見出し画像

1/100の作り方について


noteで「とはいえ100分の1って大変だよなぁ」という記事を拝見しました。


ボクの「1/100をつくろう」という記事と「アートの教養を身につけたい3つの理由」という記事を読んで引用していただきました。ありがとうございます。

記事の内容については、それはその通りですね。
大変は大変だし、また、99人の側でいる生き方も全然ありだと思います。

よく誤解されますが、ボクはかなりの面倒くさがりです(それでもレベルが違うだろうと思われる方はぜひ妻の優子にご連絡ください。ボクの日々の自堕落を教えてくれると思います)。

そういう自分でも、なんとか1/100は目指すことができるんじゃないか。
それを複数もって組み合わせるとOnly Oneになれるんじゃないか。
というか、変化の激しい時代にはそっちのやり方のほうがいろいろイイんじゃないか。というのが1/100理論になります。


もちろん多少の努力はしないといけません。

ただ、「考え方によっては、そこまで大変ではないんじゃないか」ということを、せっかくなので今日は書いてみたいと思います。


1/100ということは、100人にひとりの存在になる、ということです。

これ、普通に会社で考えると「100人いる会社で一番になるってこと?」「1000人いる会社で、上から10人に入るということか…」となって、ちょっと呆然としますよね。

でもそれは捉え方が漠然としすぎ。
もっと具体的にイメージした方がいいと思います。

「会社」という「いろんな分野の集合体」ではなく、たとえばあなたが「広報」の担当者なら、社外も含めて「広報担当者たち」で具体的に1/100を考えます。

まず、広報担当者を(社外も含めて)何人か思い浮かべてみてください。
身近でバリバリにやっている尊敬すべき人だけでなく、いろいろな会社の広報担当者を思い浮かべてみてください。

いろんなタイプの人がいますよね。
いつも寝てるようなオッチャンもいれば、十年一日の如くルーティン対応だけやっている人もいる。まだ新人でうろうろしているだけの人もいれば、配属が不満で働かない広報マンもいる。

あなたが「広報分野で1/100を目指そう!」と思ったのなら、そういう人たちも入れての100人にひとり、になります。

そして、あなたがそういう志をもってやる気に燃えている時点で、実は1/10、つまりもう10人にひとりくらいな存在にはなっているんですね。全体で見たら、そんな人は少数派なんですから。


次は、「では1/10からどうやって1/100になるか」です。

「広報をがんばろう、ちゃんと勉強してそれなりのプロになろう」と思ったらどうしますかね。たとえばセミナーとかに行ったりしますよね。

では、「広報セミナー」があるとして、その会場を思い浮かべてください。

100人座っています。
この中で一番になるのではありません。
実はこの中で10人に入ればいい。

みんな、セミナーに来るくらいですから、1/10くらいには行っている「意識高い人」「やる気のある人」です。

つまり、この会場には、リアルには100人いるわけですが、それぞれの背景にいる9人の人たち(みんな1/10なので、残りは9人)を含めると、実は1000人いるわけです(9×100=900人+100人)。

その中で上から10人に入れば、10/1000ですから、1/100ですね。

違う言い方をすれば、あなたの席の周りのリアルな10人。この10人の中で一番になると、1/100になります。

さて、そのためにはどうすればいいでしょう。

もちろん努力が必要かもですね。
ただ、あなたもセミナーに行ったことがあるでしょうからわかると思いますが、「セミナーに来ている時点ではやる気に満ちていますが、ずっと努力をし続ける人ばかりではない」ですよね?

たいていの人は、日々の忙しさにかまけて、勉強をやめてしまうものです。

なので、セミナー後も継続して本を読んだり、違うセミナー行ったり、勉強したことを発信したり(書くことは考えること。書くことは覚えること)、それを着実に仕事に活かしたりを数年やっていくと、周りの人をごぼう抜きしていくと思います。

そして、気がつくと、あなたは1/100になっています。


何が言いたいのかというと、「漠然とではなく、イメージとして具体的に考えるとわりと努力の方向が見えますよ」ということ。そして「そんなに継続して努力する人って多くないので、1/100くらいなら意外と数年でなんとかなる」ということです。

※追記ですが、もし「広報分野」では厳しそう、というのなら、広報分野全体ではなく、「メディア対応をやらせたらアイツ」とか「○○局とのリレーションならアイツ」とか「広報リリースを書かせるならアイツ」とか、分野を超絞って1/00を目指してみるのもありだと思います。


もうひとつ、例を出してみます。

たとえばあなたが落語好きで、落語で1/100になると決めたとします。

落語なんて、特に今は好きな人一杯いますよね。
寄席に行っても独演会に行っても満席なことが多いです。

そういう落語好きの中で1/100になるのって相当大変!って思います? 思いますよね。

でも、具体的に「落語を好きな人」をあなたはどのくらい知っているでしょう。

意外と寄席に通うなんて人は少なくて、「笑点」が好きな人、「昭和元禄落語心中」で落語に興味を持った人みたいな、「薄い人」もたくさんいるのです。

そういう人たちも含めての1/100です。
だから、ちょっと寄席に通うだけですぐ1/10には入ります。

さて、そうしたら寄席の周りの人を見回してみてください。
100人くらいいますよね。その人たちは1/10な人が多いと思います(もちろん1/100も1/1000も紛れ込んでいますが、1/10にも満たない人も多く来ているので相殺して考えましょう)。

そういう寄席の中での1/10に入ると、あなたは晴れて1/100です。
上の広報の例と同じ考えで行くと、あなたの席の周りの10人の中で一番になれば、1/100です。

そうなるためにはどうすればいいか。
周りの10人よりちょっとだけ努力を続ければいい。

落語を多く聴きまくるのもありだし、古典や新作を研究しまくるのもありだし、ある噺家さんに絞って聴き続けてもいいでしょう。

寄席に来ている人の顔を見ながらそうやって具体的に考えていくと、きっとイメージが沸いてきます。


もっとニッチな例をあげると、たとえばボクは「ぬか漬け」で1/100を目指すとも書きました。

これなんか、「ぬか漬けが大好き」「ぬか漬けって漬けてみたいな」などと思っている人も含めての1/100ですからね。

ぬか床の手入れを1000日続けよう、って考えて生ぬかを取り寄せている時点で、すでに1/10には確実に入っています。

あとは続けること。
そして、何かしら学んで発信してみること。

そうすると、1/100は見えてきますよね。

1/100ってその程度のことだと思うなぁ。
そして、それを複数もって掛け合わせる。それだけ。


まぁ、「ぬか漬け広告マン」がどんなバリューを生むのかを計算して分野を選択したほうがいいのだけど(レバレッジが効く分野のかけ算のほうがより効果は出ますから)、でも、想像しないような展開が生まれることもよくあるので、好きならとにかく一度1/100になるくらいはやり込んだがいいと思います。

※ただしその様子をSNSやブログなどで発信はしたほうがいいです。そうしないと誰にも知られずに得意、という微妙なことになります。


ついでに言うと。
ニッチではなく、わりと「努力する人が多い分野」、つまりレッド・オーシャンに乗り込む場合はどうするか。

それは、たとえばボクの中ではアート(美術)なんかはそういう分野です。くわしい人は本当にたくさんいますからね。

そういう分野においては、簡単には1/100にはなれません。
ボクが「アートをどうやって勉強していくか」にも書いたように、それなりにやらないといけないことが増えると思います。

とっかかりが難しいですが、アートの場合は「美術検定」というのがあったので、わかりやすくそこを目指してみることにしました。

一級を取れば(とても難しいらしいので1000日では取れない可能性もありますが)、「努力する人が多いアート分野」でも1/100には入ることでしょう。

※その後、美術検定一級は合格しました。

ちなみに、なぜボクがそんなレッド・オーシャンを目指すことにしたかというと、「闘アレ(闘病ではなく闘アレ。アレルギーと闘うことを個人的にそう呼んでます)」のせいですね。

「闘アレ」というストイックな1000日が待っているわけです。

「だったら1000日丸々かかりそうな高い目標を敢えて設定しよう」、と思ったのが理由です。
もしボクが単に「1/100のかけ算」を狙っているなら、競合が多いアート分野には踏み込まなかったと思います。もっと楽な分野を選びます。


というか、ボク自身、アレルギーという理不尽な要素が人生に飛び込んでこなければ、「いままでの知見を活かしてゆっくり下り坂を楽しもう」って感じにのんびり生きたでしょう。

なので、ボクが特別に努力好きだというわけではありませんし、成長する速度が速いわけでもありません。

仕方なかったんです。
よりによって人生のこのタイミングでアレルギーに襲われたのですから。

そして、闘う、というスタンスに立たないと、すぐ鬱っぽくなっちゃうんですから。


ということで、少し話がよろけましたが、1/100の作り方のお話でした。

古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。