝手に呼び始めた。

たまに、白衣のおじさんが、カラフルな変なクッキーをくれたりしていた。

その場所は、広く鬼ごっこがすごく楽しかった。

白衣のおじさんは、僕たちをみて、笑顔でみていた。

お菓子については

「お得意様によくもらうのだけど、よかったら、食べる?」

とこっちまで笑顔になる顔でくれる。

その仮置き場には、気になるものが置いてあった。

純金製の優勝カップのようなもの。
楔文字のような文字が刻まれている。

それが、いつのまにか無くなっていた。
そして、3つ目がなくなる日、

突然、電話を取っていた白衣のおじさんが慌てだす。

遊んでいた僕らを丁寧にとある部屋に入れた。
入ったときに友達のひじに押されて、ぼくは後ろに倒れた。
痛い、頭を打った、、、
だけど、ケガはしていないようだったので、すぐに立ち上がる。

だけど強烈な頭痛がしてきた。
頭の中で流れ込んでくる。

リャイ人マフィア系の人がやってくるイメージが流れてくる。

「例の武器はまだか?」

リャイ語でけたたましく言う。

周りの友達は、
「監視室」だと盛り上がり
「あの人たち誰?」とか
「怖い」とか言っている

ぼくだけに流れているようだ。
目の前がぐるぐるする。気持ちが悪く、
少ししゃがみこんだ。
なんだか、聞いたことがあるような気がする。
口でチャイ語も口ずさめそうだ。

その場所であろう音声がスピーカーから流れてくるのだが
彼らの言うことが先に日本語で流れ込んでくる。

白衣のおじさんは、丁寧に謝っている。

「あの方はいますから、もう少し待ってください。」

「これをもらっていくから次もう一つ取りに行くとき、やつを出せ。」

といい、純金カップを仲間に渡した。

「ナメてるのか!国家に逆らうんじゃないぞ!」

リャイ人の罵声が後ろから聞こえてくる。

「これでぶちかましてやろうか。」

とリャイ人の声がかすかに聞こえた。


「申し訳ありません。次には出しますから。」


気持ち悪さが収まってきた。
もう、何も流れ込んでこない。
モニターをみるとイメージで流れてきたマフィアたちが写りこんでいて、帰っていくのをみた。

しばらく待っていると
扉を開ける音がした。

「ごめんなさい、いきなり、部屋に入れたりして」

とおじさんは謝ってくれた。


今日はこれで帰ることにした。

何日か空けてまたやってきた。

おじさんは、入れるのをためらっていたが、
入れてくれた。

ぼくは、疑問に思っていた。
あれは何だったのか。でも遊んでいたら忘れていた。

下の荷物置き場を見せてくれるというので
見せてくれた。

その端に紫の光をまとった機械がある。

これは、何かおじさんにきいてみた。

「今、旅行中なんです。
早く帰ってきてほしいのですが・・・」

と言った。

ぼくは、そうじゃなくて機械のことを聞き直そうとしたとき、

また、頭が痛くなる。

この場所が怖いチャイ人でたくさんいるイメージが流れてきてぼくたちが物陰に隠れて怖がるのがみえた。

そして、一人友達が間違えられてチャイ人に捕まってしんでしまうイメージも見えた。

そして、ボロボロになるおじさんも見える。

ぼくの後悔の感情が流れてきた。

ぼくは直感で未来の出来事だと思った。

純金カップが一つだけの時である。

頭痛が収まった。

気になったので確かめに入ってみた。
今は2つだ。

おじさんが階段を上がってきて、

「あまり触らないでくださいね。お願いしますよ。」

と、ぼくを純金カップのケースから離す。

ぼくは、みんなに帰ろうといって帰った。
その時のぼくは、なぜかマジだった。

おじさんは、不思議そうにみていたけど。

その後、その見たイメージが怖く、
それからそこへ行かないようになった。
友達も行きたいといっていたけど
なぜか行かせたくなかった。

一つだけ、気になることがあったけど
その山の近くで遊んでいたとき、花火が上がるような音とパチパチとした音が聞こえていたけど
何だったんだろう?

また暖かくなった頃、川遊びにいくため、
またあの山に遊びに行った。

その時は忘れていたけどまた、あの場所へやってきた。

開けた場所があったが、家も何もなかった。
なんだが、わからないけど泣いていた。

みんなは、持ってきたむしあみでチョウを捕まえに走りにいった。

ぼくは、友達にわからないようにチョウを探しに行くふりをした。

ぼくは、ずっと、マフィアに友達がころされてしまう
運命のループにとらわれていたことに気がつく。

歩いていると切り株に足が当たったようだった。

その切り株の真ん中に紙に包まれたあのカラフルなクッキーが置いてあった。

ぼくは、それを食べてみた。
あのとても甘くてしっとりした味と
心におじさんの申し訳なさと感謝の思いが流れてきた。
ぼくは、静かに座り込んだ。
おじさんのその思いと日常を取り戻した思いがぼくの心を立体的に揺らした。
この思いは、なんといえばいいのだろう。

そこで目が覚める。

お気持ちでお入れいただけたら幸いです。