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八神純子「思い出は美しすぎて」

人生に欠かせないオールタイムベストな音楽アルバムをいろいろと紹介していきたいと思います。ジャズ、クラシック、ロック、ポップス、歌謡曲、フォーク、J-Popなど、脈絡なくいろいろと。


いまや「八神純子って誰?」っていう方もいらっしゃるかもですね。

そういう方はとにかく一度この曲を聴いてみてください。


Apple Musicならこちら。
(※Spotifyは現在の八神純子の曲ばかりで初心者向けではないのでリンクするのはやめときます)


このファーストアルバムが発売された1978年発売だから、もう発売されてからなんと41年(2019年現在)。発売当時に17歳だったボクが58歳になるんだから、そりゃ知らない人も多いでしょう。

これまた知らない名前ばかりかもしれないけど、世良公則&ツイスト、チャー、原田真二の3人が「ロック御三家」と呼ばれてよくテレビに出てた頃です。彼女もデビューしました。
キャンディーズが解散したのもこの年の4月4日ですね。

そんな時代に八神純子はデビューしたのでした。
そして、高校2年生だったボクは、東京の6年一貫の男子校に通っていました。

男子校というのは回りに女の子がいないせいか「女にもてるために音楽を聴く」という意識が低いので、わりと背伸びせず、子供っぽいのも恥ずかしがらず聴ける環境でした。

いや、八神純子が子供っぽいというわけではなく、男女共学に行っていたら聴かなかったかもしれないなぁ、というような意味です。わりと見栄はって「日本のニューミュージックなんてくだらない」とか言って聴かなかった気がする。


で、「思い出は美しすぎて」。
この八神純子のデビューアルバム、わりとすぐ買ったんですよね。

名古屋の大富豪の娘がきれいな声で良い曲歌っている、ということはラジオのコッキーポップとかで知っていました。でも、当時(高校2年生)はその程度の動機では2500円もするLPを買わないものです。

近くの知り合いの大学生が部屋でしょっちゅうこれをかけてて、「最高だ、最高だ」と繰り返していたので、まずはその人に借りて(当時はレンタル店すらもなかった)聴き始めたんです。

一聴で惚れました。
アルバムとしてすごく良かった。

冒頭の「雨の日のひとりごと」(デビューシングル)がまずいい。
コッキーポップとかで聴いていたはずなのに、改めてその美声に聞き惚れましたね。2曲目「時の流れに」なんか、当時は超名曲だぁと興奮して聴いてた記憶があります。

そして表題曲「思い出は美しすぎて」。

出アタマのギター音からして最高。
「透明感とはこういうことかぁ」と、当時のボクは本当にショックを受けました。

しばし呆然。
そして、2500円を握りしめて、近所のレコード店に行ったわけです(まだ近所に普通にレコード店がある時代)(当時のお小遣いとしては大散財)。


まぁ当時の高校生にとっての「所有」ってすごく大きな事件なので、そりゃもうくり返しくり返し聴くことになります。

そして、こんな曲を作曲できる八神純子がとても好きになったのです。
「アイドル視」はしなかったけど、その音楽性と、なによりも声に惚れたというか。

つまり、とにかくたくさん聴いた、という意味でかなりバイアスはかかっているんだけど、でも、これは誰が何と言おうと名盤だと思うのですよ。

なにより、飽きない。
そして、聴くたびに新鮮な気持ちになれる。
そんな名盤、そんなにない、よね?

人によっては2枚目のアルバム「素顔の私」の方が好きという方もいるかもしれません(これも名盤だし)。
日によってはボクもそう思うときがあります。
でもどっちかを選べと言われたら、愛着も含めてやっぱりこっちかな。

その後彼女は、「Mr.メトロポリス」「夢見る頃を過ぎても」とアルバムを出し続けるのですが、「思い出は美しすぎて」「素顔の私」の2枚の出来がすごすぎて比べものになりません。

いいなぁ、このアルバム。
いま書きながら聴き直しているんだけど、やっぱりいい。とてもいい。ボクの高校時代を彩る思い出深い名盤です。


ちなみに、このアルバムはほとんど彼女の作詞作曲ですが、2曲だけ他人の曲を歌っています。
この2曲がまた良い。
「気まぐれでいいのに」と「さよならの言葉」。
どちらも小野香代子さんの作詞作曲です。特に「さよならの言葉」がボクは大好きなんですね。

それについてのnoteも書きました。
この曲については友人とのエピソードも相まって忘れられません。


最後に、八神純子の曲としてボクが好きなBEST5を上げておきます。

   1.「思い出は美しすぎて」
   2.「さよならの言葉」
   3.「夜間飛行」
   4.「雨の日のひとりごと」(ポプコンバージョン)
   5.「想い出のスクリーン」

このまえ、八神純子のライブに行ったら、Jazzバージョンの「夜間飛行」をやってくれて、本当に感動したなぁ。

というか、今現在の八神純子(2019年現在)、下手すると現役時代より歌うまいんです。
ライブを見つけたら、ぜひ行ってみることをオススメします。



サンバ・ホイッスルを日本に広めたのも八神純子ですね。
「思い出は美しすぎて」の中でも彼女が吹いていたけど、特に有名になったのは「みずいろの雨」。
この曲ヒットしたし、「ザ・ベストテン」とかにしょっちゅうこの曲で出て彼女自身が勇ましくサンバ・ホイッスルを吹きまくっていたので、あれから広まったと思います。

あの声とピアノ弾き語り、そしてサンバ・ホイッスルという組み合わせがなんだかインパクトありました。



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